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 2022.4.22
辰星技研、次なる飛躍を目指して「S3D」を選択
ヘキサゴングループの総合力がトータルサポート

昨年、原子力発電や産業プラントで高い評価を得ている辰星技研が、次なる飛躍を目指して、ヘキサゴンPPMが提供する3次元CAD「Intergraph Smart 3D」(S3D) への移行を決めた。20年以上に渡って使用した3次元CADからの移行だが、「S3D」には、生産性を向上する様々な機能がある。また幅広いソリューションを扱うヘキサゴングループとの連携も魅力で、グループのライカ・ジオシステムズは3次元レーザースキャニングの点群処理に豊富な実績があるソリューションを持つ。辰星技研の3次元CADの移行の判断には、ヘキサゴングループの持つ幅広いソリューションがあることも見逃せない。

これまでに20年以上に渡り、原子力や一般産業向けプラントのエンジニアリングを提供してきた辰星技研。3次元CADによるエンジニアリングでは、プラント業界からも高く評価されてきた。

東京本社をはじめ、全国6カ所の拠点に加え、ベトナムには現地法人を持ち、総勢約200名の社員がエンジニアリング業務を行っている。200名のうち、配管設計を担当するのは約70名だが、このエンジニアによる年間の配管設計の延長は実に、13~15万mにも及ぶ。辰星技研にとって、配管設計は最も重要な設計の一つで、企業としての生命線でもある。

その辰星技研が2021年、創業以来親しんできた3次元CADから、ヘキサゴンPPMが提供する「Intergraph Smart3D」(S3D)に、3次元CADの移行を決めた。現在、60ライセンスの導入を進めている。



次の飛躍を目指して3次元CADを再検討

辰星技研が、20年以上に渡って使用してきた3次元CADを見直した理由は、「従来の3次元CADの機能だけで設計を進めていたのでは、十分に競争力を発揮できないのではないか」と考えたからだ。

移行を検討する中で、ヘキサゴンPPMの「S3D」も検討の対象となった。

辰星技研が、ヘキサゴンPPMのソフトウェアの導入を検討したのは、今回が初めてではない。1990年代には、ヘキサゴンPPMの前身であるインターグラフが提供し当時エンジニアリング業界にも普及していた3次元CAD「PDS」の導入を検討したことがあった。

 
  藤井 久嗣 常務取締役
しかし当時の「PDS」は、ファイル単位で管理されており、複数のユーザーが同時にアクセスできないなど、柔軟性に欠けており、この点が受け入れられなかった。「制約が多く、使いにくいうえに柔軟性に欠けると感じた」と、辰星技研の藤井 久嗣 常務取締役は当時を振り返る。


ところが、「S3D」のプレゼンテーションに接すると、かつてのイメージが一新された。
従来活用してきた3次元CADと比べて、機能的に遜色が無いことが確認できたうえに、「ToDoリスト」という、これまで活用していたソフトには無かった機能が目を引いた。

「ToDoリスト」は、設計の途中で、干渉やルートの見直しなど、後で再検討が必要になるところを履歴として残す機能だ。従来のソフトウェアでは、設計の後半になって何万カ所の干渉が出てきて、その中で問題となる箇所をスクリーニングしていたが、「S3D」では入力している時に、「問題が発生するけど、どうしますか」と問いかけてくれる。

この機能により、先に入力したエンジニアが知らない間に、後で入力した他のエンジニアが問題を起こしたり、それに気づかずに現場でトラブルを起こしてしまうことを未然に防ぐことができる。これにより、設計を省力化でき、ひいては生産性が向上されることは、見逃せないメリットでもあった。

また「S3D」は、図面化とモデリング化に特徴があり、これらも導入を検討するうえで重要なポイントとなった。特に今後、中規模プロジェクトが増加することが予想される現在、プロジェクトに必要な図面を一括して出力できる「S3D」の図面化機能の果たす役割は大きい。

