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  アヴィバ
 「E3D」でクラウド対応を開始
 将来的には全製品で対応、プラントのライフサイクルをカバー
 2015.2.25

アヴィバは昨年10月、プラントの設計・建設から運転までのライフサイクルを通じて使用可能なソリューション「Everything3D(E3D)」のクラウド環境への対応を始めた。
 ただ、アヴィバはすでに、プロジェクトポータル「AVEVA NET」において、ウェブ環境でのアプリケーションを提供しており、クラウド環境で実現される、ロケーションフリーという発想によるソリューションの提供に対応しており、クラウド分野の先駆者的な存在と言えるかもしれない。

技術的難度の高い「E3D」で対応

 プロジェクトが大型化するのに伴い、様々な場所で設計が行われ、その情報共有はこの数年、エンジニアリングITにおける課題となっている。

 アヴィバでは、こうした問題に対して、3次元CAD「PDMS」の拠点間をつなぐソリューションについては、グローバルに対応できる仕組みを構築してきた。 ところが最近のEPCコントラクターの仕事のやり方は変わってきており、小規模な会社が様々な場所で仕事をするようになってきた。

 こうなると、これまでにように、拠点間をつなぐような仕組みでは十分に対応できなくなってきた。 ユーザの仕事のやり方そのものの変化から、アヴィバはクラウドへの対応を始めた。


Cloud Diagram 2014
 アヴィバには、3次元CAD「PDMS」や構造設計ソフト「Bocad」などのソリューションがあるが、最初のクラウド対応として「E3D」が選択されたのには、理由がある。

 「E3D」は、レーザースキャニングモデルへの対応、プラントモデルへの3次元グラフィックスへの対応を実現した、プラントの設計・建設から稼働後のオペレー
ション&メ
ンテナンスまで、ライフ
サイクルに対応したソリューションだ。

 このため、他のソリューションに比べ、テクノロジーにおいて、複雑な面がある。
しかし、複雑なテクノロジーを持つ「E3D」でクラウドに対応できれば、他のソリューションでも容易に対応できる。

 まずは、テクノロジーのうえで、難度の高いソリューションでクラウド対応を実現し、そのうえで他のソリューションにも展開する方針が取られた。


ユーザと二人三脚で開発

 アヴィバは、ユーザとなっている数社とクラウドの開発にあたっており、ユーザの持つ問題意識をクラウドの開発に反映した。 この開発方法により、ユーザの問題意識は、製品において、すでにソリューションが提供されている。

 例えば、エンジニアリング企業の中には、クラウドへのデータのアップロードに時間がかかるため、敬遠する向きもある。 たしかに、エンジニアリングITのデータ処理は、迅速に行われることが求められるが、長時間を要するクラウドはこの点で技術的な問題を抱えている。

 しかしアヴィバのクラウド担当のフェルメーシュ氏は「現在は、技術も進歩しており、大きなCADデータでもセットアップできる」と言う。 アヴィバでは、「E3D」の、10テラバイトのデータを1日でアップロードすることを目標に開発しており、すでに、その目標は達成されている。 この10テラバイトのアップロードを1日で実現するというニーズも、共同開発しているユーザから教えられたもので、ユーザニーズを製品開発に反映したものだ。

 前出のフェルメーシュ氏は「ユーザが求めるのは、リスクを減らすこと。 このため、要求されているのは、拡張することであり、リプレースすることではない」と言う。

 つまり、最近は、プロジェクトが大型化しており、様々な場所でエンジニアリングが行われるようになった。 この時、重要なことは、ユーザの環境を統合して、クラウド上で使えるようにすることだ。 世界各地の拠点で共通のデータで仕事ができるようになれば、当然のことながら、生産性も向上する。 また、アヴィバ独自のデータベース「ダバコン」もクラウド環境を実現するうえで有効と言う。

 フェルメーシュ氏は「最終的な形は、当社の製品のすべてでクラウドを使えるようにすること。 今後、2次元と3次元のデータ統合をクラウド上に載せるようにしたい」とも付け加える。

 ユーザの声を製品に反映させながら、アヴィバが提供するクラウドは完成度を上げる。



















㈱重化学工業通信社
 

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