2024.2.25
オートデスク
他ソフトとの連携強化でデータ交換機能が充実
「AutoCAD Plant 3D」の、ウェブを活用したチュートリアル
テキストも充実 |
この数年、2月に実施している小誌の「エンジニアリングITアンケート」において、高シェアを示している「AutoCAD Plant 3D」だが、その普及について、オートデスク社は3つの理由があるという。
3つの理由とは、①意外に多い2次元CAD利用者でも3次元に移行しやすい使いやすさ ②操作感の良さ ③価格(年間サブスクリプション価格、22~23万円)だ。
現在、3次元CADが確実に普及しているが、それでも2次元CADを利用しているユーザは意外に多い。そんなユーザが外注先から、比較的に安価で馴染みやすい機能を搭載している「AutoCAD
Plant 3D」の使用を求められる。
それに応える形で、導入するのだが、その際に、操作感が良いうえに、購入しやすい価格であることも普及の要因となる。
良好な操作感と購入しやすさで普及する「AutoCAD Plant 3D」 |
「AutoCAD Plant 3Dツールセット2024バージョン」は、「Auto CAD Plus」に含まれている。この「Auto CAD Plus」は機械設計CAD「Inventor」が含まれる「Autodesk
Product Design & Manufacturing Collection」と、BIMソフトの「Revit」を含む「Autodesk
AEC Collection」の2種類のスィート製品を構成するツールとして販売されている。
いずれのCollectionも年間サブスクリプション契約が50万円前後と手頃な価格で提供されている。
オートデスクは、独自にウェブサイト「Plant Eng Hub」を立ち上げ、プラントエンジニアリングにおける、あらゆるステージで生産性や品質の向上を実現するソリューションを提供し、ユーザのビジネス上の課題を解決に導くDX(デジタル・トランスフォーメーション)を提供している。
また「チュートリアルテキスト」では、AutoCADの二次元に関する基本操作を習得済みのユーザを対象とした、「AutoCAD Plant 3D」のテキストが提供される。
実際に「AutoCAD Plant 3D」を使用する際に、ユーザのレベルに応じたト
レーニングをサポートしている。
「操作感が良い」という「AutoCAD Plant 3D」の特徴は、サポート体制によりいっそう強化される。
この「AutoCAD Plant 3D」だが、このところ取り組まれているのが、他社製を含む多くのソフトウェアとの連携強化だ。
オートデスク社が昨年、発売した「Data Exchange API」によるデータ交換により、アプリや業界を問わず、適切なタイミングで適切な関係者と適切な文脈でデータを柔軟に共有できる。これを可能にしているのが「データのロック解除」機能だ。
この機能により、ファイル内の情報を個々に取り出したり、書き込んだりできるように、粒状データ化する。
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オートデスクが目指す「クラウドを介したデータ連携」 |
例えば、BIMソフトウェアの「Revit」で病院を設計している建築事務所が、機械設計CADソフト「Inventor」で病院の階段の手すりを製造するメーカーとのやり取りを想定すると、設計者同士は、寸法などのモデルのジオメトリを共有する必要があるが、知的財産を保護するために、病院モデル全体の特定や要素を共有したくない場合がある。
同時にファブリケータは、自分たちが使うアプリで受け取り、受け取ったデータを加工することなく、手すりの設計と製造に集中したいと考えている。
この場合、「Data Exchange(データ交換)」を活用することで、日常的に活用しているアプリ間でコラボレーションを強化できる。データ交換は、データのサブセットを、選択したアプリ内で利用できる。
すでに、オートデスク社のツールとの連携は実現されているが、今後、「AVEVA E3D(AVEVA社)」「Solid Edge(シーメンス社)」などのソフトウェアと連携する計画だ。 |
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