2021.2.24
中小規模プロジェクト向けCAD、3種類をラインナップ
国産CAD「EyeCAD」は、わが国のエンジ業界にも浸透 |
プラント設計用CADでは、専業大手エンジニアリング企業などで使用が多い「Smart3D」を扱ってきたHexagonだが、徐々にその戦略を変更せざるをえなくなってきた。
その理由は「Smart3D」を必要とするような大規模プラントの建設プロジェクトが減少している反面、中小規模のプロジェクトやプラントの改造などのブラウンフィールドプロジェクトが増加傾向にあるからだ。
このためプラント設計用CADとしては、中小規模のプロジェクトを対象とする「CAD Worx」「BRICS CAD」に加え、「EyeCAD」の売込に力を入れる。
中小規模のプロジェクトを対象とする設計CADのうち、「CADWorx」と「BRICS CAD」は、「.dwg」ファイルで設計できる。このため、AutoCADと互換性がある点が特徴だが、設計の生産性を向上するための様々な機能を保有している。
「CADWorx」には、自動ルーティング機能があるため、設計者は3D配管モデルを素早く正確に直感的に作成することができる。設計者は、設計に集中でき、配管ルールを設定することで、相フランジなどの配管部品の配置を自動化することで設計者をサポートし、プロジェクトスタンダードを遵守して、精度を高めながら、プロジェクト実施時のコストを削減できる。このほか、ウォークスルー機能、干渉チェック機能なども装備しており、設計の生産性の向上を実現するための多くの機能がある。
アイソメ図は、配管レイアウトから作成でき、「CAD Worx Plant Professional」には、自動アイソメトリック作成用の「Isogen」が含まれている。
「CAD Worx P&ID」ソフトウェアは、インテリジェントなプロセス図を作成するための生産性を向上させるツールを提供する。「CAD Worx P&ID Professional」を使用すれば、「CAD Worx 3Dプラントモデル」を変更管理のためにリンクして、3DモデルをP&IDと同期させることができる。
また機器モデリング機能が含まれており、設計者は圧力容器や熱交換器の設計に適した「PV Elite」で設計・解析した機器を「CAD Worx Plant」モデルにインポートしたり、業界のニーズに合わせて独自の機器ライブラリを構築できる。
「CAD Worx Plant Professional」のディスプレイ |
BIMから機械設計まで対応できる「BRICS CAD」 |
「BRICS CAD」は、Hexagonの親会社であるヘキサゴンPPMが2018年10月に、Bricsy社の買収によりラインナップに加わったソフトウェアだ。
迅速でスマートな2D図面や、使い慣れたCADプラットフォームである「.dwg」フォーマットを使用した3D設計が可能だ。
「Brics CAD BIM」により、コンセプトから詳細な建設ドキュメントまで、単一の環境で、建物を設計、管理。現在のCADスキルで、本格的な建物情報モデルを素早く作成でき、単一の製品で、単一のワークフローのもと、「.dwg」ベースで対応できる。
「Brics CAD Mechanical」は、「.dwg」ベースの完全な機械設計ツールキットで、3Dダイレクトモデリング機能を使って、自由に組み立てることができる。
BIMから機械設計まで、ワンストップソリューションで提供されている点が設計の生産性を向上させていると言えるだろう。
小誌の「エンジニアリングITアンケート」において、3次元CADの使用では第1位となる「EyeCAD」だが、国内エンジニアリング各社の豊富な経験をベースに現場主義・顧客主義で開発が行われてきた純国産の3次元プラント設計CADだ。
必要に応じて、正確な寸法を編集表示でき、建設する前に、機能、安全性、保守/検査性、建設性、美観などを予め検討し、総合的な設計が可能だ。工事品質の向上、安全な建設を実現し、作業環境の良い所で、プレハブできるため、溶接品質の向上につながり、コストも削減できる。
図面出力以前に客先レビューで変更要求の電子データを即座に設計担当にメールして、変更することで設計時間を短縮でき、コスト削減が可能になる。
実用性に優れた3次元プラント設計CADシステムと言える。
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