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2017.2.7
ロードスプリング社 社長兼CEO エリック・レイトン 氏
クラウド環境で200以上のアプリケーションを提供
日本ではCSTと提携、万全のセキュリティで複雑化する
プロジェクトにも対応
ロードスプリング社は2000年からクラウド環境で各アプリケーションを提供するサービスを提供してきたユニークな企業だ。ベンダーに依存することなく、プロジェクトベースでクラウド環境でアプリケーションを提供できるのが、そのサービスの特徴だ。しかも、わが国では、その使用にいまだに慎重論の多いクラウドだが、万全のセキュリティでユーザーにクラウド環境でサービスを提供している。「創業以来17年間、セキュリティに関する事故は1件も発生していない」と言う。
わが国では、千代田システムテクノロジーズ(CST)がロードスプリング社と2015年3月にOEM契約を締結し、「CST Project Cloud」サービスを行っており、シンガポールに共同でデータセンターを構築するなど、日本・アジア地域向けに一歩踏み込んだ協業を行っている。ロードスプリング社のCEOであるエリック・レイトン氏にクラウドサービスの優位性などについて聞いた。
Eric Leighton(エリック・レイトン)氏
New Technology Solution Inc.、Parametric Technology Corporationを経て、1999年にLoadSpring(ロードスプリング)社を創業。創業以来17年間に渡り、世界各国の業界代表的な企業と信頼関係を築きながら、エンタープライズプロジェクトマネジメントの知見を活かしたクラウド基盤サービスを提供している。
短時間でプロジェクトを立ち上げ
ENN
:
ロードスプリング社はいち早く、クラウド環境を活用したサービスを提供されています。サービス内容について、説明してください。
レイトン
:
2000年当時、クラウドタイプのソリューションはあまり普及していませんでした。この頃、当社は設立されたのですが、プロジェクトマネジメントやそのアプリケーションに特化した形で事業を始めました。その後、17年間を経て、この分野のグローバルリーダーになったと自負しています。
ENN
:
サービスの特徴は、どこにあるのでしょうか。
レイトン
:
プロジェクトで使うソフトをコントラクターが自前で揃えようとすると、時間もお金もかかります。しかし、当社の提供するクラウド上には約200種類のアプリケーションが用意されています。その中には、CADやプロジェクトマネジメントシステムもあります。それをベンダーに依存しない形でプラットフォームとして提供している点が大きな特徴です。
実際のプロジェクトで、必要なソフトウェアをすべて揃えるには、時間が
かかります。しかし、当社のサービスを活用すれば、短時間でプロジェクトを立ち上げることができます。
ENN
:
クラウドによるサービスに着目した理由を聞かせてください。
レイトン
:
ユーザーにとって、データがどこにあるかは大きな問題ではありません。仮に、マイクロソフト社のソフトで作成したデータであっても、それが自分のパソコンの中にあろうが、マイクロソフト社側のサーバーにあろうが、問題はありません。重要なことは、データがいろいろある中で、システム的に結合して全体を見られるようにすることです。そのためには、分散しているデータをインテリジェントな形にして、スケジュールなどの意思決定に使えるようにする必要があります。
ENN
:
最近は、プロジェクト遂行が多国籍化しています。サイトは東南アジアのどこかにあっても、エンジニアリングセンターは日本というケースもあります。クラウドを使うのなら、ボーダレスで仕事ができます。
レイトン
:
最近は「場所がどこか」という問題がクリティカルな問題になっています。ある日本のお客様では、北米、中東、日本など、様々な場所からアクセスされるため、ロケーションを統合することが重視されました。このニーズにもクラウドであれば、問題なく対応できます。
もう一つクラウドでは、戦略的な対応が可能です。例えば、メーカーのクラウドを使うと、ユーザーが「特定のバージョンを欲しい」と言っても、対応が難しい場合があります。例えば、当社のクラウドサービスでは「Primavera」にも対応していますが、プロジェクトによって、使用しているバージョンが異なる場合があります。お客様は常に最新バージョンを求めているわけではありません。当社のサービスでは、お客様のニーズに柔軟に対応できます。
ソフトウェアベンダーは、ユーザをコントロールしたがりますが、当社は、ユーザーが求める、システム、バージョン、サービスをきちんとコントロールできるような形で提供しています。このことは、ユーザーがきちんとコントロールできるクラウド環境を作ることができることと同じ意味があります。
最短で1週間で立上げが可能
ENN
:
最近、業績が好調と聞いていますが、その要因は、何でしょうか。
レイトン
:
一つ目は、今、クラウドに多くの企業が加わっているということ、二つ目はネットワークシステムのパフォーマンスが一昔前よりも格段に改善されておりクラウドの需要が非常に高まっていること、三つ目は様々な場所に蓄積されたデータを集約することができるようになったこと、四つ目はクラウド上にあるソフトウェアの機能を使いますから、迅速に立ち上げることがきること、です。テクノロジーの変化は非常に速いので、スピードを求められます。
ENN
:
クラウド環境は自前で提供されているのですか。
レイトン
:
当社には、データセンターが全世界に6カ所ありますが、そのインフラから、その上のアプリケーション、さらにその上のアプリケーション環境を構築する所まで、アプリケーションが動いている中での、「END to END」のユーザーを含めてのサポートまで、全体に対して、サービスを提供しています。
ENN
:
ソフトウェアはサブスクリプション契約で使うのですか。
レイトン
:
サブスクリプション契約にも対応していますし、ユーザーがライセンスを保有していれば、基盤だけを使うこともできます。
ENN
:
最短で、どのくらいの期間でソフトウェアを使えるようになるのですか。
レイトン
:
サブスクリプション契約でしたら、1週間ですね。
ENN
:
どのようなユーザーをお持ちですか。
レイトン
:
AEC(ArchitectureEngineering & Construction)エンジニアリングファームや製造業、トランスポーテーション、ヘルスケア、エネルギー、政府系、金融、エアロスペースなど、約3,000社のユーザーがあります。ユーザーの多くは10社以上のパートナー企業を保有していますが、これだけの企業が一緒に使えるクラウド環境を作ることは非常に難しいのですが、この環境を作れることが当社の強みです。
ENN
:
最近はプロジェクトも大型化していて、ジョイントベンチャー(JV)でプロジェクトに対応するケースが増えていますが、JVにも対応できますか。
レイトン
:
英国のクロスレールプロジェクトでは、1カ所にセキュリティを確保して、ユーザーが10年間に渡って使用できるようにしています。のべ何万人もの関係者が関わる大型プロジェクトですから、この実績は大きいと思います。
ENN
:
複雑なJVであっても、共通のプラットフォームで効率よく仕事ができるわけですね。
レイトン
:
その通りです。色々なアプリケーションをベンダーに依存しな形で提供できます。
課題は複雑化するプロジェクトへの対応
ENN
:
これからの開発テーマは何になりますか。
レイトン
:
グローバル・データセンターの管理が今まで以上に重要になると思います。仕事をする場所は様々な拠点になりますし、言語もマルチ言語に対応する必要があります。当社にも従来以上に複雑なことに対応する必要がありますが、その中で、セキュリティを追及しなければなりません。
通常のクラウドだと、距離があると遅くなりますが、ユーザーは迅速にデータが伝送できるグローバルクラウドを求めます。
ENN
:
日本企業の場合、クラウドの採用には慎重な向きもありますが。
レイトン
:
「なりすまし」とか「ログインした人の情報漏えい」では、IDの管理が非常に重要になります。しかし、当社の17年間の歴史の中で、そのような事故は起こっていません。セキュリティには創業以来、非常に力を入れています。
ENN
:
ありがとうございました。
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