ベントレー・システムズ「The Year in infrastructure 2015 Conference」会議レポート
重要なことは過去データを将来に活かすこと 2015.11.25
油価下落の影響は軽微、ライフサイクルへの対応で業績は安定
バイスプレジデント(オフショア&マリン担当) フィル・クリステンセン氏
インダストリ・マーケティング ディレクタ アンマリー・ウォルタース氏 |
ENN : |
原油価格の値下がりは、ビジネスに影響を与えているのではないでしょうか。 |
フィル : |
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フィル・クリステンセン 氏(左)と
アンマリー・ウォルタース 氏(右) |
たしかに、新設プロジェクトは減少しましたが、現在ある施設を有効に活用するためのニーズは増加しています。
また、洋上を有効に活用するプロジェクトは最近、増加しています。その中の一つには、洋上風力発電プラントがあります。 |
アンマリー : |
陸上のプラントビジネスにも、大きな影響はありません。原料調達が安価になる石油精製や石油化学のプロジェクトが具体化しています。また増設・改造といったブラウンフィールド案件も増加傾向にあります。
既存のプラントの操業率の向上には積極的に取り組まれており、プラントの操業を最適化するための案件は増加傾向にあります。
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ENN : |
製品は、新設だけではなく、ライフサイクルを網羅しているので、大きな影響は無いということですね。 |
フィル : |
当社は創業当初、MicroStationを中心にプラントの新設に対応するソリューションで展開してきました。その後も、プロジェクト・ドキュメント管理ソリューション「ProjectWise」をリリースして、新設に関連するニーズに対応してきました。
しかし7~8年前から、APM(アセット・パフォーマンス・マネジメント)の領域に進出し、オペレーションのフェーズにも取り組むようになりました。同時に対応できる産業分野も拡大しました。
たしかに、現在の状況では、プラントの新設プロジェクトは減少していますが、オーナーはプラントの延命化や効率化に取り組んでおり、そこでは、操業とメンテナンスコストの削減に取り組まれています。原油価格が値下がりした以後、最近はプラントのオペレーションに関するビジネスが急速に成長しています。 |
アンマリー : |
当社には、操業効率を向上したり、RCM(信頼性重視メンテナンス)に対応するソリューションがあります。またオペレーションを分析するソフトも保有しており、プラントのライフサイクルに柔軟に対応できます。 |
フィル : |
陸上でも、洋上でも、施設のメンテナンスには多額のコストがかかります。ここで必要になるのが、メンテナンスコストの削減です。例えば、石油メジャーのシェルも、メンテナンスに真剣に取り組んでいます。 |
アンマリー : |
どんな設備でも、配管の腐食を抑制したり、プラントの延命化を図ることが求められます。このために、プラントの様々な箇所にセンサを取付け、多くの情報を獲得します。ここでユーザにとって、重要なことは効率よくメンテナンスを行うことです。そこで、APMが活用されます。 |
ENN : |
シェルはハイレベルのユーザですが、他のユーザについてはいかがですか。 |
アンマリー : |
食品メーカーや鉱山分野でも、メンテナンスに積極的に取り組まれています。効率的なメンテナンスを求めて、当社のユーザになったお客様もいらっしゃいます。 |
ENN : |
今後の開発については、どのようにお考えですか。 |
フィル : |
クラウドによるオフショア施設の分析ソリューション、洋上風力発電のシナリオサービス、モバイルテクノロジーへの対応の3点です。 |
アンマリー : |
陸上プラントやFPSOの中には数十年に渡る稼働実績があるものもあります。これらには応力解析などの膨大なデータがありますが、このデータを将来の数十年に活用することも重要です。そのための開発も重要です。 |
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