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 2018.5.11
「Tekla Structures2018」大幅機能アップを実現
上流から下流までBIMデータに対応

 構造設計3次元CADのデファクトスタンダードと言える「Tekla Structures」。昨年から「Tekla Constructible Model」を発信して、川上から川下まで一貫したBIMデータの提供を始めた。その新バージョン「Tekla Structures 2018」では、サイドパネルが拡充されるなど、より使いやすさが追求された。ユーザの要望にも耳を傾け、確実に機能アップする「Tekla Structures」。その進化はとどまるところがない。

 構造設計3次元CADのデファクトスタンダードである「Tekla Structures」。現在では、トリンブルソリューションズの主力ソフトウェアであるが、売上高は毎年二桁成長だ。

 昨年から「Tekla Constructible Model」を発信しているが、この意味するところは「企画・設計段階の川上から川下の施工段階まで、一貫して情報を含むBIMデータを提供すること」だ。製作・施工に準拠したLOD(レベル・オブ・デベロップメント)を持ち、各部位について、高い詳細度を持っている。

 「Tekla Constructible Model」は、フィールド段階に進むほど、その効果が拡大・増加する可能性を持っており、BIMの投資効果を最大化できる。建築生産性の向上に寄与するソフトウェアと言える。

 今年3月にリリースされた最新バージョンの「Tekla Structures2018」は、新たな機能を搭載し、建設生産性の向上を実現するソリューションでもある。


サイドパネルを拡充

 「Tekla Structures2018」におけるモデリング機能の、最大の改善点は、サイドパネルの拡充だ。サイドパネルに、プロパティパネル、テクラオンラインパネル、点群パネルが追加された。

 
  プロパティパネル
 プロパティパネルは、部材や溶接、ボルト、鉄筋などのモデルオブジェクトのプロパティ情報をサイドパネルで確認、設定が可能だ。

 ビュー、基準線や仕上げ材などの一部プロパティについては、ダイアログに表示する。

 プロパティパネルの特徴は、パネルが表示されている場合、モデル上でオブジェクトを選択した時点で、プロパティの詳細を表示。パネル上でのコピーや貼り付け操作にも対応して、複数部材を選択した状態でのプロパティの更新が可能だ。カスタムプロパティ(ユーザ定義情報)を含めて、一つのパネル上で確認でき、パネルの内容はカスタマイズできる。

 テクラオンラインパネルは、オンラインサービスに関して追加されたサイドパネルで、トリンブル・アイデンティティの登録と、ログインが必要だ。テクラ・ユーザー・アシスタンスでの検索、テクラ・ウェアハウスでの検索、新バージョンやサービスパックなどのリリース情報の表示ができる。

テクラオンラインパネル
 
  点群パネル












 
 点群パネルは、3Dスキャナやポイントクラウドシステムで生成された点群情報の読み込みに対応している。

 インタフェースでは、選択・スナップツールバーのデザインが刷新され、各ツールバーがコンパクトになり、メインウィンドウの幅に合わせて、ツールバーのサイズが自動調整できる。

 作業平面やモデル原点、基準点などの切り替え用のツールバーを追加し、クイック起動からのメニュー選択に対応している。

 「ファイル」メニュー内の各種コマンドや[選択][スナップ]ツールバーの表示、各オプションのON/OFFの指定が可能だ。

 また作業平面やモデル原点、基準点などの切り替え用のツールバーを追加、クイック起動からのメニュー選択にも対応している。[ファイル]メニュー内の各種コマンドや[選択][スナップ]ツールバーの表示、各オプションのON/OFFの指定が可能だ。

 その他のユーザインタフェースでは、オブジェクトの再選択のコマンドが追加され、元に戻す(Undo)操作時の履歴管理に対応している。

 モデリング機能の改善では、ポイント情報の表示が追加され、モデル上で指示した位置の各種座標情報を簡単に確認できる。寸法値の直接入力と方向、メイン部材の指定と形状編集、単品展開図で軸方向のいずれの指定にも対応している。

 また、プレート、スラブ、折れ梁、およびストリップフーチングのポリゴン点数の上限数が100点から1,000点に拡張された。

 国内向けツール関連の新機能では、大梁3断面コンポーネントとして、端部仕口部の作成機能が追加され、その他のコンポーネントとして、ビルドH材などに対応した汎用的なスプライスジョイントの作成、NCベースP、J/L形フックがJISおよび汎用アンカーに対応しており、丸パイプ用のダイアフラムの作成も可能だ。

図面機能では、図面内容管理機能が充実

 図面機能では、図面内容管理機能が充実した。

 図面に表示されているオブジェクト(部材・製品・鉄筋・溶接・ボルトなど)を、名前やマークなどの情報とともに、サイドパネルでリスト表示。表示されているオブジェクトを容易に管理できる。

 すべての図面種類が対象で、図面内容管理への図面内のオブジェクトの読み込み、オブジェクトのマークの有無の確認が可能だ。

 またリスト内で選択すると、図面オブジェクトまたはマークも同様に選択される。名前などの情報からオブジェクト検索が可能で、部材、製品の表示/非表示やプロパティの変更にも対応できる。

 マークの自動配列の改善では、マーク、アソシエートマークの引き出し線ができる限り交際しないよう、最適化して配置できる、新しいマーク配置のアルゴリズムに対応した。

 マークの整列では、引き出し線が交差している場合、選択したマーク同士の引き出し線が交差しない位置に調整でき、選択したマークを上下一列に配置されるよう、位置を調整した。

 その他の図面機能では、文字の配置位置や回転角度、背景のマスキングによりマークの表現が改善された。

 また、部材マークの選択コマンドにより、部材が選択できるようになった。

 点群データへの対応については、点群データの変換の必要がなく、直接読み込みでき、サイドパネルに「点群パネル」のボタンが追加された。

 主なデータのファイルフォーマットに対応している。

 「Tekla Structures2017」から搭載された現場打ちコンクリート部材ユニットでは、現場打ちコンクリート部材に含まれるユニットとして集計され、現場打ちコンクリートユニットとしての管理機能が強化された。

現場打ちコンクリート部材ユニット

 部材継手管理ツールの新機能としては、基準線パラメータファイル(拡張子grd)の入出力に対応し、継手情報をエクセルファイルに出力できる。

 きめ細かな機能を持つ「Tekla Structures」だが、今回のバージョンでも、ユーザの要望を反映しながら、機能向上が図られた。


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