2021.2.24
アヴィバ､「PDMS」の後継アプリケーションとして「Ｅ３Ｄ」を強化
各種設計に対応も、統合型ソリューションの利便性を追求 |
アヴィバは、プラントエンジニアリング業界にも普及した３次元ＣＡＤ「PDMS」の取り扱いを2024年に終える。そこで目下、力を入れているのが後継アプリケーション「Ｅ３Ｄ」の売込だ。
「Ｅ３Ｄ」の「Ｅ」の意味は「Everything」。エンジニアリングに必要なすべてのアプリケーションが統合されている。
 |
| Ｅ３Ｄのアプリケーション |
| データベース「DABOCON｣を武器に各種設計機能を搭載 |
アヴィバ製品の最大の特徴は、データベースに独自開発のデータベース「DABACON」が使用されていることだ。このため、汎用タイプのデータベース「Oracle、ＳＱＬなど」と比較して管理が容易で、専門の管理者が不要だ。このうえ、大規模データに対応でき、複数ユーザの同時アクセス環境にも対応できる。また同じプロジェクトのデータベースに同時にアクセスして、並行してモデリングでき､「AVEVA
Global」ライセンスを購入すれば、世界各地の拠点と同じ作業環境での使用が可能だ。さらにカスタマイズ用言語の「ＰＭＬ（Progra㎜able
Macro Language）」により、会社毎に異なるワークフローに即した新機能開発ができる。
「Ｅ３Ｄ」において、重視されている機能の一つが、レーザスキャナによる点群データの活用だ。
近年、プラントなどの施設を改造する「ブラウン・フィールド」プロジェクトのニーズが高まっているが、このニーズに対応するのがレーザスキャナにより得られる点群データの処理だ。
ここでは、現場での作業の削減が図られている。
３Ｄのモデルデータと、現地で測量したレーザーデータを画面上で比較、現場での繰り返し作業コストを大幅に削減した。
点群はほぼすべての３次元レーザスキャナから獲得できるが、点群データを計測に活用できる「バブル・ビュー」や、より高精細な「ハイパー・バブル・ビュー」で出力できるほか、一部点群の強調表示や非表示も可能だ。さらに点群の図面化も可能で、点群の加工については、ユーザの様々な要望に応えることができる。
また３Ｄモデリングでは、架構・構造物設計、機器設計、配管設計、電気・計装設計、空調設計、サポート設計の各種設計が可能だ。３Ｄで干渉チェックが可能で、干渉の生じた箇所を切り出し表示できる。
中でも、配管設計では、配管・ノズル・ＨＶＡＣ(空調)などに対応するが、スペック基準のモデリングにより入力ミスを削減できる。またＰ＆ＩＤと３Ｄの比較・検証が可能だ。
サポートについても、容易な作成手順で、鉄骨サポート、ハンガー、トラニオンの作成が可能なほか、不整合自動確認機能が搭載されている。
また３Ｄの配管モデルが誤りなく作成されていれば、アイソメ図が自動作成され、予め定義した書式により、材料集計表をＰＤＦファイルに出力できる。
各設計機能には、それぞれ特徴があるものの､「Ｅ３Ｄ」にはこれら設計機能がすべて含まれる。
複数のプロジェクト関係者が情報を共有する機能としては、クラウド環境の利用を推進する「AVEVACONNECT｣、様々な形式の電子データを統合、相互に関連性を持った情報として参照可能にするWebベースのソリューション「AVEVA
Information Manager｣、また「AVEVACONNECT」環境で、計測された点群データを全方位視野情報として共有する「AVEVA
Point Cloud Manager｣、大型タッチスクリーン上で設計情報や点群情報を共有する「AVEVA 3D Asset Visualization」が用意されている。
また、変更管理では、独自のデータベース「DABACON」が威力を発揮する。
「DABACON」データベースは、各要素の変更履歴をすべて保全する機能を持ち､「AVEVA 3D Design」はこの情報を基に、変更履歴の強調、リストアップを行える標準機能を持つ。
さらに、ルーティングポイント、ルーティングプレーンによる詳細なルート定義ができる。ユーザ独自のルールの追加で、より高度なルーティングの実行が可能だ。
|
|
|
 |
