| 2020.2.21 
 
        
        
          | ENN2月25日号 特集:「エンジニアリングITアンケート 2020」 
            
              
                | 3次元CAD、ヘビーユーザが支持する「PDMS」「SP3D」 クラウド使用は、ほぼ半数が禁止
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                      | Q5:プロジェクト(エンジニアリング)・データ・マネジメント・ソリューション として、どのソフトを使用していますか? 複数回答可
 |  「使用していない」が73%を占め、「その他」が10%を占めた。大型プロジェクトに対応している企業では、必要性があるものの、回答のあった企業のほとんどで必要性が認識されていない状況にある。それでも、「SmartPlantFoundation/
                Enterprise/ Fusion(ヘキサゴンPPM)」7%、「AVEVA VET(アヴィバ)」5%、「ProjectWise(ベントレー)3%、「EcoSys(ヘキサゴンPPM)」2%となった。
 
 回答者の中には、小物の設計にしか対応していない企業もあり、すべての企業がプロジェクトマネジメントソフト(PMS)を必要としているわけではない。
 
 近年、プロジェクトは大型化すると同時に複雑化しており、その進捗管理においてPMSが果たす役割は大きい。
 
 ただ、PMSを必要とする大型プロジェクトを手掛けるのは、専業大手エンジニアリング企業と一部の大手プラントメーカーにすぎない。
 
 このため、PMSが業界全体で普及するとは考えにくい。
 
 しかしこの数年、わが国のエンジニアリング企業のうち数社はプロジェクト遂行のミスにより多額の赤字を計上してきた。今後、PMSを従来以上に適切に活用する必要があるだろう。
 
 
 
 
                  
                    
                      | Q6:どのメーカーの3次元レーザスキャナを使用していますか? 複数回答可 |  「使用していない」が53%の回答を占めた。立体をスキャニングして点群データを得るためのスキャナーは、かつては1台あたり1,000万円以上の高額な機種が主流だったが、その後、500万円くらいの価格の機種が発売され、最近では200万円前後の機種も発売されるようになり、今後、普及する可能性がある。特にメンテナンス工事会社などではニーズが高まっており、各社が保有している。
 
 アンケートでは、「FARO」22%、「LEICA」10%、「Z+F」5%となった。「FARO」は500万円の機種を世界で初めて発売したメーカーで3次元レーザスキャナーの普及の口火を切ったメーカーでもある。
 
 また「LEICA」は「FARO」以下の低価格帯で市場に切り込んでいる。この技術の普及を加速する役割を果たしていると言える。
 
 さらに「Z+F」は元々、高機能を持つ機種を高価格帯で販売してきたが、最近では「FARO」に匹敵するくらいの低価格対でレーザスキャナーを提供しており、徐々にシェアを拡大している。
 
 3次元レーザスキャニング技術は、15~16年前に登場した技術だが、当初は計測精度が低いという点で普及しなかった。しかしその後、「精度は低くても、用途によっては十分に活用できる」という見方が支配的になった。3次元レーザスキャニングのデータから3次元モデルを作成して、メンテナンスの計画に活用することもできる。
 
 またレーザスキャニングで得られる点群データの処理についても高性能な
 ソフトが発売されており、これらを活用することで、空間情報からモデルを生成しやすくなる。
 
 こうした背景から、今後も普及しそうだ。
 
 
 
 
                  
                    
                      | Q7:3次元リアリティモデリングソフトとして、どのソフトを使用していますか? 複数回答可
 |  今回、初めて設けた質問だ。
 
 デジタルカメラや3 次元レーザスキャナで取得したデータから3次元モデルを生成するソフトで、米国のソリューションベンダーであるベントレー・システムズが「Context
                Capture」を扱っている。わが国では、測量会社に普及しているが、プラント関連では、設計通りに施工が行われているかを確認するなど、施工管理で活用されることが多い。しかし、アンケートの回答では「使用していない」が80%を占め、プラント業界への普及は限定的だ。
 
 アンケート結果では、「ContextCapture(ベントレー)」7%、「Pix4D」2%と「MetaShape」2%となった。
 
 「ContextCapture」の浸透度が深いが、3次元リアリティモデリングを必要とする事例がまだ少ない状況が反映されている。
 
 3次元のリアリティモデリングは現在、プラント用途では、施工管理に使われることが多い。
 
 施工の区切りの良いタイミングで、デジタルカメラで画像を撮影して、そのデータから設計データとの整合性を確認する。これにより、設計データ通りにプラントが建設されているかを確認できる。
 
 デジタルカメラの画像は、60%以上のラップ率で画像を重ねながら撮影しなければならない。これら画像データを取り込んで、3次元モデルを生成するのだが、画像データの取得については「コツが要る」と言われている。
 
 ただ、使用しているユーザからは「施工管理に有効」という声もあり、この点で今後、普及する可能性がある。
 
 現在のところ、3次元リアリティモデリングの使用は測量業界で普及しているが、プラントや建設の施工管理ニーズで今後、増加する可能性もある。
 
 またリアリティモデリングは形状を認識するのにも活用でき、AIのマシンラーニングにも活用できる。
 
 用途が広がりを見せる可能性があり、3次元リアリティモデリングがまだまだ普及する可能性がある。
 
 
 
 
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