次に製薬工場の大きな特徴であるGMPとバリデーションについても簡単に触れておく。
ご存知の通り、医薬品は人の命に直結する製品である。医師は患者の症状に合わせて適切な医薬品を処方するわけであるが、本来効くべき効果が現われなかったり、
間違った成分が含まれていたりするようなことがあれば、患者の生命の危機を脅かしかねない。
医薬品の製造プロセスにおいて、人為的エラーを防ぎ、一定の品質を保つための規定として、1963年に米国においてGMP: Good Manufacturing
Practice が整備され、以後各国でもこれに準じた品質管理基準を法規として定めており、我が国においては、医薬品医療機器等法(旧薬事法)および医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準に関する省令(GMP省令)にて定められている。
GMPでは、組織体制から、製造設備や製造プロセスの管理方法、手順書の整備、製造記録の管理や品質管理、従業員の教育訓練など、医薬品製造に関する全ての活動が規定によって定められている。
またGMPで定められている規定の1つとして「バリデーション」がある。バリデーションとは、「製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理および品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることによって、目的とする品質に適合する製品を恒常的に製造できるようにすること」
(薬食監麻発0830第1号より引用)である。
コンピュータシステムについても例外でなく、医薬品製造に関わるシステムについては、CSV:Computerized System Validation
の基準が同様に省令で定められている。 |