ベントレー・システムズ「The Year in infrastructure 2015 Conference」会議レポート(2)
ベントレー、「BentleyCONNECT」でインターオペラビリティ戦略が結実
11月3~5日、「The Year in Infrastructure 2015(YII2015)
Conference」を開催 2015.11.25 |
「Bentley CONNECT」により、クラウド環境が提供されることになったが、これまでにベントレーが取って来た事業方針は、このクラウド環境の中で、より威力を発揮する。
その事業方針とは、インターオペラビリティ(相互互換性)だ。
かつて、エンジニアリングITで使われるソフトウェアには、ベンダー間の互換性が無かった。このため、A社のCADを導入すれば、その他のソフトもA社の製品を揃える必要があった。しかし、プロジェクトでは、多くの機器メーカーや設計業者などのサブコンが関わる。これら、プロジェクトに関わるサブコンが、すべて同じフォーマットのソフトを採用しているケースは稀で、ソフト間に互換性が無いことが生産性の低下を引き起こしてきた。
特にプロジェクトが大型・複雑化するのに伴い、多くのサブコンがプロジェクトに関わるようになった昨今では、データの互換性は生産性を確保するうえで必須な要素となった。そのために、データのストレージでは、互換性が確保されるソリューションも開発されてきた。
これら一連の流れの中で、ベントレーは一貫してインターオペラビリティを重視した戦略を貫いてきた。そして、クラウド環境でソフトウェアを動かす時代になって、インターオペラビリティはソフトの連携をスムーズに効果をもたらす。
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シニア・バイスプレジデント
ブッピンダ・シン氏のプレゼンテーション |
「YII2015」の前日の11月2日のメディアデイのプレゼンテーションで、シニア・バイスプレジデントで開発を担当するブッピンダ・シン氏は「インターオペラビリティを重視してきたため、『Bentley
CONNECT』の開発が容易だった」と実感を語った。
「Bentley CONNECT」では、ソフトが文字通り「CONNECT(つながり)」することで複数の機能が同じ次元で活用できる。クラウド環境で、設計と解析を平行して進めることで、エンジニアリングの効率も向上する。
またクラウド環境で活用すれば、複数のエンジニアが情報を共有し、ロケーションフリーで、どこにいても同じ情報を持ちながらエンジニアリングを進めることができる。このクラウド環境を活用することで、生産性の向上を引き出すこともできる。
過去、長期間に渡り、インターオペラビリティを重視してきたベントレーだが、クラウドの時代を迎えたことは、ベントレーの事業戦略が歴史的に正当化されたことでもある。
そして、この「CONNECT」という環境は、エンジニアリングの仕事においても革命的な出来事になる可能性がある。ベントレーのCTOである、キース・ベントレー氏は「BC(紀元前)・AD(紀元後)と言うが、エンジニアリングITの世界では、BC(ビフォア・コネクト)とAC(アフター・コネクト)になる」と語ったと言う。
クラウド環境を本格的に活用するソリューションが提供されたことで、エンジニアリングの仕事のやり方や情報共有は劇的に変わる可能性もある。ロケーションフリーで情報共有が可能になることは、遠隔地同士のコミュニケーションがより容易になる。これにより出張の回数が減り、それに伴うコスト削減も可能になる。エンジニアリング効率は間違いなく向上する。
インターオペラビリティを重視してきたベントレーの事業方針はここで一つの結実を見る。
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