技術や技能の継承を仕組みとしてノウハウを蓄積し、継承するための方策としてのPLDM。設備の経年化に加え、ますます少子高齢化が課題となっている。若年労働者の減少に加え、経験豊かなベテランのリタイヤなど労働環境の変化が著しい。
設備の操業から維持管理のノウハウを系統立てて継承するには、各種業務プロセスの整理が必要であり、ナレッジマネジメントなど知識創造的な作業を行う上で、各種データ管理が重要となってくる。PLDMはそうした対応をしていくための基本となる。
生産設備の運転や保全の現場では、マニュアル化する事が難しい様々な技術が存在し、それらを優秀なベテラン社員の経験やノウハウが支えてきた。DCSなどのプラント制御技術により、定常運転時の管理については、現行ほぼ自動化が実現されている設備が多い。
しかし、定修後のプラント立ち上げや、緊急事態などでの非定常状態においては、依然としてベテラン社員の「経験」「勘」「努力」をもって対応しているのが現実と言える。設備の保全管理においても同様である。
これら熟練者の現場力を引き継ぐには多くの時間と経験が必要となる。安全操業を行う上で、ベテラン社員の貴重な暗黙知を含めた技術の継承がなされる必要があり、前述したようにナレッジマネジメントによる知識のテンプレート化が要である。 |