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NEC、つながる「時代」の新しい「ものづくり」
「Industrial IoT」に注力、システムの効率運用も実現
     2016.8.22

インターネットを構成するのは、プラットフォームとコンテンツの、主に二つの要素だ。このインターネットの持つ基本的な要件は、「IoT(インターネット・オブ・シングス)」においても、変わりはない。
NECも「IoT」を活用した、次世代「ものづくり」として「NEC Indusrtial IoT」を提供しているが、その仕組みはプラットフォームとコンテンツにより構成されている。

「Industrial IoT」のプラットフォームとコンテンツ

NECは昨年、「NEC Indusrtial IoT」の提供を開始した。

「NEC Indusrtial IoT」は、① 現場・現物・現状のデジタル化 ② 見えない・隠れた世界を見通す ③ ITとOTの連携 ④ 製品・サービスのスマート化 の4つのポイントを実現することを目的に開発された。

4ポイントに対して、NECはすでに保有している、画像認識、ビッグデータ解析、SDNなどの技術のシステム化で対応した。一連のシステム化で構築されるのは、いわば、プラットフォームになるが、次に問題となるのがそこで生かされるコンテンツだ。

このコンテンツ作りに大きな役割を果たすのが、NECが2012年10月にスタートした「NECものづくり共創プログラム」だ。このプログラムでは、NECが自らのノウハウを提供し、参加企業同士が互いに学び合う機会が提供されてきた。今年7月末までに集まった会員企業数は1,155社以上、会員数は3,538名。

かつての製造業では、企業や工場がスタンドアローンで「ものづくり」について検討してきたが、「つながる」時代になって、重視されるのがパートナーシップだ。仮に競合する企業同士であっても、多くの製造業の持つ知見やノウハウで共有できる物は共有する。そして共有できる知見やノウハウが多いほど、解析すべきビッグデータが充実される。

「つながる」時代になって、NECは「NEC Indusrtial IoT」というプラットフォームを構築した。また、多くの製造業により構成される「NECものづくり共創プログラム」では、他社との知見、ノウハウ共有によりコンテンツを拡充してきた。

そして、今、プラットフォームとコンテンツをより効率よく稼働させるための、システム対応も進められている。


実装から見えてきたIoT時代のものづくり 2つのポイント 


機能拡充が進む「NEC Indusrtial IoT」

NECはこのほど、「ものづくり」見える化ソリューションとして「IFS Applications for MES」を発表した。

「IFS Application for MES」は、スウェーデンのERPベンダーであるIFS社が提供するERPパッケージに、MES(製造実行管理システム)の機能をアドオンで追加したもので、生産現場のデータを収集・可視化し、生産性・サプライチェーン全体の流れ・品質の向上を実現する。

また5M(Man・Machine・Material・Method・Measurement)情報を一元管理し、企業全体のスループットの向上を支援。同時に、各種データを取り、見たい人が見られるように「見える化」する。「スループット」「品質」「オペレーション」の「見える化」機能を実現する3つの機能を提供し、必要な要素だけを段階的に導入できる。

NECの保有する要素技術も、「つながる工場」の具現化に一役買っている。

「ものづくり」見える化ソリューションでは、画像処理などのAIなどにも対応する。しかしクラウドコンピューティング上には、様々なデータが存在し、そのデータ量は膨大なものになる。ここで重要になるのが、膨大な量のデータへの対応だ。

そこで開発されたのが、エッジコンピューティングだ。これにより、膨大な量のデータから有効なデータを抽出して処理することが可能になり、膨大なデータを取り込むことに伴う、負荷を軽減できるようになった。

新しい「ものづくり」を実現するための各種ソリューションだが、わが国では、クラウドコンピューティングについて、現在でも疑問視する向きがある。理由は情報セキュリティの問題があるからだ。この問題についてNECは、膨大な量のデータをダウンサイズしたうえで匿名化し、セキュアな状態で情報開示できる新たなワークプレース作りを目指すことで、セキュリティの確保を図っている。

着々と機能が拡充される「NEC Indusrtial IoT」だが、担当者は「IoTを実装するための相談が増えている」と手応えを感じている。

「第4の産業革命」とも言われるIoTだが、NECは今後、その売込にドライブをかける。

 AIの活用による「製造業の高度化」







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