2022.2.24
アヴィバ
独自開発のデータベース「Dabacon」でスムーズなデータ統合を実現
「OSIsoft」の買収でプラントのライフサイクルをカバー |
3DCAD「PDMS」により、プラント業界に浸透したアヴィバ。「PDMS」は、様々なプラントの3D設計に使用され、広く使用された3DCADの一つだ。
その「PDMS」だが、アヴィバが2024年にサポートを終了、このため後継ソリューションである「E3D」が開発され、すでにプラント業界にも浸透し始めている。
アヴィバのソリューションの特徴は、「Dabacon」と呼ばれる独自に開発したデータベースを所有していることだ。
一般のソフトウェアベンダーであれば、市販のデータベースが活用されるが、十分な柔軟性が確保されない。この点、独自開発のデータベース「Dabacon」は、様々なデータを柔軟に扱うことができる。この「Dabacon」が、「E3D」とのデータの統合においてもモノを言う。
アヴィバは、建屋内部に設備が設置されるようなプラントを設計する場合、BIM用の3DCADとの空間調整が必要になる。
その場合、アヴィバでは中間フォーマットのIFCに変換して空間調整を行っている。
これまでに取込みに成功したソフトウェアには、「Autodesk Revit」「Autodesk Civil3D」などの建築・土木ソフトウェアのほか、建築設備3DCAD「Rebro」、機械設計3DCADの「Solid
Works」、構造設計3DCAD「Tekla Structures」などがある。
「E3D/PDMS」とオートデスクのBIM設計用3DCAD「Autodesk Revit」とのデータ統合事例では、アヴィバ側の配管、配置計画、配管アイソメ図と「Revit」のドア・窓、建設計画のデータが統合された。
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ビルディング ⇔ プラント設計システムのコーディネート |
また、機械系の3DCADで作成された複雑な機器の3DCADモデルを効率的に取り込むには、簡略化したうえで、「E3D Design」に取り込むことができる。
機械設計3DCAD の「NX」「Solid Edge」「Solid Works」「Catia V5」「Creo」「Inventor」などの機械設計とのデータの統合事例がある。
さらにアヴィバは、クラウド対応の3Dデータ管理ソリューションとして、「AVEVA Point Cloud Manager」を用意しているが、これにより、メンテナンスプロジェクトにおける点群データ、3Dモデルデータの登録、処理、可視化を行うことができる。このソリューションを活用することで、グリーンフィールドおよびプラントの改造を伴うブラウンフィールドのプロジェクトに効率良く対応できる。
様々なデータの統合を可能にするアヴィバのプラント設計ソフト「E3D/PDMS」だが、データの統合においても、データベース「Dabacon」がモノを言う。
複数のフォーマットのデータを扱う場合にも、「Dabacon」をマスターデータベースとして活用すれば、効率向上につながる。
「OSIsoft」の買収でプラントのライフサイクルをカバー |
アヴィバは2020年8月、プラントのオペレーションデータを一元管理できるソリューション「PI System」を持つ「OSIsoft」を買収したが、最近はプラントの設計のみならず、O&Mを含むライフサイクルをカバーできるソリューションの提供にも乗り出している。
「PI System」は、プラントの計装システムから収集される大量のデータを現場からリアルタイムに収集・蓄積・管理・表示・分析でき、石油・ガス、化学、発送電、採掘、パルプ、製鉄、製薬など、様々なプロセス産業で利用されている。
日本国内でも三菱ケミカルをはじめ、多くの企業が導入している。
アヴィバでは「CADは重要だと思うが、お客様がより高い関心を持っているのはO&M」としており、プラントの設計から稼働後のO&Mまで、プラントのライフサイクルをカバーしたサービスの提供に力を入れている。
そしてライフサイクルのソリューションは、オリジナルの強力なデータベース「Dabacon」により支えられる。 |
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