EMSサービスに取り組む日揮グループ
究極の狙いは、施設利用者の省エネ 「意識化」 【2012/11/25号】 |
日揮グループは、かねてから工場の省エネ提案を行うなど、EMS (エネルギー・マネジメント・システム)
サービスを展開してきた。 ところが2011年3月の東日本大震災をきっかけに、わが国ではエネルギーを有効に活用する意識が高まっている。
この新しい状況に伴い、グループの日揮プラントソリューションは、工場を対象としてFEMS
(ファクトリー・エネルギー・マネジメント・システム) を展開している。 一方、日揮は商業施設を対象としたBEMS
(ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム) の実証試験に取り組んでいる。
いずれも、施設利用者の省エネの 「意識化」 を狙いとしている。 日揮グループのEMSサービスの現状を追った。 |
「計測展2012 OSAKA」 開催
データ統合と新技術で興味深い展示 【2012/11/25号】 |
会場は狭いが、高い関心と興味を持った来場者が集結する。 「計測展2012OSAKA」 には、こんな前評判があった。 このため、出展社は少ない来場者でも効率よく製品をPRできる。 そんな期待を持って臨んだはずだ。 その中で注目されたのが、データ統合技術といくつかの新技術だった。 計装関連の規格は複雑でユーザを惑わすことが多い。 この問題を解消する技術 「F−ROM」 を日本フィールドバス協会が紹介すれば、ABBも複数の通信プロトコルに対応する 「Freelance」 を紹介した。 また新技術では、独ピーアンドエフのまったく新しい本質安全防爆である 「DARTテクノロジー」 が注目された。 3日間の展示会は、充実した内容になった。 |
エンジニアリングシンポジウム2012、開催
LNGから宇宙太陽光発電まで、未来志向で活発な議論 【2012/11/10号】 |
一般財団法人エンジニアリング協会主催の 「エンジニアリングシンポジウム2012」 が、去る10月29・30日の2日間、日本都市センター会館 (東京都千代田区) で開催された。 わが国のエンジニアリング産業を取り巻く環境や課題、将来展望などを取り上げる業界最大のシンポジウムで、今年も震災復興、エネルギー問題、アジア市場の成長のほか、エンジニアリング業界が本格的に取り組み始めた豪イクシスLNGプロジェクト、また1000年後の未来を見据えた宇宙太陽光発電まで、幅広いテーマで活発な議論が展開され、2日間の幕を閉じた。 2日間で延べ3,292人の参加者が集い、シンポジウムは大いに盛り上がった。 |
山九、サウジからデイリーメンテナンスを受注
ARAMCO・TOTAL合弁から、日系企業以外からの海外初受注 【2012/11/10号】 |
山九には実に、90年間に渡るメンテナンス事業の実績がある。 そして海外でもすでに40年間の実績があった。
しかし、これまでの海外プロジェクトは住友化学がシンガポールに進出したPCS
(ペトロケミカル・コーポレーション・シンガポール) 向けなど、日本企業の進出案件のみだった。
このほどSATORPから受注したプロジェクトは、まさしく海外顧客からの受注だ。
しかもARAMCO系企業が初めて、メンテナンスをアウトソーシングした案件でもある。
この受注はまさしく 「画期的」 だ。 |
動き出す国内火力発電、30GW日本市場を狙え
欧米メーカーが相次ぎ参入、環境アセス短縮で具体化促進へ 【2012/10/10号】 |
原子力発電所の稼働停止で火力発電の割合が拡大する日本では、安定供給確保のためガスタービン需要が高まっている。
しかし一方で、火力発電用燃料費の増加が電力会社の経営を圧迫。 電気料金の値上げにもつながっているため、発電設備の高効率化が求められている。
こうした中、米GEや独シーメンスといった欧米の大手発電プラントメーカーが、相次いで日本市場への高効率ガスタービン販売を強化し始めた。 |
世界最多70件の納入実績を持つ、三造の高炉用タービン発電設備
海外調達の推進などで円高に対応 【2012/10/10号】 |
