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【連 載】「j5 2015」の全貌                   2015.7.25
 最終回  j5 ユーザーにさらなる価値を提供する新製品「j5 2015」
                      株式会社 j5Japan 呂子和

はじめに 
図1. j5 バージョンの変遷

前号においてグローバルで稼働している運転管理システム「j5」について説明した。2006年にリリースされたj5の初期のバージョン(Version 1.x)は全世界で500サイト、国内でも50サイト以上の導入実績を誇る。この導入実績から得た経験とノウハウをベースに最新のITを活用して開発した次期バージョンが「j5 2015」である。

今回は2015年6月にリリースした「j5 2015」に
ついて紹介する。(図1)



「j5 2015」製品コンセプト

「j5 2015」はユーザと開発者の両方に価値を提供することを目的に、1年以上の歳月を費やして開発したメジャーバージョン製品である。
その製品コンセプトは
 ① 前バージョンのフレームワークの継承
 ② 最新ITによる使用性の改善
 ③ ベストプラクティスアプリケーションの提供
 ④ エンジニアリング環境の充実 である。


前バージョンのフレームワークの継承

前号で説明したが、j5は共通のプラットフォームである「j5フレームワーク」上に各種アプリケーションを配置する構造となっている。「j5フレームワーク」はユーザインタフェース、ユーザ管理、役割管理、ワークフロー管理、アクション管理、メール配信などの機能を有し、ユーザに統一した使い勝手の良い利用環境を提供している。「j5 2015」では前バージョンの「j5フレームワーク」と効果的なアプリケーション群を継承するとともに、業務プロセスをうまく回すさまざまな改良を加えている。(図2)

  図2. 「j5 2015」上で拡充を目指すアプリケーション領域
 


最新ITによる使用性の改善

ユーザインタフェースを中心に最新のITを活用し、ユーザの使い勝手、使用性を改善している。たとえば、前バージョンの画面展開は、縦方向への拡張・折り畳み(Expandable / Collapsible)方式を採用していたが、「j5 2015」では、ブレッドクラム(ページ位置を階層構造の上位から順に並べて簡潔に記したもの)+タブ画面切替方式を採用することで、直観的な操作と画面展開のスピードアップを実現している。また、視認性を考慮した画面レイアウト、フィルタ配置の変更や配色の見直しも効果的である。(図3)

 図3. 「j5 2015」の画面例(管理値管理)

さらに、今秋にはGoogleライクな検察ツールやガントチャートによるタスク管理機能、アプリケーションごとのユーザプロファイル管理など新たな機
能を組み込む計画がある。


ベストプラクティスアプリケーションの提供

これまでのj5導入から得た経験とノウハウをもとにベストプラクティスアプリケーションを構築し、Pre-configured(あらかじめ設定された)アプリケーションとして提供している。運転管理の領域では「作業指示」、「運転ログ」、「申し送り帳」の3アプリケーションを進化させ、「Operations Bundle」として、一つにまとめて製品化した。

「Operations Bundle」の導入ユーザは装置構成、組織や運転管理方法に合わせて各種情報を設定することで、「j5 2015」上に指示と報告からなる運転管理の仕組みを容易に組み込むことができる。また、今秋には国内で人気の高いインシデント管理、ヒヤリハット管理や管理値管理などのPre-configuredアプリケーションを市場に投入する予定である。(図4)


 図4. 「j5 2015」上で製品化するインデント管理


エンジニアリング環境の充実

以前のバージョンはカスタマイズが容易な反面、ユーザによるシステムの構築やカスタマイズは難しかった。そこで、「j5 2015」ではユーザがシステムの構築やカスタマイズができることを目指して、エンジニアリング環境の大幅な見直しを行っている。ここでは、その主要機能であるシステム管理コンソール、統合開発環境、オンライントレーニングについて説明する。(図5)

  図5.「j5 2015」のエンジニアリング環境
 

(1) システム管理コンソール
システム管理コンソール(SMC:System Management Console)は、システム構築時、j5フレームワークに対して、サーバ設定、認証設定、データベース設定、Eメール設定、添付ファイル設定などのシステム環境を設定する。全ての設定がユーザインタフェースからの分かりやすい操作となり、ユーザによるシステム構築やシステム設定が可能となった。

(2) 統合開発環境
統合開発環境(IDE: Integrated Development Environment)は「j5 2015」と同時にリリースされ、j5の統合開発環境ツールとして、j5アプリケーションのカスタマイズに使用する。IDEの機能を(図6)に示す。

    図6.IDEの機能
 

ユーザはIDEのトレーニングを受けることで、データベース、画面、業務フローなどのさまざまなアプリケーションのカスタマイズがIDEを介して行うことができる。(図7)
また、「j5 2015」では、導入サイトごとに「プロジェクト」と呼ばれるシステム環境を定義し、プロジェクトごとにシステムの構築、カスタマイズ、ソースコード管理、バージョン管理を一元的に行うことができる。

    図7.IDEの画面例
 

(3) オンライントレーニング
我々はこれまでの導入経験から初期のユーザトレーニングがシステムの活用レベルを上げるうえで、非常に重要であることを学んでいる。「j5 2015」では、ユーザや開発者向けの初期トレーニングを目的に、インターネット経由のオンライントレーニングサービスを開発し提供している。

トレーニングサイトにログインすることで、システム操作からアプリケーションのカスタマイズに至る各種トレーニングプログラムが利用できる。(図8)運転現場のオペレータからシステム管理者、そしてシステムインテグレータまで、「j5 2015」の基本的な機能と操作を習得することができる。


    図8.オンライントレーニング画面例
 


おわりに

2回にわたり、「j5 2015」の全貌と題して、j5の概要と今年リリースした「j5 2015」について紹介した。「j5 2015」に関してはすでに導入の引き合いをいただいており、今後のj5導入はすべて「j5 2015」に切り替えていく。

j5 International Limitedでは、年に1回の頻度で
j5のバージョンアップを計画している。j5フレームワークとj5アプリケーションの両面から新機能の提供や既存機能の改良をとおして、ユーザへさらなる価値を継続的に提供する。

また、j5Japanとしても、海外の有効なソリューションを国内に紹介するとともに、国内のユーザニーズをしっかり把握し、それに応える体制を確立していく。


  【問い合わせ先】
   株式会社 j5Japan http://www.j5japan.com
   担当:呂子和
   TEL:050-3786-7355
   E-mail:shiwa.ro@j5japan.com



   


















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