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 2018.2.23
 ENN2月25日号 特集:「エンジニアリングITアンケート、クラウド導入慎重論が徐々に減少」
 クラウド導入慎重論が徐々に減少
 3次元CAD使用企業数では「EyeCAD」がトップもライセンス数ではアヴィバ

クラウド慎重論が徐々に減少


Q7:エンジニアリング・データ・マネジメント・ソリューションでは、
   どのソフトを使用していますか?
 複数回答可

 「使用していない」という回答が最も多かったが、このシステムが必要な大型プロジェク
トに対応している企業は、専業大手と一部の総合重機メーカーと重電プラントメーカーに限定される。

 その中で最大シェアとなったのが、「SmartPlant Fundation/ Enterprise・Fusion(ヘキサゴンPPMI)」が構成比9%を占めた。次いで「ProjectWise(ベントレー・システムズ社) 」と「Autodesk Bazzsaw(オートデスク社)」がいずれも3%を占めた。


Q8:3次元レーザースキャナーでは、どのメーカーの機種を使用していますか?
   
複数回答可

 「FARO社」が最大の構成比で15%を占めた。次いで「LEICA」8%、「Z+F」7%と続いた。かつて、3次元レーザースキャナーは価格が1,000万円以上で、非常に高価だった。しかし「FARO」が数年前に500万円の廉価機種を市場に投入した。これにより、3次元レ
ーザースキャニングが一気に普及した。普及の立役者となった「FARO」はその後も、業界で普及している。ただ、「LEICA」「Z+F」も廉価機種を市場に投入しており、構成比は今後、変化してくる可能性がある。たしかに、現在は、「FARO」が廉価機種を活用することで、デファクトスタンダードになった感があるが、デファクトスタンダードが他のメーカーの機種と入れ替わる可能性もある。


Q9:ワークステーションのOSはどれですか?

 「Windows7」が81%、「Windows10」19%である。以前から、ワークステーションについては、古いバージョンが根強く残る傾向がある。「Windows7」が一般的に全盛だった
時代には、「WindowsXP」に根強い支持があった。今回のアンケートにおいても「Windows7」が実に8割を占める。これは設計ソフトであるため、最新のOSよりも使い慣れたPSの方が安心感があるためだ。たしかに、エンジニアリングIT部門の方は頻繁に「枯れたソフトを使いたい」と言うが、この傾向は一般に「Windows10」が全盛の現在でも根強い。


Q10:クラウド環境で使用できるエンジニアリングITソリューションについて、
    どのようにお考えですか?

 「使用を禁止している/検討していない」41%、「すでに使用している」33%、「使用を検討している」25%で、今年もクラウドを拒否する傾向は根強い。しかし、最近の世の中は、クラウドを使用しないと、乗り遅れる可能性も出てきている。ここでセキュリティに関する過剰な不安からクラウドに乗り遅れるようなことがあると、時代の流れに取り残されるこ
とになりかねない。そのためか、状況は徐々に変わりつつある。昨年の同じ質問の回答は、「使用を禁止している/検討していない」45%、「すでに使用している」24%、「使用を検討している」26%だった。「使用を禁止している/検討していない」は45%から41%へと構成比が下がっており、「すでに使用している」は26%から33%へと構成比が増加している。また「使用を検討している」が26%から25%で横ばいだった。


Q10-1:Q10で『使用を禁止している/検討していない』と回答した理由は
      何ですか?

 「セキュリティの確保が困難」「情報漏洩の危険性がある」がいずれも最大の構成比で37%を占めた。情報セキュリティへの不安が最大の問題だが、最近では、マイクロソフト
、アマゾンなどのベンダーがパブリッククラウド環境を提供しており、これらベンダーとCADベンダーが提携してクラウド環境を提供するケースも多い。マイクロソフト、アマゾンでも、セキュリティには最大限の技術で臨んでおり、セキュリティ上の問題が発生したとは聞いていない。クラウドを使用することは、現在、注目される「コネクテッド(つながる)」社会への最低限の試みである。ここでの躊躇は無用である。


Q11:サブスクリプション契約を締結していますか?

 「一部のソリューションや契約で活用している」が71%で最大となったが、「全面的に活用している」19%、「まったく活用していない」10%となった。

 ソフトウェアを利用するには、資産として所有するか、ベンダーに使用料を支払って使用する「サブスクリプション契約」の2種類の方法がある。資産として所有した場合、ソフトウェアには金額に応じて減価償却費が発生するため、コストアップになることがある。この点、サブスクリプション契約の場合、必要に応じて使用料を支払うので、一つ使用料については割高だが、無駄が削減できる。

 昨年のこの質問の回答は「一部のソリューションや契約で活用している」57%、「サブスクリプション契約を全面的に活用している」23%、「まったく活用していない」10%だったが、「一部のソリューションや契約で活用している」が71%にまで増加し、サブスクリプション契約は必要に応じて使われるようになってきている。劇的に変わってはいないが、状況は少しずつ変化している。



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