オートデスク、「Autodesk Inventor Professional 2017」を発売
設計機能の強化、運用性の向上、密なコミュニケーションを実現
2016.4.18 |
オートデスクはこのほど、3次元の機械設計用CAD「Autodesk Inventor」の新バージョン「Autodesk Inventor Professional
2017」を発売した。新バージョンの特徴は、① 設計機能の強化 ② 相互運用性の向上 ③ コミュニケーション機能の充実、の3点。
このうち
① 設計機能の強化では、3次元スケッチ機能の操作性を向上させたことで、これまで以上
にモデル作成を効率化。ポリゴンメッシュデータの編集機能を見直したことで、メッシュデータのエッジを参照しソリッド化、新たに設計することが可能になった。さらに、3次元プリンタの綿密な復元能力を設計に反映するシェイプジェネレータ機能を装備。複数の設計条件をコンピュータに設定し、最適な形状を計算。従来の機能を確保しながら、機械設備の軽量化を図る。
この他にも、パンチリプレゼンテーションを表示しフラットパターン、コーナーリリーフ、パンチを改善するシートメタル、ルートからブラウザを検索したり、ルール違反をフィードバックするチューブ&パイプといった機能を搭載。ハイレゾリューション4K対応で、より鮮明な画像が得られる。 |
② 相互運用性の向上では、他社の3次元CADアプリケーションのデータを参照しながら
設計作業を進める「AnyCAD」機能が、全世界で最も多く使用されている中間フォーマットである「STEP」に対応。また、「AnyCAD」のDWGファイルとの連携を強化したことで、2次元のDWGデータの変更が「Autodesk
Inventor Professional 2017」の3次元モデルにすぐに反映される。 |
③ コミュニケーション機能の充実では、オンライン設計機能を追加。複数のプロジェクト
メンバーが、作業中のデータを閲覧・注記でき、リアルタイムでのコラボレーションを実現。3次元のPDF出力に対応。「Autodesk Inventor
Professional 2017」を使用していないメンバーとも、3次元モデルの形状、プロパティ、断面などの情報を共有する。 |
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3次元のPDF出力に対応 |
すでに販売を開始しており、希望小売価格はシングルユーザー、1年間のサブスクリプションで28万9,000円だ。
オートデスクは同時に、データの検索・参照・非CADデータの編集アプリケーション「Autodesk Vault Office 2017」、データの版管理、ファイルとフォルダのセキュリティ管理などの機能を追加した「Autodesk
Vault Wor㎏roup 2017」、設計変更の履歴管理、部品管理などにも対応する「Autodesk Vault Professional
2017」、「Inventor」上で稼働するCAD統合型構造解析アプリケーションの「Autodesk Nastran In-CAD」、CAMアプリケーションの「Autodesk
Inventor HSM / HSM Pro」も発売した。
「Autodesk Vault 2017」シリーズは、アクセス権限の設定方法を改善したことで、従来以上にデータ管理を厳密化。「Autodesk
VaultWor㎏roup 2017」「Autodesk Vault Professional 2017」はともに、流用設計のコピー先フォルダを一括で置き換えることができる。「Autodesk
Vault Professional 2017」は、オートデスクの工場レイアウト設計ツールである「Factory Design」を管理し、「Inventor
AnyCAD」の元データをアイテムとして管理・出力する。
「Autodesk Nastran In-CAD」は、解析結果の表示で、関連する結果をグループ化したり、高速に表示することが可能だ。
「Autodesk Inventor HSM / HSM Pro」は、彫刻加工に対応するツールパス、高能率加工の負荷制御ツールパスを搭載した。
1年間のサブスクリプション価格は、「Autodesk Vault Office 2017」4万1,000円、「Autodesk Vault Wor㎏roup
2017」8万1,000円、「Autodesk Vault Professional 2017」15万4,000円、「Autodesk Nastran
In-CAD」54万5,000円、「Autodesk Inventor HSM」37万7,000円、「Autodesk Inventor HSM
Pro」59万3,000円。
これらの新製品の開発にあたり、技術営業本部の加藤久喜氏は、「実際にユーザーの声を聞き、取り入れた」と言う。ユーザーからは「3次元PDFの出力」「部分断面図の対応」「アッセンブリ内パーツの透過」「スケッチドリブンのパターン」「マルチリゾットに対応するミラー/パターン」といったニーズが数多く寄せられた。
オートデスクは今後も、ユーザーミーティング、展示会、専用のホームページなどでユーザーの声に耳を傾ける。 |
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