2018.11.6
資本・業務提携でオーナー・オペレータにソリューション
リアルとバーチャルの補完関係で、ポートフォリオを拡充 |
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ベントレー・システムズ
カルステン・ゲルク 氏 |
シーメンス
エカード・エベリー 氏 |
2016年にシーメンスとベントレー・システムズは業務提携契約を締結したが、今年8月、その提携契約は資本・業務提携に発展した。その発展の背景には何があるのか、提携に最前線で当たった、シーメンスのプラダクトオートメーションのCEOである、エカード・エベリー氏とベントレーのシニアバイスプレジデント、カルステン・ゲルク氏に聞いた。 |
ENN:今年8月に、シーメンスとベントレー・システムズの資本・業務提携が発表され、2016年に始まった提携関係がいっそう強化されました。その理由を聞かせてください。
ゲルク:ベントレー側でこの提携を進めて来ましたが、当社はバーチャルな世界のソリューションを保有しています。それに対して、シーメンスは現実(リアル)世界で、オートメーションシステムやプラント、さらにそれらのオペレーションからIoTに係るまで、幅広い製品をお持ちです。これらはすべて、ベントレーのバーチャルな世界で表現できます。
エベリー:ベントレーの製品とソリューションは、シーメンスのポートフォリオを補完するものです。シーメンスには、発電、プロセス産業などのプラントや装置といった製品がありますが、これらはベントレーが提供するバーチャルな世界で表現できます。
ENN:両社の協力関係は2016年から始まっていますが、今年8月にシーメンスがベントレーの株式9%を取得しました。その意味は何でしょうか。
ゲルク:それと同時に、両社によるファンドは従来の5,000万ユーロから1億ユーロへと増額されました。両社の協力関係はいっそう強化されました。10月15日には、発電プラントのAPM(アセット・パフォーマンス・マネジメント)ソリューションについて発表しましたが、今後も、協力しながらポートフォリオを拡充します。
ENN:協業により、何を実現しようと考えているのですか。
エベリー:化学プラント、医薬品プラント、発電プラントのオーナー・オペレータ向けには、デジタルツイン環境を提供していきたい。そのためには、情報をいかに活用するかが重要になりますが、エンジニアリングとオペレーションの両方のシステムを統合的に扱います。これらを駆使することで、オーナー・オペレータの意思決定をサポートします。
ENN:それを実現するには、オーナー・オペレータの経験を取得する必要があります。
エベリー:当社は産業用モータ、タービン、コンプレッサなどの機器や装置を供給していますが、これらの機器・装置とともに操業データを持っています。同時にお客様からは、どのような操業状態にあるか、情報を取得しています。
ENN:ベントレーは、シーメンスとの協業で何を実現しようとしているのですか。
ゲルク:われわれもシーメンスと同じビジョンを持っています。オーナー・オペレータの操業に関するデータは、当社のソリューションのみならず、ヘキサゴンやアヴィバのソリューションから得ることもあります。また最近では、空飛ぶドローンが情報をもたらすこともあります。こうして集められたデータから、オーナー・オペレータの問題を解決するために、シーメンスとともに取り組んでいきたいと考えています。
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