三井造船の高炉用タービン発電設備 (TRT) は、厳しい円高下でも競争力を確保できる技術の一つだ。 世界最多の70基の納入実績を誇るが、この実績は、超寿命設計、高いエネルギー回収率、乾式・湿式ガスへの対応といった性能に裏付けられる。 米ドルや欧州ユーロに対する円高の進行には、海外調達のいっそうの促進で競争力を確保。 同時に、発電設備全体のコーディネーションにも対応し、サービスウェイトの高いビジネスを展開する。 玉野事業所でTRT、送風機などのコア設備を製造。 ノンコアの設備は顧客側で調達させ、三造が責任を持ってアッセンブリする柔軟な対応も検討されている。 |
国内最多の水族館建設実績を誇る大成のアクアエンジニアリング
水族館建設でモノを言う水処理・省エネ技術 【2012/10/10号】 |
大成建設は水族館の建設で、わが国最多の実績を誇る。 公益社団法人日本動物園水族館協会には65件の水族館が加盟しているが、このうちの3分の1に当たる22件を大成が建設した。
今年に入っても、2月に 「京都水族館」 (京都府京都市)、5月には東京スカイツリーの
「すみだ水族館」 (東京都墨田区) を、それぞれ完工した。 大成には水族館を建設するアクアエンジニアリングの専門組織があり、水族館の専門知識と、医薬・食品工場などで取り入れられている水処理・省エネ技術を融合させて、水族館の建設に生かしている。 |
再生可能エネルギー、バックアップ用ガスタービン市場を狙え
出力変動に対応、起動停止の柔軟性がポイント 【2012/9/25号】 |
自然エネルギーを利用した発電は、天候に左右されるため発電量の変動幅が火力発電などに比べて大きい。 こうした不安定さは、安定供給の支障になるだけでなく、送配電網への負担にもなる。 これを回避するバックアップ用電源として用いられるのが、ガスタービンだ。 再生可能エネルギーの普及が進んでいる欧州や米国では、不安定化する出力を補うためにガスタービンによるバックアップが行なわれている。 今年、固定価格買取制度 (FIT) がスタートした日本では太陽光発電への投資が相次いでおり、将来的にこうしたバックアップ用のガスタービンも必要になる可能性が高い。 |
高効率化が進むゴミ焼却発電
中小規模の炉で、ゴミ発電狙う 【2012/9/25号】 |
原子力発電所の運転再開の目処が立たない中、自治体のゴミ発電も電力供給の一つの方法として注目される。 これまで、日量600トン以上の大型炉を中心に発電事業が行われてきたが、今後は100〜300トンの中小規模の炉でも発電事業を実施する。 だが、中小規模の炉では、大型炉以上に高い発電効率が求められる。 ゴミの処理量が大型炉に比べ少ないからだ。 これを受け焼却炉メーカーは高効率発電の研究開発に、力を注いでいる。 |
「INTERGRAPH 2012 JAPAN」 を横浜で開催
プロジェクト大型化に対応するエンジニアリングITで活発な議論 【2012/7/10号】 |
去る7月12・13日の両日、横浜みなとみらい地区のインターコンチネンタルホテルで
「INTERGRAPH 2012 JAPAN」 が開催された。 プラント建設プロジェクトが大型化するのに伴い、プロジェクトは複数のコントラクターから構成されるジョイントベンチャーで対応するようになった昨今、プロジェクトが扱う情報量は膨大になり、遂行体制も複雑化している。
大型化と複雑化に対応するうえで、インフォメーションマネジメントは重要度を増している。
2日間に約660名を集めたユーザーカンファランスだったが、インターグラフがエンジニアリングITの先端を走る企業なだけに、興味深いセッションが繰り広げられた。 |
FITで過熱する下水汚泥燃料化事業
リサイクル網の確保で、EPCから事業進出まで 【2012/7/10号】 |
7月1日に、再生可能エネルギーの固定価格買取制度 (FIT:Feed in Tariff)
がスタートした。 再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が全量買い取る制度だが、下水汚泥燃料によるバイオマス発電も対象。
