2017.7.20
ベントレーとシーメンス、協業が生み出す新たな効率向上
デジタル化した資産を視覚的に運用 |
エンジニアリングソリューションのベントレー・システムズと独シーメンスの協業により、プラントの新しいアセットマネジメントが実現されようとしている。
ベントレーとシーメンスは、かねてから、様々な機会に協業しながら事業を展開してきた。協業関係をいっそう強化する目的で昨年11月、相互に補い合う業務分野において、デジタル化を推進することで、インフラのプロジェクトデリバリとアセットパフォーマンスを改善し、新しいビジネス価値を創出する目的で、戦略的アライアンス契約を締結した。このアライアンスは今年1月に、発電プラントやその他のインフラ施設の計画・設計に関するアライアンスにも発展し、両社の協業関係は、いっそう確固たるものになった。
一連のアライアンス契約では、両社のソリューションを自由に活用しながら、新たな価値を生み出すことができる。両社のソリューションを有機的に結び付けて活用することで、今、プラントのアセットマネジメントに新たなソリューションが生まれようとしている。
例えば、シーメンスが提供するクラウドデータサービスの「MindSphere」上でベントレーの資産管理ソリューションである「AssetWise Suite」を運用すれば、
①アセットのデータ管理のマスター
②アセットの信頼性を高める「APM(アセット・パフォーマンス・マネジャー)」と
して、信頼性重視メンテナンス(RCM)や状態基準メンテナンス(CBM)が実現できる
③そしてベントレーのリアリティモデリングソリューションである「ContextCapture」
を活用することにより、プラントのモデルデータを扱うことができる。
▲ContextCaptureで既存の設備をデジタル化
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この場合、シーメンスの提供する「MindSphre」はクラウドで提供されるため、プラントのアセットマネジメントに関わる関係者が、情報を共有することもできる。
特に「ContextCapture」のデータを「MindSphere」上で活用すれば、プラントの可視化データを共有でき、プラントの状態監視にも活用可能だ。
▲リアリティモデリング
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老朽化したプラントには、建設時の設計データが無いケースもあり、こうしたプラントのモデルデータをデジタルカメラや3次元レーザスキャニングデータによりモデル化できるのであれば、老朽化プラントのメンテナンスにとっては、重要なツールになる。
最近は、原油価格が40ドル台半ばの低水準で推移しており、産油国も思い切った設備の新設に踏み切れない状況にある。こうした状況下、ITやOT(オペレーション・テクノロジー)を活用した、改造などのブラウンフィールドプロジェクトはプラントの生産性の向上に大きなインパクトを与える可能性がある。
ベントレーのプロセス・資源分野担当インダストリ・マーケティング・ディレクタである、アン・マリー・ウォルタース氏は「既存の資産をデジタル化し、視覚的に運用することで、効率的なプラントの資産管理が可能になる」という。
そのためのソリューションの提供をベントレーとシーメンスがアライアンス契約の下、実施する。アライアンス契約では、両社が互いに両社のソリューションを自由に販売できる契約も締結されている。
プラントの資産をデジタル化し、視覚的に運用することで、生産性を従来以上に向上することができる。ベントレーとシーメンスの協業によるデジタル資産管理によりもたらされる生産性を無視することはできないだろう。
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