| 2020.2.21 
 
        
        
          | ENN2月25日号 特集:「エンジニアリングITアンケート 2020」 
            
              
                | 3次元CAD、ヘビーユーザが支持する「PDMS」「SP3D」 クラウド使用は、ほぼ半数が禁止
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                      | 3次元CADの使用は、企業数だけを見れば、「EyeCAD」が最も多く使われているが、使用本数の多いユーザからの指示は「PDMS」「SP3D(SmartPlant
                      3D)」が多い。「PDMS」や「SP3D」は、大型プロジェクトの配管設計などで使用されることが多く、施工に強い「EyeCAD」とは性質も役割も異なる。また今回のアンケートでも、44%の企業がいまだにクラウドの使用を禁止している。しかし、IoTの時代になってクラウドの使用を禁止していては、時代の流れに乗り遅れるだけだ。業界のエンジニアリングIT活用は「周回遅れ」と言わざるをえない。 |  小誌では毎年、1~2月に3次元CADなどのエンジニアリングITツールの使用状況をアンケート調査している。
 
 今年も同時期にアンケートを配布し、55社から回答を得た。
 
 
 
 
                  
                    
                      | 「EyeCAD」が首位も、ヘビーユーザは「PDMS」「SP3D」を使用 |  
 
 
                  
                    
                      | Q1:プラント設計用として、どの3次元CADを使用していますか? 複数回答可 |  「EyeCad(日本インターグラフ)」が25%で今年も最大シェアとなった。以下「PDMS(アヴィバ)」19%、「AutoCad PLANT
                3D(オートデスク)」14%、「AVEVA E3D(アヴィバ)」11%と続いた。
 
 しかし、この数字はソフトを10本以上持っている企業と11本以上企業の合計で、「EyeCAD」の場合、回答のあった企業のうち95%以下が「年間平均10本以下」と回答しており、ヘビーユーザーは少ない。また「EyeCAD」の特徴は、施工に適していることで、工事会社やユーザ系エンジニアリング企業のほか、比較的に中小規模のプラント建設のEPCを手掛ける企業が活用しているケースが多い。
 
 これを「年間平均11本以上使用している」という条件で見ると、最大は「PDMS」の28%で、「AVEVA E3D」24%、「SmartPlant
                3D(SP3D:ヘキサゴンPPM)」16%、「PDS(ヘキサゴンPPM)」、「AutoCAD PLANT 3D」12%と続く。これらの中でも、「PDMS」「SP3D」は大型プラントの設計で活用されることが多い。同じ3次元CADでも用途に応じて、使われ方が異なる状況が反映された。
 
 
 
 
                  
                    
                      | Q1-1:使用している3次元CADに満足していますか? |  「満足している」51%で、「満足していない」49%で、回答は半々となった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                  
                    
                      | Q1-2:3次元CADの使用開始時期はいつからですか? 最も多いケースをお答えください
 |  最も多い回答は「詳細設計から」で51%、「初期設計から」が43%で。「施工図面作成から」は2%だった。設計の初期段階から3次元CADが活用されていることが多い状況が浮かび上がった。設計の初期段階は、プロジェクト全体のコストに与える影響が大きい。「初めの5%の設計により、コストの85%がロックされる」と言われており、3次元CADは設計の初期段階から使用されるのが望ましい。
 こうした設計の常識が回答にも反映されたと言えるだろう。
 
 
 
 
                  
                    
                      | Q2:機械設計用CADとして、どの2/3次元CADを使用していますか? 複数回答可 |  「Autodesk Inventor(オートデスク)」が26%で最も多く、次いで「SolidWorks(ダッソーシステムズ)」20%、「CATIA(ダッソーシステムズ)」と「CREO(PTC)」4%となった。
 
 機械設計用CADでも、「SolidWorks」は、小型機械の設計に活用されることが多い。反面、「Autodesk Inventor」「CATIA」「CREO」は製鉄プラントなどの大型の単体機械の設計に活用されることが多い。このため「年間平均11本以上使用している」と回答したのは、「SolidWorks」は11%と比較的に少ないが、「Aitodesk
                Inventor」は39%と多い。大型機械の設計を手掛ける企業では、11本以上のCADを保有して、設計に対応していることが反映された。
 
 
 
 
                  
                    
                      | Q3:架構設計用CADとして、どのソフトを使用していますか? 複数回答可 |  
  「Autodesk Revit(オートデスク)」が21%で最も多い回答を得た。次いで「TaklaStructures(トリンブル)」が19%で続いた。架構設計用CADとして、「TeklaStructures」がデファクトスタンダードである。反面、「Autodesk
                Revit」は建築設計用BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトといった位置付けである。構造設計であれば、「TeklaStructures」が根強い支持を得ていると見られるが、高度な構造設計ではなく、建築の延長線上であれば「Autodesk
                Revit」でも対応でき、この状況が結果に反映されたと言える。 
 このため「年間平均11本以上」使用すると回答したのは「TeklaStructures」46%であるのに対し、「Autodesk Revit」は23%にとどまった。「TeklaStructures」には、ヘビーユーザーがいることが反映された。
 
 つまり「TeklaStructures」は、高度な構造設計を必要とするユーザに使用されている。
 
 「TeklaStructures」は建築物の手すりや階段を細かく設計でき、ユーザからは「きめ細かな設計が可能」という声が多い。競合製品を扱うベンダーも」「『TeklaStructures』には適わない」という感想を聞くこともある。
 
 これに対して、「Autodesk Revit」は、BIMの延長線上で。構造設計を行うものと見られる。「TeklaStructures」と「Autodesk
                Revit」の回答の差は、あくまでも使用用途によりもたらされるものだ。
 
 
 
 
                  
                    
                      | Q4:BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトとして、 どの3次元CADを使用していますか? 複数回答可
 |  「Autodesk Revit」が最も多く32% 、次いで「TellaStructures」11%、「ARCHICAD(グラフィソフト)」3%、「OpenBuildind Designer(ベントレー)」2%と続いた。ここでも建築設計用のCADである「Autodesk Revit」と「TeklaStructures」が上位を占めた。構造設計に強い「TeklaStructures」もBIM志向を強めているが、BIMソフトとして認知されている状況が反映された。
 
 「年平均11本以上使用する」という回答も、「Autodesk Revit」45% 、「TeklaStructures」36%となり、いずれも比較的に多くのヘビーユーザーを抱えている。
 
 
 
 
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