また中規模プロジェクトのデータを一括してモデル化できるモデリング機能は、プロジェクトを一括受注する辰星技研には魅力だった。

 
  「S3D」操作写真 
このうえ、ランニングコストを比較すれば、従来のソフトウェアよりもコストダウンを実現できる。従来以上に高い生産性が得られることが確認されると、辰星技研は、「S3D」への移行を決定した。

移行を決定して、ユーザーにアピールすると、すぐにオーダーの内容も変わった。従来は3~6カ月の期間を要するプロジェクトが中心だったが、「S3D」への移行をアナウンスすると、年単位の大規模プロジェクトの引合が寄せられるようになった。

前出の藤井常務は移行決定による手応えを感じながら、「今後、稼働率が向上してくると思う」と、期待を込める。



新規ユーザーにとって、頼もしいCSM

辰星技研が「S3D」への移行を決めたのは、機能面の充実ばかりではない。

ヘキサゴンPPMは、顧客対応には営業とCSM(カスタマー・サクセス・マネジャー)の二人体制を取っている。CSMは、新規ユーザーにとっては、安心できるサポート体制でもある。

ベンダーによっては、営業担当者だけがユーザーに接し、ユーザーが技術的な点を質問しても、営業が技術担当者に回答を求め、営業担当者からその回答が伝えられるケースが少なくない。

しかしCSMは、営業と一緒に対応するため、技術的な質問については、CSMに直接質問でき、その場で回答を得ることができる。

また最近は、3次元CADにより設計されたデータが、プラントのライフサイクルに渡って活用されることも多い。このため、様々なデータフォーマットとの互換性が求められる。

こうしたニーズに対応するため、ヘキサゴンPPMはプラント資産のライフサイクルをデジタル変換するソフトウェア「HxGN SDx」をラインナップに持つが、ここには様々なフォーマットのデータが集められる。

ここで必要になるのが、データフォーマット間の互換性だが、ヘキサゴンPPMは「Smart Interop Publisher」により、様々なデータフォーマットを迅速に統合することを可能にしている。「Smart Interop Publisher」により、アヴィバ、オートデスク、ベントレー・システムズなどの他社製のソフトウェアによる作成されたデータを統合できる。

これらソフトウェアを組み合わせて活用すれば、プラントの設計データを有効に活用しながら、ライフサイクルに渡り、プラント資産のデジタル管理が可能になる。



「ワン・ヘキサゴン」の総合力で最適ソリューション

さらに、ヘキサゴングループの持つソリューションを活用すれば、可能性は広がる。

旧インターグラフは、2010年にヘキサゴンに買収され、ヘキサゴングループの傘下に入り、社名をヘキサゴンPPMに変更した。このためヘキサゴングループのソリューションを柔軟に活用できる。

例えば、ヘキサゴンPPMには、3次元レーザースキャナーにより獲得できる点群データを処理するソフトウェアが無い。

しかしヘキサゴングループには、3次元レーザースキャナーでは、世界的な有力メーカーであるライカ・ジオシステムズがあり、同社が点群処理ソフトウェア「Leica CloudWorx
製品ファミリー」の「CloudWorx for Smart 3D」を提供している。

辰星技研は、3次元リニューアル技術を駆使した、リニューアルエンジニアリングサービスを提供しているが、このサービスのコアとなる技術が3次元レーザースキャニングとスキャニングで得られた点群データの処理だ。このサービスに必要な技術も、「ライカ・クラウド・ワークス」により提供できる。

ヘキサゴンPPMは、ワン・ヘキサゴンとして、グループ全体のソリューション提供も可能で、グループの総合力を活用できる。

ヘキサゴンPPMは、ユーザーが求めるソリューションに的確に対応しているが、グループの総合力を活用すれば、様々なソリューションの提供が可能だ。

ヘキサゴンPPMの特徴を活かしながら、その特徴をグループがサポート。ワン・ヘキサゴ
ンによる総合力による様々なソリューション提供は、グループが持つ強みにつながっているのは間違いない。

辰星技研は、ヘキサゴングループのトータルソリューションを得ながら、次の飛躍を目指す。




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