ENGINEERING IT ONLINE



    IT ONLINE トップページ / ENN-net / 購読・サンプルのお問い合わせ / バナー広告について


 2018.2.23
 ENN2月25日号 特集:「エンジニアリングITアンケート、クラウド導入慎重論が徐々に減少」
 クラウド導入慎重論が徐々に減少
 3次元CAD使用企業数では「EyeCAD」がトップもライセンス数ではアヴィバ
 毎年、2月初旬に実施している「エンジニアリングITツール」に関するアンケートだが、これまで頑なだったクラウド導入慎重論が徐々に雪解けの気配だ。引き続き「クラウドの使用を禁止している」企業は41%と高水準だが、「すでに使用している」は昨年の26%から33%とシェアが増えた。今後、コネクテッドなインダストリーを実現するうえで、クラウドは避けては通れない要素だが、頑なな姿勢は徐々に和らいでいる。アンケートの回答からも時代の変化を読み取ることができる。

 小誌では毎年、エンジニアリング業界の主要企業を対象に、エンジニアリングITツールの使用状況について、アンケートを実施している。今年は、主要ソフトウェアの使用ライセンス数をおおまかに尋ね、60社63事業部から回答を得た。ライセンス数をおおまかに掴むことで、使用状況の深さを知ることを試みた。


3次元CADのシェアでは「EyeCAD」が最大


Q1:どの2次元CADを使用していますか? 複数回答可

 今年も「AutoCad(オートデスク社)」が最大シェアで31%、その簡易バージョンである「AutoCAD LT(オートデスク社)」30%で、両ソリューションで全体の61%を占めた。ラ
イセンス数は、「AutoCAD」の場合、「11本以上保有している」が32社に対し、「10本以下」が19社、「AutoCAD LT」では「11本以上」が42社で、「10本以下」が8社。比較的に価格が安いこともあって、各ユーザともに、多くのライセンスを保有している。次いで多くの回答を得たのは、「Microsoft Visio(マイクロソフト社)」で18%。ここでも「11本以上」は20社で「10本以下」の10社を上回った。

 逆に構成比7%となった「MicroStation(ベントレー・システムズ社)」は「11本以上」が4社であるのに対し、「10本以下」が8社。「SmartSketch(ヘキサゴンPPM社)はシェア5%で、「11本以上」1社に対して、「10本以下」7社となった。比較的に高額なソフトの場合、保有ライセンス数が少ない傾向があると言えそうだ。


Q2:どのP&IDソフトを使用していますか? 複数回答可

 「AutoCAD P&ID(オートデスク社)」が37%で最大シェアとなった。「11本以上」保有しているのは1社で「10本以下」が17社。次いで「SmartPlantP&ID(ヘキサゴンPPM社)」21%で続いた。「11本以上」は2社で「10本以下」が8社でライセンス保有数は少ない
。さらに「AVEVA P&ID(アヴィバ社)」がシェア16%で続いたが、「11本以上」は1社で「10本以下」は7社。「P&ID」ソフトについてライセンスを多く保有せず、プロジェクトに応じて必要な本数をリースなどで購入するものと見られる。「P&ID」に使用が限定されているため、ライセンス数は少ないという状況が反映されていると見られる。


Q3:どの3次元CADを使用していますか? 複数回答可

 最大シェアとなったのは、「EyeCAD(ヘキサゴンPPM社)」で22%、ライセンス数については「11本以上」3社に対して「10本以下」21社で、10本以下が圧倒的に多い。次いで「PDMS(アヴィバ社)」が20%、ライセンス数については、「11本以上」8社、「10本以下」13社で「10本以下」が上回っているものの、「11本以上」保有している企業数は比較
的に多い。さらに「AutoCAD Plant 3D(オートデスク社)」が12%で続いた。ライセンス数は「11本以上」ゼロ、「10本以下」12社となり、保有ライセンス数は少ないものの、多くの企業が使用している状況が浮かび上がった。このほか「PDS」「SmartPlant 3D」(いずれもヘキサゴンPPM)はいずれも構成比8%だった。

 3次元CADの構成比では、工事会社に普及している「EyeCAD」が最大構成比に上るが、最近はアヴィバ社の「PDMS」と「E3D」がいずれも高シェアを示している。


3-1:最も使用頻度の高い3次元CADはどれですか?

 やはり「EyeCAD」が31%で最大シェアとなった。次いで「PDMS」が20%となった。










3-2:3次元CADの活用開始時期はいつですか?

 今回初めて聞いたが、「初期設計から使用している」が48%で最も多いが、「詳細設計から」も41%で比較的に多い。3次元CADを基本設計以後の詳細設計で活用しているケースは少なくない。






4:機械設計CADでは、どの2/3次元CADを使用していますか?

 「AutoDesk Inventor(オートデスク社)が最大シェアの22%を占めた。ライセンス数については、「11本以上」5社、「10本以下」12社だったが、「11本以上」が意外に多い。次いで「SolidWorks(ダッソー・システムズ社)」が20%で続いた。ライセンス数については「11本以上」2社で、「10本以下」14社となった。比較的に小物の固体を設計するのに適したソフトで、バルブなどの配管材メーカーに好んで使用されている。


4-1:最も使用頻度の高い機械設計用CADは何ですか?

 「AutoDesk Inventor」が20%で最大シェア、次いで「SolidWorks」15%となった。










      4



㈱重化学工業通信社
 

このホームページに関するご意見・ご感想をお寄せ下さい。
    E-mailでのお問い合わせ
掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権は 株式会社 重化学工業通信社 に帰属します。
Copyright 2002~2018 The Heavy & Chemical Industries News Agency, all rights reserved.