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「PRISM G2」、プロジェクトコスト管理で優位性
世界各地の様々なプロジェクトで実績、簡易バージョンも発売へ
 2016.7.6

プロジェクトはスケジュールとコストが適切に管理されて、初めて、その成果が分かる。スケジュール管理を行うソフトでは「Primavera」がよく知られているが、コスト管理ソフトで世界的にも多くのプロジェクトで使用されているのが米ARES Software 社の「PRISM G2」だ。
簡易バージョンとして「PRISM LITE」のリリースも予定されており、普及のための事業展開も見逃せない。コスト、契約、変更など、プロジェクトのライフサイクルを管理する「PRISM G2」は今後、ますます存在感を高めそうだ。

プロジェクトに必要なスケジュールとコストの管理

「プロジェクトマネジメントソフト」と聞いて、まず思い浮かべるのは、「Primavera」(オラクル社製)や「Microsoft Project」(マイクロソフト社製)だろう。これらのソフトは、プロジェクトを扱う企業やユーザーに普及しており、エンジニアリング業界では、「Primavera」はデファクトスタンダードとも言える存在だ。

ところが、これらソフトの主な対象はプロジェクトのスケジュールだ。スケジュール管理においては、多くの優位性がある。

プロジェクトにおいて、たしかに、スケジュール管理は重要だが、同じように重要なのがコスト管理だ。プロジェクトのコスト管理に優位性を持つソフトウェアが米ARES Software社の持つ「PRISM G2」だ。

「PRISM G2」は、プロジェクトコストマネジメントソフトとしては、世界的に普及しており、わが国でも千代田化工建設をはじめ、原子力発電に取り組むプラントメーカーなどに採用されている。プロジェクトにおいて、気になる要素の一つが、「プロジェクトのコストがどの程度で、いくらくらいの収益が上がるか」という点だ。

 
「PRISM G2」は、プロジェクトコストマネジメントソフトとしては、世界的に普及しており、わが国でも千代田化工建設をはじめ、原子力発電に取り組むプラントメーカーなどに採用されている。

プロジェクトにおいて、気になる要素の一つが、「プロジェクトの
 
  PRISM G2のディスプレイ 
コストがどの程度で、いくらくらいの収益が上がるか」という点だ。

プロジェクトをコスト的側面から管理するのがプロジェクトコストマネジメントで、プロジェクトマネジメントにおいて、スケジュール管理を補完する関係にある。

このため、スケジュール管理の「Primavera」や「Microsoft Project」との連携が取れる。この連携により、プロジェクトにおけるスケジュールとコストの二つの要素を管理できる。


プロジェクトコスト管理に不可欠な「PRISM G2」

「PRISM G2」は、予算管理を中核的な機能とするが、契約管理や変更管理にも対応できる。予算管理においては、実績との比較や将来予測も行い、EVMにも対応する。EVMは「Earned Value Management」のことで、予算および予定の観点からプロジェクトがどのように遂行されつつあるかを定量的に評価するプロジェクト管理の手法だ。

プロジェクトを生業とする企業にとっては、最も重要な点をカバーしている。統合プロジェクトマネジメントの業界標準と言えるもので、業界ベストプラクティスの提供とモジュール・システム間のシームレスな連携の元で、単一かつ使いやすいアプリケーションによる見積、スケジュール、コストの整合を行い、プロジェクトリスクを軽減する。

予算、確定済コスト、リソース要求、スケジュールを統合し、完成時までの統計的で正確な予想によって、プロジェクトパフォーマンスの効果的な共有を行う。「PRISM G2」を導入することで、リアルタイムな情報の可視化、潜在的問題の明確化、および迅速な問題対応が可能になる。

また、エンタープライズ機能、多通貨多レート対応機能、複数言語対応機能により、グローバル組織におけるプロジェクトコスト超過やスケジュール遅延を削減し、グローバル組織の健全なプロジェクトマネジメントおよびプログラムマネジメントを実現する。


