3次元計測で大幅に省力化された鉄道沿線設備メンテナンス
JR西日本、ジェイアール西日本コンサルタンツ、アジア航測が開発
2015.6.17 |
去る6月3・4日の両日、川崎市産業振興会館で「SPAR 2015J・第11回3次元計測フォーラム」が開催された。2日目午後のセッション「移動計測」において、アジア航測の大釜
弘志氏が発表した「レーザースキャナを活用した鉄道沿線設備位置計測装置の開発」は鉄道の設備メンテナンスを大幅に省力化する技術として、興味深かった。
この装置は、JR西日本、ジェイアール西日本コンサルタンツ、アジア航測の3社が共同で開発したもの。
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レーザースキャナを搭載した計測車両 |
JR西日本の路線延長は約5,000kmあり、この延長にある信号機や曲線標などの設備の数は膨大なものになる。従来、これらの設備の位置を測定するには、作業員が線路内に立ち入り個別に測定しており、作業効率や安全面に課題があった。
そこで、3社は共同で計測車両に3次元レーザースキャナを搭載し、線路上に車両を走行させながら、多くの設備を短時間で計測する鉄道沿線設備位置計測装置を開発した。
この結果1㎡あたり200点以上の密度でトンネル内や高架下などを含め全区間に渡り30cm以内の均一な精度で計測できた。
現在は夜間撮影が可能なカメラを搭載して、夜間に毎時5~10kmの速度で移動計測を実施している。これにより鉄道沿線設備の位置計測は大幅に省力化され、現場に入らないため安全面が向上し、また過去の状況の記録資料としても今後の利活用が期待できる。
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