オートデスク、BIM/CIMを適用した業務効率支援
「Autodesk Revit 2016」「Autodesk Infraworks 360」などで
機能強化 2015.4.24 |
オートデスクは例年、3月に基幹ソフトである「AutoCAD」の新バージョンを発表し、その後4月に各アプリケーションソフトの新バージョンを発表するが、このほどBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)をサポートするソフトの新バージョンを発表、4月23日から販売を開始した。
BIM関連ソフトの「Autodesk Revit2016」は、意匠設計の機能向上は言うまでもないが、プラットフォーム機能の向上として、エネルギー解析ツールの機能向上が行われた。
ここでは、解析結果のブラウジングが行われ、建物の消費エネルギー解析にも対応されている。 モデル解析結果を正確に、見やすく表示している点が注目される。
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Autodesk Revit MEP 新規設備用ファミリの画面イメージ |
また、オートデスクのクラウドサービス「Autodesk 360」の照度分析レンダリングを流用した、照度分析機能もアドオンされた。 これにより建物の照度分析が的確に行うことができる。
さらに「Autodesk 360」の機能向上では、LED基準による日照数値をエクセル化し、CSVファイルで書き出しが可能だ。
プラットフォーム機能の向上では、いくつかの画期的な機能が登場した。 中間ファイルのIFC外部参照で位置合わせし、スナップ操作が可能だ。 パースの結果を見ながら、より緻密な編集・検討・改修を行うことができ、パースビュー/平行ビューの切り替えができ、ビュー機能の向上により、キーワードによるビュー指定が可能になり、ビューの表示速度も向上した。
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Autodesk Navisworks 朱書きの追加で
ビューポイントを自動作成した画面イメージ |
その一方で、初期設計段階での土木工事の設計ができ、「AutoCAD Civil 3D」との連携が可能になった。 構造設計機能では、2次元画面での配筋配置、構造部材パラメータの追加、構造梁の配置機能の向上、モデル線分へのスナップ機能、構造機能のユーザインタフェースの向上が実現した。設備設計機能では、電気設計集計機能の向上、電気回路図(配電図)機能向上などが実現した。
一方、日本のユーザの要望に応える機能向上も図られている。ここではRevitユーザグループの要望の多い物から対応しており、日本のユーザの要望を取り入れた複数のツールが用意されている。その中には、建具表作成、排煙・採光・換気チェックもある。
地図情報からモデル作成する「Autodesk InfraWorks 360」 |
土木インフラ関連の「Autodesk InfraWorks 360」の新機能では、
① モデルビルダー
② Civil3Dとの連携
③ 桁橋の構造解析
④ 交通シミュレーション の各機能のほか、
「Autodesk Vehicle Tracking」機能が新機能として加わった。
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Autodesk InfraWorks 360 Model Builder で
地図から3Dモデルを生成した画面イメージ |
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Autodesk InfraWorks 360 集水域の視覚化 |
土木設計のスタートは、現況地形モデルの作成である。現地測量には、3次元レーザスキャニングを活用する方法があるが、「Autodesk InfraWorks 360」では、地図情報を入力するだけで、モデルを作成できる機能が加わったほか、モデルから桁橋の構造解析が可能になった。
「Autodesk Vehicle Tracking」機能では、道路の曲がり角を大型トレーラーが曲がりきれるかなどを、ヴァーチャルに確認できる。
わが国の建設業界は、BIM/CIMへの対応が遅れていたが、最近では「BIM/CIMに対応できなければ、設計できない」というユーザが増えており、今回の「Autodesk Revit」の機能向上もユーザを増やすきっかけになる可能性がある。
新バージョンの価格は、「Autodesk Revit Architecture 2016」(建築設計向けBIMアプリケーション)(構造設計アプリケーション)(設備設計アプリケーション)が、いずれも80万5,000円(永久ライセンス)。
「Autodesk Revit LT 2016」が19万円(永久ライセンス)。 「Autodesk Navisworks Simulate
2016」デスクトップサブスクリプション11万8,000円(保守契約サービス付き基幹限定ライセンス・1年契約・ベーシックサポート付きの場合)、「Autodesk
Navisworks Manage 2016」デスクトップサブスクリプション35万円(1年契約・ベーシックサポート付の場合)。
「Autodesk InfraWorks 360」デスクトップサブスクリプション43万7,000円(1年契約・アドバンスサポート付の場合)など。 |
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