2017.11.20
BIMコンサルティングでグローバル展開を加速する韓TAESUNG SNI
世界的なBIM活用を追い風に業績伸ばす |
韓国のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)のコンサルティング企業、TAESUNG SNIが着実に実績を上げている。中でもエンジニアリングITを駆使したヴァーチャル・コンストラクションが好評だ。
起業してまだ10年のベンチャー企業だが、韓国のみならず、シンガポール、カタール、日本などの海外でも実績を上げ、すでに、シンガポールに事務所を開設している。
シンガポールでは2015年10月から、建設工事の申請にBIMの使用が義務付けられるなど、BIMは世界標準になろうとしている。この「追い風」を受け、TAESUNG
SNIも事業機会を確実に増やしている。
この5年間のTAESUNG SNIのコンサルティング実績はインフラBIM案件で150件を超える。「韓国で最大のインフラBIMの実績を誇る」とキム・スン-フーンCEOは力を込めるが、その実績は様々なエンジニアリングITツールを駆使して提供されるヴァーチャル・コンストラクションにより裏付けられる。
TAESUNG SNIが活用するエンジニアリングITツールは、「AutoCADRevit(オートデスク社製)」「AECOsim(ベントレー・システムズ社製)」「TEKLA
Structures(トリンブル社製)」「ContextCapture(ベントレー・システムズ社製)」など。3Dのみならず、時間軸を加えた4D、さらにコストを加えた5Dにも対応できる。
ヴァーチャル・コンストラクションでは、クレーンなどの建設機械がサイトで利用できるかなどを確認したり、柱や配管が干渉しないかを確認できる。ヴァーチャル・コンストラクションにより、施工の事前確認が可能で、こうした点もユーザから評価を得る理由になっている。
ヴァーチャル・コンストラクションとリアル・コントラクションの比較 |
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施工前にヴァーチャルに施工確認できれば、実際の施工上の問題を事前に把握し、対策を打てる。このことはプロジェクトリスクの低減にもつながるため、高いニーズがある。
BIMは本来、「ビルディング・インフォメーション・モデリング」の意味だが、建設プロジェクトの設計・施工にITを活用して、効率を向上することを目的としている。ここで得られる電子情報は、官庁向けの申請に活用されることも最近は増加傾向にある。
この世界的な動きに呼応するように、TAESUNG SNIはカタールのドーハメトロプロジェクトをはじめ、シンガポールの地下鉄建設プロジェクトなどにも参加。BIMコンサルティングの分野で実績を上げている。
海外で実績が増加していることもあり、BIMを積極的に導入しているシンガポールに事務所を開設した。
150件を超える実績を持つ、TAESUNGSNIだが、起業後5年間で、豊富な実績を上げたことが、事業展開に拍車をかけている。
CEOのキム氏は「過去の経験に基づいた的確な提案ができる」と、豊富な実績を背景とした提案力を強調する。
またヴァーチャル・コンストラクションにより、施工の事前確認ができるが、BIMデータは、完工後には、操業に役立てることも可能だ。施設のオペレーションやメンテナンスに役立つデータとして活用できる。キム氏も「持続的に管理できるように提案している」と言うように、施設のライフサイクルの管理に、BIMの活用を促している。
BIMの活用は、入札書類の作成にも必要だが、競争力の強化にも有効だと言う。キム氏は「入札価格に、BIMが影響を与えている」と言う。
BIMは設計・施工のクオリティに影響を及ぼすが、そのクオリティがプロジェクト全体のコストに与える影響も小さくない。BIMが設計・施工のクオリティを向上し、その結果として、コスト競争力を強化する可能性もある。
BIMはクオリティの向上とコスト競争力の強化に効果がある。
TAESUNG SNIは、最も効果的なBIM活用の提案ができる。
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