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 2024.2.25
PlantStream
 1分間で約1,000本の配管を自動ルーティング
 仏テクニップなどが採用、3カ月毎にバージョンアップも実施

PlantStreamは2020年8月、千代田化工建設とスタートアップのArentの合弁企業として設立された。

「世界的に配管エンジニアが減少する中、ベテランの配管エンジニアのノウハウをソフトウェアに落とし込む必要がある」千代田のそんな思いを具現したのが、Arentが持つ、ノウハウのアルゴリズム化だった。

プラント設計の中核を担ってきた熟練エンジニアたちの膨大なノウハウをアルゴリズム化して、革新的な設計性能と精度、速度を誇る世界最速の自動設計を実現した3D CADだ。FSからレイアウト設計まで、エンジニアリング・プロセス全体に渡って、大幅な生産性の向上を実現する。

CCSモデル

主な機能は、①高精度・高速の自動配管・ケーブルルーティング ②ブロックパターンを活用した直感的な3D設計 ③誰でも使えるユーザビリティのUI(ユーザー・インタフェース)が、スムーズな2Dから3Dへの移行を実現 ④より正確なMTO出力による競争力向上 ⑤シームレスなデータのインポート / エクスポート。

PlantStreamは、エネルギー、化学、水処理、医薬品、発電の各プラントまで、幅広い種類のプラントの設計に活用されている。現在の導入企業数は17社だが、その中には、千代田化工建設や東洋エンジニアリングのようなエンジニアリング企業、旭化成やAGCなどのプラントオーナーなど、様々な種類の企業、また仏テクニップエナジーズやルクセンブルクのポールワース社といった海外のエンジニアリング企業が含まれている。


「使いやすさ」を追求、迅速な設計が可能

これら導入したユーザの声には、「使いやすい」「直感的に使える」といった使用感に関するものが多い。

PlantStreamは、1分間で約1,000本の配管を自動ルーティングできる。この自動ルーティングは、ベテランの配管エンジニアのノウハウをベースとしたアルゴリズムが採用されているため、現場ニーズを汲んだ、極めて現実的な高速ルーティングが可能で、ワークフローの一元化、変更時の調整作業の大幅削減を実現する。これにより、初期空間設計の工数を75%削減できる。

PlantStreamの高速・高精度の設計自動ルーティング機能により、複数のレイアウトを素早く簡単に作成することができる。

従来は、時間の制約から難しかった複数のレイアウト検討を、初期段階から実現することで、コストなどの要素をより深く分析したうえで、最適なレイアウトを選択できる。

また、PlantStreamで複数のレイアウトを素早く作成・シミュレーションすることで、資材費や工事費が最も安いケースを選択し、迅速かつ正確なコスト積算が可能だ。同時に、安全性、メンテナンス性など、多角的な観点から、配置を比較することもできる。

さらに、複数のレイアウトを検討することで、より合理的で、質の高い設計を実現できる。数十年に渡る専門知識に裏付けられたアルゴリズムを搭載した自動配管ルーティングにより、迅速で同時並行のプロジェクト遂行が可能になる。2Dと3Dの設計データをシームレスに変換し、設計プロセスを加速する。


3カ月毎にバージョンアップ

PlantStreamは、FSやFEEDのような初期段階のプラント設計を合理化する。下流の、AVEVAの「E3D」やヘキサゴンALIの「Smart 3D」へのシームレスなデータ変換により、EPC時の詳細設計への移行がスムーズに行える。

またEPCコントラクターだけではなく、テクニカルコンサルティング会社、ライセンサー、機器ベンダーなど、空間設計を専門とする企業のエンジニアリング業務を効率化するツールだ。

さらにPlantStreamは、3カ月毎にバージョンアップを行っている。

例えば今年1月に実施した最新の「Ver.1.0.24」では、素早い積算情報出力をさらに強化する各種機能を追加したほか、ルートアシストで作成できるルートの自由度を高めるアップデートを多数追加した。

このバージョンアップにより、積算業務において、工事数量として重要な数値である、溶接点数・ダイヤインチメーター、中心線長、配管表面積、保温体積などをMTOファイルと同時に出力できるようになった。これまでエクセルなどで概算していたこれらの値を、3Dモデルから直接算出するため、高精度で出力可能だ。

PlantStreamは、積極的にバージョンアップを行いながら、ユーザニーズにも的確に応えている。







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