2021.6.24
アスペンテック、「aspenONE V12.1」をリリース
創業40周年、AI機能を数多く搭載した最新バージョン |
1981年に設立され、今年8月に40周年を迎えるアスペンテック(AspenTechnology, Inc.)。
40年前にMWケロッグ(現KBR)が最初の顧客となり、その後40年間で世界は大きく変わった。
現在の世界の状況について、アスペンテックのアントニオ・ピエロにCEOは「人口の増加と生活水準の向上に伴う資源需要の増加に対応するとともに、持続可能性の目標、排出量の削減、環境中のプラスチック廃棄物の削減に取り組まなければならなくなった」と言う。つまり、資源需要の増加と持続可能性の二つに挑戦(デュアル・チャレンジ)することが必要になった。
こうした時代背景の中、アスペンテックはこのほど「aspenONE V12.1」をリリースした。最新バージョンには、新機能として、環境影響の低減に重点を置きながら、バイオマス処理、水素製造、および炭素排出量のより正確かつ系統的な最適化を実現する新しいモデルが搭載された。同時に、新しい分析および可視化機能が搭載され、ラボから生産まで、プロセス全体に渡る廃棄物やエネルギー使用量の大幅な削減に貢献できる。
最新バージョンで注目されるのは、「Aspen Optiplant/OptiRouter」が搭載されたことだ。この機能は、AIドリブンの最適な配管経路決定により、デザインの3Dレイアウトを自動生成する。可視化の向上によって、コラボレーションを促進し、コストとミスおよび変動の削減と概念選定の迅速化を実現する。この機能が搭載されたことで、AIドリブンの3DレイアウトがAspenTechのポートフォリオに統合された。
また「Aspen Unscrambler/AspenProcess Pulse」は、製薬など、製品の市場投入期間短縮への圧力が高まっている業界が抱える複雑な問題を多変量分析によって解決でき、製品やプロセスの品質を保証し、プロセスの収率と収益性の向上とばらつきの削減を促進する。
この他にも、「aspenONE V12.1」には注目すべき機能が数多く搭載されている。「Aspen HYSYS/Aspen Plus」は、組み込まれたマシンラーニング機能により、直ちにオペレーションに展開できる状態にモデルを容易に調整できる。これにより、モデルは現実に合わせてチューニングされ、価値実現までの時間を短縮する。
「Aspen Deep Learning for DMC3 」は、新しいデータによる更新や増強が容易な線形と非線形の制御変数を組合せて、ライフサイクル全体に渡って最適に近いレベルで運転できる、より正確で持続可能性の高いモデルを生成する。
「Reduced Order Hybrid Models forAspen Unified PIMS and GDOT」は、プロセスエンジニアリング、データサイエンス、プランニング、およびAPC(アドバンスト・プロセス・コントロール)に渡って一貫したワークフローを提供する次数低減型モデルにより、プランニングモデルの精度を維持するためのワークフローを自動化し、クローズドループでの複雑なプロセスユニットの最適化を可能にする。
また「AspenインダストリアルAI Workbench」は、異常検出やスコアリングなどのアドバンスト・アナリティクス・ライブラリーによって、シチズンデータサイエンティストを支援し、カスタマイズ可能なダッシュボードやアプリケーションイネーブルメントを通じて、知見をシームレスに共有できるようにする。
「aspenONE V12.1」について、ARCアドバイザリーグループの主席アナリストであるジャニス・アベル氏は「アスペンテックは、『aspenONEV12.1』に組み込まれた深い専門知識とデザインから、サプライチェーン全体に渡るインダストリアルAI組込みへの重点的な取組により、産業データの中に眠る手つかずのビジネス価値を引き出す強力なソリューションを提供する」とコメントしている。
またアスペンテックの上級副社長であるデイビッド・アルベイテル氏は「当社は、自己最適化プラントのビジョンを推進するために、エンジニアリング、オペレーション、およびメンテナンスに渡って自動化するためのインダストリアルAIを、ソリューションポートフォリオ全体に渡って追加し続けている。AIワークベンチソリューションは、ビジネス固有のニーズに応じて、オペレーションやデータサイエンティスト間の連携を可能にする。業界固有のアプリケーション知識と資産最適化の専門知識を組み合わせることにより、顧客のAIイニシアティブから安全確実で効率的なオペレーションがもたらされることを保証する」と語っており、AI機能を搭載した「aspenONE
V12.1」が生産効率の向上に寄与することを強調している。
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