2022.2.25
ENN2月25日号 特集:中規模プロジェクトで威力を発揮するエンジニアリングIT
高まる、データコラボレーションニーズ
高度機能より、データ連携を重視 |
Q5:施工管理用のBIMアプリケーションとして、
どの製品を使用していますか? 複数回答可 |
「Navisworks」(オートデスク社)が88%でほぼすべての回答を集めた。元々ビュワーとして開発された「Navisworks」だが、属性情報管理できるなど、ビュワー以上の機能を持つ。こうした機能向上が施工管理に活用されるようになった要因だ。
また、この分野では「SYNCHRO」(ベントレー・システムズ社)が3%となった。
「SYNCHRO」はベントレーが2018年に買収により獲得したソフトウェアだが今後、日本市場でも浸透することが期待される。
Q6:プロジェクト(エンジニアリング)・データ・マネジメント・ソリューション
として、どのソフトを使用していますか? 複数回答可 |
「BIM360」(オートデスク社)が17%を占めた。次いで「AVEVA NET」(アヴィバ社)8%、「EcoSys」(ヘキサゴンPPM)が5%と続いた。
「BIM360」はオートデスク社の「Autodesk Construction Cloud」の機能の一つだが、施工管理システムとして使い勝手も良く、価格が手ごろなことから活用されている。
Q7:3次元レーザースキャナとして、
どのメーカーの機種を使用していますか? 複数回答可 |
「FARO」と「LEICA(LeicaGeosyetems)」がいずれも17%で並んだ。元々、3次元レーザースキャナは価格が1,000万円以上と非常に高額だった。しかし「FARO」が500万円台の比較的に廉価な機種を投入、これがきっかけとなり、3次元レーザースキャニング技術も普及した。
「LEICA」はこの流れを追いかけ、最近では200万円台の低価格の機種も市場に投入した。
これらに続いたのは「Z+F」だが、元々、高級路線で展開してきたが、最近は低価格帯の機種を拡充させている。
また、簡便な製品として、グーグル参加の「Matterport」も用途は限定されるものの、今後、使用者数が増加するものと見られる。
また「iPhone 12 Pro」にも3次元スキャニング機能が搭載されており、今後、用途が限定されるものの、活発に使用されるものと見られる。
Q7-1:3次元レーザースキャナで取得した点群データ処理ソフトとして、
使用しているのはどれですか? 複数回答可 |
「Infipoints」(エリジオン社)が32%で最多の回答となった。次いで「レーザースキャナーメーカーの純正ソフト」が22%、「Galaxy-Eye」(富士テクニカルリサーチ社)17%で続いた。
点群処理ソフトは、3次元CADに取り込む前処理を行うソフトで、レーザースキャニングには不可欠なソフトになっている。
Q8:3次元リアリティモデリングソフトウェアとして、
どのソフトを使用していますか? 複数回答可 |
「ReCap Pro」(オートデスク社)が17%で最も多くの回答を集めた。次いで「Context Capture」(ベントレー・システムズ社)10%となった。
「その他」の回答には「AVEVA Point Cloud Manager」「ClassNK- PEERLESS」「Autodesk Revit」「GalaxyEye」があった。
点群やデジタルカメラの画像から空間情報を取得して、3次元モデルを生成する技術で、インフラ点検などにも活用できる。
こうしたソフトを的確に使うことは、エンジニアリング企業の今後の競争力に影響することが考えられる。
今回のアンケートでは、「使用していない」という回答が60%を占めたが、今後、使用率が向上する可能性がある。
Q9:クラウド環境で使用できるエンジニアリングITソリューションについて、
どのようにお考えですか? 複数回答可 |
「すでに使用している」が49%でほぼ半分を占めた。「使用を検討している」も21%で、使用に前向きと言う回答が約7割を占めた。反面、「使用を禁止している/検討していない」は23%を占めている。
かつて、この質問では、過半が「使用を禁止している」という回答をしていたが、時代とともにクラウドが社会に浸透したのを受け、その見方は大きく変わってきた。
クラウド環境の活用は、生産性とも関わっており、多くの企業が受け入れるようになった。
Q9-1:Q9で「クラウド環境の使用を禁止している」理由は何ですか? 複数回答可 |
Q9で「クラウド環境の使用を禁止している理由は何ですか?」という主旨の質問をしたが、「セキュリティの確保が困難」、「情報漏洩の危険性がある」がそれぞれ33%で、情報セキュリティの問題を気にしているケースが多い。
しかし、時代は大きく変わっており、専門業者は情報漏洩に関するセキュリティには、万全を期しており、情報漏洩の問題は解消されていると見て良い。
求められる、ソリューションへの正確な知識で的確な判断 |
小誌がエンジニアリングITアンケートを実施するようになって、約20年が過ぎた。
この間、CADはきれいな図面を描くツールから3次元を扱うソフトに進化し、最近ではデータマネジメントへとその領域を広げている。こうした機能を活用することで、エンジニアリング業界としても、生産性を向上できる。
今回のアンケートでも、Q6「データ・マネジメント・ソリューションとして、どのソフトを使用していますか?」の質問に対する回答で「使用していない」が53%と過半を占めた。
しかし、このソリューションを十分に使いこなせれば、まだまだ生産性を向上できる可能性がある。
アンケートの「その他」の回答には、「分からない」「必要ない」という回答が散見されるが、ソリューションをしっかりと理解し、情報を吸い上げることで、社内のDX化の進捗につながるはずだ。
先入観で判断すべきではないだろう。
エンジニアリングITアンケート回答企業(54社)
IHI / 旭化成エンジニアリング / 出光エンジニアリング / 荏原環境プラント / 大林組 / 鹿島建設 / 川崎重工業 / 木村化工機
/ クボタ / クラレエンジニアリング / 神戸製鋼所 / コスモエンジニアリング / ササクラ / 山 九 / JNCエンジニアリング /
JFEエンジニアリング / 清水建設 / 神鋼環境ソリューション / 水ingエンジニアリング / 住友ケミカルエンジニアリング / 住友重機械エンバイロメント
/ スチールプランテック / 第一高周波工業 / 大成建設 / 太平洋エンジニアリング / 高田工業所 / タクマ / 竹中工務店 / 千代田化工建設
/ 千代田工商 / 千代田テクノエース / 月島機械 / テックプロジェクトサービス / 東亜工業 / 東芝エネルギーシステムズ / 東芝プラントシステム
/ 東洋エンジニアリング / 東レエンジニアリング / 巴ライジング / 日 揮 / 日揮グローバル / 日鉄エンジニアリング / 日鉄パイプライン&エンジニアリング
/ 日本通運 / 日立造船 / 富士興業 / 富士電機 / 三菱化工機 / 三菱ケミカルエンジニアリング / 三菱重工環境・化学エンジニアリング
/ 三菱重工業 / 三菱電機 / レイズネクスト / ワシノ機器 |
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