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 2021.10.15
ヘキサゴンPPM、「Smart3D Version13」をリリース
デジタルツイン威力、相互互換性も強化

デジタルツインを追求

 ヘキサゴンPPMはこのほど、主力の3次元CADシステムの最新バージョン「Smart 3D Version13」をリリースした。「Intergraph Smart 3Dx」は、「Smart3D」の延長線上にあり、64ビット対応の新しいインタフェースが特徴だ。

 バージョン13において、「Smart3Dx」は、FEED(フロント・エンド・エンジニアリング・デザイン)に重点を置いており、今後のバージョンアップにおいても、「リリース毎に、ワークフローを合理化し、生産性を向上させ、図面やレポートの生成機能などへ、環境を拡張し、最終的にはすべての機能に対して柔軟性を提供できるように努める」とヘキサゴンPPMでは言う。


 バージョン13のディスプレイ

 ここで「努める」とあるが、バージョン13においては、「『Smart3Dx』の開発は進行中」としており、「すべての機能が揃うまでには、まだ数年かかる予定」と言う。

 ユーザーは従来の「Smart3D」新しい「Smart3Dx」の双方を同じマシンにインストールでき、ユーザーは2つのクライアント・インタフェースをいつでも切り替えることができる。

 「Smart3D」のライセンスを保有しているユーザーは、「Smart3Dx」のライセンスを無料で取得できるが、50シート以上のライセンスを保有している場合は、ライセンスの10%、50未満のシート数の場合は5ライセンスに限られる。条件は付くものの、従来バージョンを保有していれば、新バージョンを使用することで、デジタルツインにおけるエンジニアリングを追求できる。


インターオペラビリティを強化

 「いつでも最新のデジタルツイン」を可能とする機能により、新設・既設のプロジェクトの両方で、設備とプロジェクトライフサイクルを通じて、オブジェクトと、成果物を追跡管理できる。

 また、機密情報のエリアとIPを保護しながら、複数のEPCに対して、プロジェクトの明確なスコープを示すことができる。さらに他のビジネスシステムからの情報をリアルタイムで共有でき、ヘキサゴン製品からのタスク主導の情報収集が可能な点も注目される。

 もちろん、今回のバージョン13と「Smart3Dx」によって、追加された機能もある。

 まず継続的に協同設計が可能となり、このことで複数のプロジェクトに並行して取り組むことができる。機密情報のエリアを保護しながら、エンジニアリングの請負業者がプロジェクトに取り組めるよう、モデル循環を切り分ける機能があり、複数の「Smart3D」インスタンスを同じ「Smart3Dx」で統合させ、プロジェクトを同時に管理する機能が装備されている。

 このほか、オブジェクトを継続的もしくは、段階的にきめ細かくシェアできる。このため、①「Smart3Dx」を用いてプロジェクトのレビューが可能、②分散した場所で同時に実行されるエンジニアリングプロジェクトのプレビューを可能にする、③オブジェクト毎のステータスを基にした継続的なオブジェクトのShare、④図面はShareコマンドによってコントロール可能だ。

 エンジニアリングをコンカレントに適切に進めることができる点が、注目すべき新機能だ。

 今回のバージョン13のもう一つの特徴すべき機能は、SIO(スマート・インター・オペラビリティ)である。

 SIOにより、ヘキサゴンPPMの旧製品であるPDSやアヴィバ社のPDMSとの相互互換性も実現された。SIO機能により、PDSやPDMSから「Smart3D」へのコンバージョンが可能になった。以前から、コンバージョンは可能だったが、よりスムーズにコンバージョンできるようになったと言えるだろう。

 最近は、プラント建設プロジェクトも大型化・複雑化しており、様々な設計業者がプロジェクトに関わるようになった。こうした中で、データの相互互換が可能になったことは。設計の生産性の向上を実現するものとして注目される。



㈱重化学工業通信社
 

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