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                | 【連 載】レーザー計測のプラントや工場保守への応用     2015.2.25 第3回 パノラマビューアと3DCADモデルの作成
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 PanoMapの基本機能
 
 以下は、専用フリービューアにて3Dレーザ計測データを有効に活用できる機能である。 3DCADソフトウエアや汎用点群ビューアなどの整備が必要無く、高解像度の画像上から現場状況の確認や3次元測定ができるのが特長である。
                (第11図)
 
 
 
                  
                    <主要機能>
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                      | 第11図:PanoMap寸法測定結果 |  ① 360°パノラマ-ビューイング
 ② 寸法測定 (水平、鉛直、角度等)
 ③ テキストメモ、レッドライン機能
 ④ エッジ部抽出
 ⑤ 面やボックス作成
 ⑥ カラ-画像対応
 
 
 以上、PanoMapは、点群データから変換処理されたファイルを専用ビューアに読み込むだけで現場データの閲覧や寸法測定等が行え、生産性向上を目的としたエンジニアリング支援ツールである。
 
 
 PanoMapの応用機能
 
 次に基本機能に対する拡張機能を紹介する。 寸法測定の基本機能以外に3D CADモデル作成や干渉チェック等のデータ処理が行えるものである。
 
 
 
                  
                    このバージョンは、主に3DCADユーザー向けであり、アズビルト3D CADモデルの作成や汎用3DCADソフトなどで作成した配管モデルを本ビューアにインポートすることで干渉チェックを行う機能を有する。 (第12図)
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                      | 第12図:PanoMap干渉チェック例 |  
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                      | 第13図:PanoMap新規配管ルート作成例 |  
 さらに本ビューア上から新規配管ルートを作成する機能により、空間上に新規作成した配管3DCADデータを出力し、ユーザー側が所有する汎用CADソフト上において配置検討や詳細設計等の展開が図ることができるなど、空間設計を支援することを目的とした機能である。
 (第13図)
 
 <主要機能>
 ① 3DCADモデル作成 (配管主体)
 ② 3DCADモデルシェーディング表示
 ③ 3Dメッシュデータ生成
 ④ 干渉チェック
 ⑤ 3DCADデータ 入力 / 出力 (Import / Export)
 ⑥ 点群データ切り出し / 出力
 ⑦ 配管センターライン出力
 ⑧ 新規配管ルート作成
 
 
 3DCADモデルデータ作成
 
 3DCADデータ作成は、同じくPanoMapから3DCADを作成する。 一般的に汎用のソフトウエアでは、点群データ上からモデリングを行うケースが多いが、データサイズが大きいことやモデリング対象の設備を特定する際の視認性が劣る事に課題がある。
 
 また、点群切出しを行ってから3DCADを作成するため、作業時のハンドリングが悪く時間を要す要因となっている。
 
 PanoMapからの3DCAD作成作業の特長は、パノラマ画像上から3DCADが作成できるため、デジタルカメラで撮影した画像と同様に視認性が良いことにある。
                配管3DCADを作成する場合、配管全表面の1/4の点群データがあればJISやANSI規格に追従した配管3DCADデータの作成が可能であり、かるつ3DCADの作成は3DCAD化したい配管類に対し、1点クリックのみでJIS呼び径の配管3DCADモデルが作成できるのもPanoMapの特長である。
 
 
 
                  
                    また、本稿においての詳細な紹介は割愛するが、プラント向け汎用3D CADソフトウエアとの連携から予め準備されている配管やフィッティング類のスペック、カタログやシンボル等を使い、インテリジェント3DCADモデルの作成も可能となっている。
                (第14図)
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                      | 第14図:インテリジェント3DCAD モデル作成例
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 本項では、PanoMapを使った応用事例を紹介する。 本イメージビューアは、基本的にエンジニアリング支援ツールとして活用がされることが多いが、近年は、3次元レーザ計測のデータを保全管理のため活用される事例が増えている。
 
 プラントや工場の安全管理や設備維持管理の観点から新しい保全管理方法の関心が高まっており、従来管理しているデータと現場情報を統合することにより現場位置情報と保全管理データを一元管理するものである。
 
 
 図面や保全情報との連携
 
 PanoMapは、他データベースや図面類等との情報連携を図ることができるため、ユーザー側が管理している保全情報と3次元計測した現場データと統合することが可能である。
                下記にPanoMapデータと情報連携体系を示す。 (第15図)
 
 
 
 活用方法はユーザー側ニーズにより様々であるが、P&IDと現地位置情報を連携させるニーズが高まっている。 一般に現場に据え付いている弁がP&ID上のどの弁に相当するかなど、確認作業に多くの時間を費やすことが多いが、3次元計測データとP&IDとリンクすることにより現場の点検対象物
                (機器、弁類) の位置情報を正確に確認でき作業時間を削減することが可能となる。
 
 
 
                  
                    ただし、この位置情報の連携は、各機器単位での図面と現場情報のタグ付け作業が前提となる。
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                      | 第16図:PanoMap -現場情報表示 |  
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                      | 第17図:PanoMap -P&ID表示 |  
 このタグ付けが完了すればP&ID上にて確認したい弁をクリックするとPanoMap上に弁の位置情報が表示 (第16図) され、一方で現場に設置されている弁をクリックするとP&ID上で対象となる弁を表示 (第17図) できる相互リンクとなっている。
 
 よって、現場点検やパトロール時に事前に点検対象物やルートの確認をすることができるため、容易に現場アクセス方法の把握や確実に点検対象設備を特定することができるのが特長である
 
 また、本情報連携の次の展開としてP&ID以外に各種図面類 (機器図、配管図、検査用アイソメ図) やリスト類 (点検リスト等) との連携から適用範囲を拡大することができ、点検時のヒューマンエラーの防止にも寄与している。
 
 
 
 
 
 
 
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