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オラクル社 グローバル営業担当VP Mark Webster 氏
「世界の企業が成熟するのに伴い、プロジェクトなどの
デリバリーをいかに改善するかが問われています」
2016.3.25
プロジェクトマネジメントシステム(PMS)の世界的なデファクトスタンダードでもあるPrimavera。プロジェクト遂行で多くの実績があるPMSだが、近年、エンタープライズベースでの活用が増加傾向にある。加えて、クラウドやモバイルでの活用により、Primaveraはより柔軟な対応が可能になる。
PMSへのニーズの多様化と同時に、IT端末の多様化の時代を迎えて、Primaveraの活用領域はより広範になりそうだ。オラクル社でPrimaveraのグローバルビジネスユニットの営業部門を統括するバイスプレジデント(VP)のMark Webster氏に、Primaveraの現状と今後について聞いた。
Mark Webster(マーク・ウェブスター)氏
オラクル社Primaveraグローバルビジネスユニットの営業部門の統括するグループ・バイスプレジデント。
30年間に渡り、IT業界でキャリアを積んできた。この間、NCR、Sun、Verizon Co㎜unications、Evolve、Primavera、Verdiemなど、多くのIT企業で営業および経営者としてリーダーシップを発揮している。
ENN
:
Primaveraは、プロジェクトマネジメントシステム(PMS)のデファクトスタンダードと言えると思いますが、PMSを取り巻く最近の環境変化をどのように御覧になっていますか。
Webster
:
Primaveraの需要は伸びていますが、理由は二つあります。一つ目は、デジタル変革やイノベーションを本格的に実行しようとする企業や組織から、われわれのソリューションに健全な興味を持っていただいているからです。そして二つ目は、プロジェクト遂行の性質が変わっているためです。
プロジェクト遂行の性質に伴う変化を引き起こしている要因の一つには、2000年以降に社会人になった、いわゆる「ミレニアム世代」の台頭があります。日本では、これに女性の社会進出という現象が加わります。こうした社会的な変化が、建設・エンジニアリングのプロジェクト遂行の変化を引き起こしています。
例えば、労働人口の変化で言えば、石油&ガス業界では、現在の50%の労働人口が2018年に定年退職年齢を迎えます。
その一方で、企業側の生産手法も変わっています。カンバン方式、リーンプロダクション、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)といった新しい手法がスケジュール管理を求めるようになってきました。
ENN
:
こうした需要の変化に、Primaveraはどのように応えているのですか。
Webster
:
そこには四つの要素があります。
1つ目は、お客様のプロジェクトの遂行について、計画・構築を行い、それをお手伝いするということです。
2つ目は、われわれの持つ能力をクラウドで提供することです。これを実現するために、クラウドソリューションアクセラレータのパッケージを開発しました。
3つ目は、こうした、われわれの能力をフルにモバイルで活用することです。ここでは、アナリティクスを活用して、ビジネス上の判断ができるようしています。
4つ目は、フルに統合された能力を提供することです。ここでいう統合には、Primaveraの製品ポートフォリオ内部の統合もありますし、広範なオラクル製品との統合もあります。
現在、Primaveraは建設・エンジニアリングの分野で需要が増加傾向にありますが、グローバルに起こっていることの背景には、民間と公共の連携など「公共インフラを、いかに提供するか」といった問題があります。
クラウドによるPM機能の活用が柔軟に
ENN
:
プロジェクトマネジメントは元来、建設・エンジニアリング業が行うプロジェクトを管理する手法でした。しかし、その管理手法は最近では、企業経営にも活用されています。何がこうした状況を作り出しているとお考えですか。
Webster
:
現在、世界中の企業が成熟してきています。その中で、プロジェクトなどのデリバリーの手法をいかに改善するかを望むようになってきています。その中で、Primaveraの機能を提供できるデジタルエグゼキューションなど、企業向けプラットフォームが求められるようになっています。
最近では、クラウド環境を活用することで、われわれのケーパビリティを、より様々なプロジェクト管理機能を迅速かつグローバルに展開できるようになりました。
ENN
:
クラウドについて、小誌でアンケートを実施したところ、44%の企業が活用に慎重です。その理由は、情報漏えいなどのセキュリティ面での問題を危惧されたからだと思います。こうした問題には、どのように対処されますか。
Webster
:
企業がクラウドを評価する際、セキュリティ面での問題を懸念することは正しい判断だと思います。当社のクラウドについても、データプライバシー、機密保持などについては、深く懸念されています。
しかしこの問題については、当社にしかない資産・能力があり、すでに、ユーザは最終的に、どれだけの利益がクラウドで得られるかを評価されたうえで使用を決めています。
クラウドを活用するメリットには、「イノベーションを瞬時にできること」、「イノベーションとアダプションの速さ」の2つがあります。
私自身も「企業がクラウドを信用して活用すること」自体、まだ発展途上と感じていますが、この分野の変革のスピードはかつてないほど、速いと思います。
技術革新の国、日本に期待
ENN
:
2008年に、当時のプリマベラ社がオラクル社に買収されました。買収の前後で、特別な変化はありましたか。
Webster
:
プリマベラ社は、企業文化を変えることなく、事業を継続できていることは、非常に喜ばしいことだと思います。また、オラクル社はプリマベラ社の買収後も、いくつかのソリューションを買収しました。
オラクル社がすでに持っている機能や買収により獲得したソリューションと統合することにより、Primavera自体の能力を拡充できました。現在の市場からの要求を満たすための資産をオラクル社から得ることができたのは、非常に大きいと思います。
ENN
:
今後、Primaveraを伸ばすうえで、何が必要になってきますか。
Webster
:
まず、従来の機能を拡充することが重要ですから、継続的な投資が求められます。また統合を加速し、モバイルアクセスの充実も図ります。
さらに、エンタープライズのライフサイクルについて、プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)のプロバイダになることで、Primaveraの機能を拡充します。
これらを実現するには、クラウドにより広範囲な市場にアプローチすることが必要になると思います。
ENN
:
ここでいう統合は、何を意味していますか。
Webster
:
Primavera製品間の統合とオラクル製品の統合が考えられます。
Primavera製品間の統合では、Primavera P6とPrimavera Unifierの統合が一例です。二つ目は、その他のオラクル製品との統合です。Oracle EBSやOracle Supply chain Managementとの統合も考えられます。
ENN
:
すでに、日本のEPCコントラクタは、Primaveraを採用しています。
Webster
:
たしかに、多くのEPCコントラクタにご採用いただいていますが、コントラクタの活用はプロジェクトベースで、エンタープライズベースではありません。EPCコントラクタのみならず、日本市場での課題はエンタープライズレベルに売り込むことです。
ENN
:
エンタープライズレベルに売り込むには、何が必要だとお考えですか。
Webster
:
Primaveraのユーザインタフェースの部分をよりシンプルに強化し、モダンにします。これにより、サポートする仕事のタイプを広範囲に、スケジュールだけではなく、色々な物をサポートできるように拡張します。
日本は技術革新の国として、よく知られています。期待値の高い市場だと認識しています。
ENN
:
ありがとうございました。
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