2023.10.06
【千代田化工建設】
O&Mトータルソリューションサービス「plantOS」を提供開始
プラントの診断から、メンテナンス計画の立案、施工まで一貫対応 |
千代田化工建設は9月、新たな、O&Mトータルソリューションサービスとして、「plantOS」の提供を開始した。
このサービスは、プラントの診断やその結果に基づくメンテナンス計画を立案する、上流のサービスとデジタル技術により対応する「デジタルサービス」と、下流の施工を行う「フィジカルサービス」の二本立てで構成される。
これらのうち、「フィジカルサービス」については、今年4月に千代田の子会社3社を統合した「千代田エクスワンエンジニアリング」のほか、プラント工事会社などのパートナー企業が、メンテナンス工事の施工により対応する。
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plantOSサービス提供の開始について |
一方「デジタルサービス」については、千代田が長年にわたり培ってきた高度分析、解析サービス、IoT、クラウドやAIなどの最新のデジタル技術を、ハイブリッドに融合したサービスが提供される。
「デジタルサービス」と「フィジカルサービス」の二本立てで提供
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千代田は「plantOS」のサービスを提供する以前から、最適なメンテナンスソリューションを提供する目的で、準備を進めてきた。
その中で今年2月、米国のVisionaize社と、産業設備/プラント向け3Dデジタルツインプラットフォームの提供・協業に関する覚書を締結した。
これまで顧客にとって、導入コストや維持管理に要する手間が、「3Dデジタルツイン」導入を妨げるハードルとなってきた。
千代田が提供する「3Dデジタルツイン」は、O&Mソリューションプラットフォームである「O&M Mother」や他の様々なプラットフォームとも連携することで、O&Mに関わる多様なデータを統合、利活用することが可能となり、現実のプラントを仮想世界に忠実に再現できる。
同時に、これまでに千代田がChAS事業による解析・診断・耐震・防災アセスメントサービス、AIを活用した操業最適化アプリケーション「EFEXIS」、EPCで培った千代田によるエンジニアリングサービスによる「デジタルサービス」に対応する。また「フィジカルサービス」については、千代田エクスワンエンジニアリングのほか、施工を担当するパートナー企業と連携する。
千代田は、設計から施工までの広範囲で関わりのある様々な機器・計装制御・ソフトウェアサプライヤーとも連携し、「3Dデジタルツイン」の普及を推進し、顧客が取り組む設備老朽化、現場における人手不足、熟練運転員のノウハウの継承といった課題の解決を、デジタルとフィジカルの両面から継続的に支援する。
O&Mに特化したソリューションを持つ米Visionaizeと覚書 |
「plantOS」の「OS」の意味は、オペレーションシステムだ。
O&M-Xソリューション事業部の企画・開発セクションの米山徹セクション・リーダーは「社会システムとして、企業活動を支えるOSという意味が込められている」と言う。
センサを介して集められたデータをクラウドに集めて、プラントの診断結果を見やすくしたうえで、プラントの状態のデジタルツインが作成される。
ここで活躍するのが、今年2月に覚書を締結したVisionaize社のソリューションだ。AVEVA社の「PIシステム」、Cognite社の「コグナイト・データ・フュージョン」など、プラントのライフサイクルをカバーするデータ管理ソリューションが普及しているが、Visinaize社のソリューションは、O&Mに特化している。
このため、コストが抑えられているうえに、動作も軽く使い勝手が良い。このソリューションにより、手軽にO&Mに特化したサービスが提供されることが期待される。
またプラントの診断サービスを強化する目的で、今年6月には三重県鈴鹿市の中山水熱工業と、産業設備/プラント業界向けO&Mソリューションとして、回転機診断のためのビジネス開発について協業を行う覚書を締結した。
中山水熱工業が提供する無線振動センサを、「plantOS」の一環として提供される「O&M Mother」のセンサソリューションと組み合わせることで、顧客の回転機診断に関するソリューションの提供を目指す。
「plantOS」では、センサやデジタルツイン技術活用して、プラント診断を行う「デジタルサービス」により、プラントの状態を把握。そのうえで、メンテナンス計画を立案。さらに「フィジカルサービス」については、千代田エクスワンエンジニアリングなどのグループ企業やグループ外のパートナー企業と「フィジカルサービス」を提供する。
千代田では「plantOS」を通じて、プラントの診断から、メンテナンス計画の立案、さらにはその施工まで、一貫したサービスを提供する。 |
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