2017.2.21
ENN2月25日号 特 集:柔軟性が求められるエンジニアリングIT
3次元CAD使用でアヴィバが躍進
クラウド使用禁止企業は45%、引き続き多い慎重派 |
架構とBIMで「Tekla Structures」が健闘 |
Q4:どの種類の機械設計用2/3次元CADを使用していますか? 複数回答可 |
「Autodesk Inventor」と「SolidWorks」(ダッソーシステムズ社製)がいずれも20%で首位を分け合った。しかし、シェアを分け合ったものの、比較的に大型機械の設計にも対応できる「Autodesk
Inventor」と管材機器のような小型機器設計に使用される「SolidWorks」は市場を棲み分けている。
次いで高シェアとなったのは、「CATIA」(ダッソーシステムズ社製)で7%。
自動車設計にも活用されており、高機能が売り物だが、プラント・エンジニアリング業界での使用は限定的だ。
また「CREO」(PTC社製)も6%で続いた。
Q4-1:最も使用頻度の高い機械設計用CADを教えてください。 複数回答可 |
「Autodesk Inventor」が18%で最大シェア。「SolidWorks」が16%で続いた。以下、「CATIA」5%、「CREO」3%となった。
Q4の「使用している機械設計用CAD」では、シェアを二分した「Autodesk Inventor」と「SolidWorks」だが、使用頻度は「Autodesk
Inventor」が上回った。
これは「SolidWorks」が小型機械設計用の使用中心であるため、サブ的に使われることが多いためとみられる。
Q5:どの種類の架構設計用CADを使用していますか? 複数回答可 |
「Tekla Structures」が25%で最大シェアとなった。次いで「AutodeskRevit」(オートデスク社製)が23%で続いた。
「Autodesk Revit」は本来、建築設計用CADだが、架構設計にも使用できる。
また建築と架構設計に同じCADで対応できれば、生産性が向上する。
こうした点での評価があったものと見られる。また、ProSteel(ベントレー・システムズ社製)は3%となった。
Q5-1:最も使用頻度の高い架構設計用CADを教えてください。 |
「TeklaStructures」が31%で最大シェアだ。この質問では、「AutodeskRevit」は11% とシェアを下げた。
建築設計との互換性を考えれば、「Autodesk Revit」は使い勝手が良いのかもしれないが、信頼性を考えた場合、「TeklaStructures」に分があるということのようだ。
また「ProSteel」はこの設問ではシェア5%だった。
Q6:BIMソフトには、どの種類の3次元CADを使用していますか? 複数回答可 |
最大シェアとなったのが「AutodeskRevit」で18%、次いで「Tekla Structures」12%で続いた。さらに「ARCHICAD0」(グラフィソフト社製)4%、「AECOsimBuilding
Desighner」(ベントレー・システムズ社製)1%だった。
BIM分野では、オートデスクは圧倒的に強い。わが国の建設業界が使用するBIMソフトのデファクトスタンダードになっていると言っても過言ではない状況にある。またこの分野で「TeklaStructures」が上位にカウントされている点は興味深い。
BIM分野は、建設業界のエンジニアリングITへの対応が遅れたことやインフラ投資が世界的に活発化しているため、プラント・エンジニアリング向けソリューションで実績の多いインターグラフやアヴィバも食指を動かしているが、オートデスクの市場を崩すのは容易ではない状況が続いている。
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