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 2024.2.25
TIS千代田システムズ
 「バルブパターン管理機能」を開発、抜け・漏れを撲滅
 昨年10月に、新バージョンに搭載、配管・機器管理の効率を向上

TIS千代田システムズの「Dynamic Flow Navi」は、バルブの開閉や機器のON / OFFによる流体経路の変化を、デジタル化したP&ID上でシミュレーションが可能なソリューションだ。紙のP&IDを手作業でトレースや色分けすることなく、設計チェック、工事計画の立案などを行うことができる。

加えて、複数システムで分散管理している、各機器・計器に関する技術情報や保全情報などを一つのインテリジェントP&IDに集約することで、画面上からスピーディに関連情報を閲覧・検索できるのが特徴で、プラントのライフサイクルにおける、配管・機器の管理にも威力を発揮する。


煩雑な作業の、抜け・漏れを撲滅する「バルブパターン管理機能」

TIS千代田システムズは昨年4月に、流体経路の草分けとして、石油・化学やプロセス系のエンジニアリング企業に普及した「Techmas Navi」の後継製品として「Dynamic Flow Navi」を市場に投入した。

そして昨年10月には、新たに「バルブパターン管理機能」を搭載したバージョンを発売した。

バルブターン管理画面

この機能は、運転ステップなどのバルブ開閉パターンを設計・登録できるほか、不適切なバルブ開閉による異物混入を瞬時に判定し、画面上で確認するものだ。プラント・工場のプロセス設計業務において、特に煩雑で時間を要する、P&IDの設計チェックに革新をもたらすことが期待されている。

実際、大手エンジニアリング企業が実施した事前検証では、「P&IDの色塗りのチェック作業の工数を50%以上削減する効果が期待される」という評価を得ている。

従来、バルブの開閉パターンの管理は、膨大な色塗りフローを作成して、そのフローをもとに制御部門がバルブ開閉パターン表を作成して行ってきた。しかしこの方法だと、プロセス設計の際、運転手順(シーケンス)毎に、バルブや機器の状態による流体経路のチェックと、それらの色付け資料の作成・提出が必要だ。

このため、P&IDが複雑・大規模だと、抜け・漏れが無いように実施するために、膨大な労力をかける必要があった。同時に、運転手順で配管上に不必要な混濁を発生させないためのコンタミチェックにも膨大な労力がかかった。


バルブパターンの色塗り画面

しかし、このほどTIS千代田システムズが開発した「バルブパターン管理機能」は、P&ID上のバルブをクリックして、バルブの開閉状態をステップ単位に登録することができる。

同時・複数の製造工程で計器や配管と干渉することが無いかを、マトリクスとP&IDの色付けで確認することができる。また、開閉パターン表を自動で作成できるため、運転手順による流体経路を元に、コンタミの発生有無を自動判別できる。

流路シミュレーション結果

これらの機能を活用することで、①人力による抜け・漏れの撲滅、圧倒的な省力化を実現 ②設計の見える化による、設計品質の向上、が可能になる。

デジタル技術を活用した「バルブパターン管理機能」を開発し、「Dynamic Flow Navi」に搭載したTIS千代田システムズだが、今後も、複雑な系統を持つプラントや工場の設計・運転・保全業務の高度化・効率化を実現するため、「Dynamic Flow Navi」の機能拡張により、ユーザのDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援する。







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