世界各地のプロジェクトで使用実績

「PRISM G2」は、プロジェクトコストマネジメントソフトの業界標準でもあり、これまでに多くのプロジェクトにおける使用実績がある。わが国を代表するエンジニアリング企業、千代田化工建設でも、プロジェクトコストマネジメントの標準化、予算管理、変更管理および正確なプロジェクト進捗の予想を目的に使用している。

アブダビ空港では、68億ドルを投じて実施された拡張プロジェクトで採用された。プロジェクトには、2万5,000㎡のショップやフードコートの増設に加え、駐車場やトランジットホテルの建設も含まれた。

このプロジェクトで「PRISM G2」は、簡単に使用できるソフトウェアとして採用されたが、スケジュール管理の「Primavera P6」との強力なインタフェースを実現し、契約管理でも威力を発揮するとともに、品質管理レポートの出力を効果的に行った。

ロンドンと英国南部の交通の高速化と大量輸送を可能にするクロスレールプロジェクトは、21kmのルートの建設に対して240億ドルを投じるものだ。完成すれば、首都ロンドンの輸送量の10%の増加と年間約2億人の利用が見込まれる。

このプロジェクトにおいても、「PRISM G2」はコストとパフォーマンスを管理する唯一のソフトとして提供され、業務プロセスの統一化、データ品質の改善、プロジェクト遂行分析などの機能を提供した。

面積438haの「ドバイエキスポ 2020」の会場にワールドクラスの交通システムを建設するプロジェクトでは、「PRISM G2」は、コストおよび請求書管理、ドキュメント管理の統合、コマーシャル管理と変更管理、そして、オーナーとコントラクターが同一のデータを共有する環境を提供した。

英国で建設が進められる高速鉄道建設プロジェクト「High Speed Two(HS2)」において、「PRISM G2」はプロジェクトの見積とコスト管理、一貫性があり効率的かつ定量的なデータ、マニュアルデータ入力によるエラーの削減、データ管理の完璧な統合を実現した。

南アフリカの国営電力会社でアフリカ最大の発電量を誇るEskom社は2006年、総額数十億ドルを投じて、国内20カ所以上の発電所(原子力・石炭火力・風力・ガス・水力)の改修プロジェクトを実施した。

このプロジェクトで「PRISM G2」は、ERPソフトウェアの「SAP」と「Primavera」の統合、プロジェクトコストツールとしての活用、短期間でのソフトウェアの導入などを効果的に実施した。

オーストラリアのエネルギー販売会社であるOrigin社は広域へのエネルギー供給、ガス開発、発電、エネルギー販売を行っている。同社は総額250億ドル以上の最大のLNGプロジェクトの管理に「PRISM G2」を活用した。そこで「PRISM G2」は、変更および傾向管理、進捗管理とプロジェクト予想、EVMレポート、「PrimaveraP6」との統合といった役割を果たした。


「PRISM LITE」をリリース

 
  スコット・ハイマン氏
様々なプロジェクトで使用され、成果を上げている「PRISM G2」だが、ARES社で「PRISM G2」の事業責任者を務める、バイスプレジデントのスコット・ハイマン氏はその強みについて「最大の優位性は、グローバルな手法がビルトインされており、これが簡単に使えること。30日使用するだけで、エキスパートになれる」と言う。

また米国では、厳しいEVMを行っているNASA(米航空宇宙局)でも採用している。

ARES社では近く、「PRISM G2」の簡易バージョンである「PRISM LITE」を発売する計画で、従来のエンタープライズ向けばかりではなく、パーソナル向けにも売り込む計画だ。

またコストマネジメント、EVMの教育キャンペーンを日本でも実施する計画で、受講者には、PMI(米国プロジェクトマネジメント協会)やASCE(米国コストエンジニアリング協会)の認定ポイントを授与することも検討されている。

プロジェクトは、スケジュールとコストの双方が適切に管理されて成果を上げるものだ。「PRISM G2」はプロジェクトコストマネジメントツールのデファクトスタンダードになろうとしている。


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