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 2025.10.17
AVEVA
 「AVEVA Unified Engineering」バージョン4.0 をリリース
 本格的な自動ルーティング機能の搭載など、より理想に近付く

AVEVAが近く、「AVEVA Unified Engineering」のバージョン4.0 をリリースする。これまで、様々な設計およびプロジェクトの生産性向上を実現してきたが、今回のバージョンアップでは、本格的な自動ルーティング機能を搭載するなど、その生産性が一段と向上した。また「AI自然言語アシスタンス」機能の搭載で、言語でシステムにエンジニアの意向を伝えることが可能になるなど、使いやすさも向上した。「AVEVA Unified Engineering」はバージョン4.0 でより理想に近付いたと言える。


設計・プロジェクトの生産性を向上した「AVEVA Unified Engineering」

「AVEVA Unified Engineering」は、データセントリックな設計・オーサリングツールだ。チームメンバーがほぼリアルタイムで同じプロジェクトデータから作業を進めることができる。複雑なプロジェクトでも、リアルタイムで継続的な連携が可能だ。

「AVEVA Unified Engineering」により、設計効率の40%向上、設計時間の30%の短縮、プロジェクト予算の16%の削減、そして20%のIT高速性の向上が実現されたケースもある。

その使用メリットは、①クラウドベースの環境に統合されたエンジニアリング、設計、シミュレーションデータにより複雑なプロジェクトをリアルタイムで同期することでエンジニアリング効率を向上、②プロジェクトライフサイクルデータの継続的な引き継ぎが可能、③持続可能性を考慮して無駄を削減し資産運用を最適化してプロジェクトの持続可能性を向上する、など。

これまでにも、様々な形で、設計およびプロジェクトの生産性を向上してきた。

「AVEVA Unified Engineering」にはいくつかの特徴がある。

まず、AVEVAが提供する、安全な共通プラットフォーム「CONNECT」上で実行されるため、オンプレミスデータを収集してクラウドに保存するハイブリッド展開に適していることだ。

またサードパーティツールや機器から直接データを取り込むことができるため、異種または複雑であっても、プロジェクトデータの全範囲を組込むことができる。

さらに概念設計、FEEDなど、設計段階から、1D、2D、3Dによるプロジェクトデータセントリックのハブに集約することで、チームや分野全体に渡ってプロジェクトの透明性を実現できる。

そして、コンプライアンスのデジタル化を実現する機能としては、持続可能性目標を含むKPIのレポートと追跡のための詳細なデータを取得し、レポート作成のプロセスを簡素化する機能が搭載されている。

このうえ、資産ライフサイクル管理機能として、承認、マークアップ、バージョン管理などの成果物情報を綿密に追跡、監査、管理して、プロジェクトの監視と提供を簡素化することも可能だ。

これらの特徴を持つ「AVEVAUnified Engineering」は、大規模なキャピタルプロジェクトにおいて、様々な効果を発揮できる。

まず、複雑なキャピタルプロジェクトを簡素化できる。「AVEVA Unified Engineering」では、データセントリックの環境でプロジェクトを運用できるため、プロジェクトの透明性が高まり、チーム間でのプロジェクトステータスをほぼリアルタイムで同期できる。

また単一のソースから、継続的なデジタル設計が可能だ。

このため、概念設計、FEED、詳細設計の各フェーズ完了時に、継続的なデジタル引き継ぎを可能にする。これにより、プロジェクトに関するあらゆる情報を統合したデータリポジトリが構築される。

さらにデジタルツインの基盤を構築できる。

これにより、資産のライフサイクル全体に渡って、同じデータセットが流れることで、資産のデジタルレプリカであるデジタルツインの基盤も構築される。同時に導入してすぐに作業を開始できる点も見逃せない。

「AVEVA Unified Engineering」はクラウドベースの導入により、オンサイトサーバーやITインフラストラクチャが不要になり、ビジネスの成長に合わせて容易に拡張できる。すぐに使えるコンテンツにより、チームはこれまで以上に迅速に、分野を超えたデータ中心のワークフローを立ち上げることが可能だ。

従来の配管アイソメ図は、近い将来、AVEVA E3D Draw機能を使用して自動生成されるようになり、
これによりエンドユーザーは主要なプロジェクト成果物の文書管理と監査履歴を促進できるようになる。
これにより、当社製品の接続性と統合性を通じて、2D図面成果物の在り方が革新される。

バージョン4.0で本格的な自動ルーティング機能を搭載

「AVEVA Unified Engineering」は、今回のアップデートによるバージョン4.0で、①従来の配管IsoをDraw図面機能で作成可能にすることで、以前よりも容易にIso図面設定および作成が可能、②AI自動ルーティングのバージョンアップ、③AI自然言語設計アシスタント、④ブラウザーアクセスなどの機能を追加して、機能が向上した。

①では、「AVEVA Unified Engineering」が持つIso作成機能がより改善された。柔軟に図面を設定できたり、変更管理が容易になり、より使いやすくなった。

②では、これまでAI自動ルーティング機能はテスト使用として搭載されてきたが、バージョン4.0では、プロダクション用の機能が搭載される。以前から、AVEVAでは、イタリアのエンジニアリング企業、サイペムと提携して同社のエンジニアのノウハウをベースにした自動ルーティング機能を開発してきたが、バージョン4.0で本格的な使用できるようになる。

③では、これまで、同じタイプの機器を図面上で選択する時に、一つずつ選択する必要があったのだが、バージョン4.0では、「このタイプの機器をすべて選択して表示してください」と文章で指示するだけで、選択される。この機能により、作業効率の向上が図ることができる。

④では、ブラウザを開いて、システムが使用できるようになる。ここでいうブラウザは誰もが日常的に活用しているクロームやエッジのことだが、パワフルなワークステーションが無くてもブラウザを開いてシステムを活用できる。

これまで、パワフルなワークステーションを必要としていると、サーバーを設置するなど導入にコストがかかったが、ブラウザで使用できるようにすることでシステムがより身近になった。手軽になった分、ライセンス料の増額の可能性もあるが、手軽に「AVEVA Unified Engineering」が活用できるようになった点は、見逃せない。

バージョン4.0のリリースにより、「AVEVA Unified Engineering」の機能はよりパワーアップし、使いやすくなった。

このうえで、AVEVAはユーザーの求めに応じて、カスタマイズにも対応する。

例えば、配管設計の機能に構造設計の機能をアドオンして、同じシステム上で使用できるようにすることで、設計の作業効率を改善することができる。こうしたカスタマイズはユーザーが独自に実施することができるが、十分な人手を確保することができないようなケースではAVEVAがサポートする。

AVEVAでは、「カスタマイズサービスを知ってもらうことで、システムを活用することのメリットを感じてもらいたい」と言う。

ユーザーにとっての使いやすさの追求はAVEVAが最優先に取り組む課題だ。






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