すでに自家発電設備を持つ製紙会社、セメントメーカーなどが、FITによるバイオマス発電事業を前向きに検討している。
これを受けプラントメーカーは、下水汚泥の燃料化への取組を本格化。 自治体と、バイオマス発電事業者を結び、リサイクル網を完成させることで、自治体からの燃料化プラントのEPC、燃料化事業のDBO
(Design Build Operate) 受注を狙う。 |
世界最大規模のケミカルエンジニアリング・環境・バイオ技術のイベント
「ACHEMA 2012」、6月18〜22日・フランクフルトで開催 【2012/7/10号】 |
30回を迎えた世界最大規模のケミカルエンジニアリング展示会 「ACHEMA 2012」
が去る6月18日から22日の5日間にわたり、フランクフルト見本市会場で開催された。
ACHEMA は3年に1回開催されるが、今回の展示会には世界56カ国から3,773社が出展し、出展者数は前回2009年の3,767社をわずかに上回った。
入場者数は5日間で16万7,000人で、前回とほぼ同じ入場者数だった。 展示会開催に先立ち、前日の6月17日にオープニングセッションが開かれ、欧州委員会エネルギーコミッショナーのギュンター・オイティンガー氏をはじめ、政府高官や企業経営者によるスピーチとパネルディスカッションが行われた。
オイティンガー氏は 「ドイツとヨーロッパはこれらの産業の立地に適しており、安全で確実に提供されるエネルギーがその前提になる」
というスピーチを行った。 |
火力発電事業を加速するペトロベトナム
日本企業からのプラント調達に期待 【2012/6/25号】 |
ベトナム国営石油公団 (ペトロベトナム) が、石炭火力発電事業への投資を加速している。 ベトナム政府は同国の経済成長に伴う電力需要に対応するため、発電所の建設を急いでいる。 これを受け、同国でIPPとして発電事業を手がけるペトロベトナムでは、2015年までに発電容量を現在の2,700MWから9,000MWに引き上げる方針だ。 現在、出力1,200MWの大型石炭火力発電所新設プロジェクトが5件浮上。 このうち2件はすでに双日〜東芝が受注しており、残る3件についてもそれぞれ日本企業の受注が期待される。 |
「SPAR 2012J、第8回 3次元計測フォーラム」 開催
スキャナーと点群処理ソフトが着実に進化 【2012/6/25号】 |
去る6月5・6日の両日、川崎市産業振興会館で開催された 「SPAR 2012J、第8回
3次元計測フォーラム」 (本誌後援)。 新しい計測技術として、この数年、注目されてきたが、3次元レーザースキャナー、点群処理ソフトウェアのいずれも技術的な進化を遂げてきた。
3次元レーザースキャナーは価格と重量の問題を解決し、点群処理ソフトウェアは膨大な量に及ぶ点群データを必要に応じて、的確に処理することで迅速性と簡易性を実現しつつある。
こうした技術的進化と合わせ、参加者のこの技術への捉え方も進化してきた。
かつては計測値の精度を求める声が多かったが、最近では、「精度よりも迅速に計測できる点を重視。
必要に応じて使用する」 という考え方に変わってきている。 技術とともにユーザーも進化している。 |
オートデスク、「Plant Design Suite2013」 を発売
使いやすさを追求した基本性能に配管サポート機能などを追加 【2012/6/25号】 |
AutoCADファウンデーションとともに毎年実施されるオートデスクの各製品のバージョンアップだが、去る5月にプラント設計用CADの新バージョン
「Plant Design Suite2013」 が発売された。 従来の使いやすさに加え、配管サポートなどの機能が強化された。
かつてはローエンドユーザーを狙うという意図が見えた 「Plant Design Suite」
だが、徐々に機能は向上している。 使いやすさ追求から機能性の向上へと 「Plant
Design Suite」 もレベルアップしている。 |
TOYO新中計 「NEXT TOYO 2015」 に見る 「理想と現実」
従来のEPC事業は海外拠点で、TOYOジャパンは新規事業を 【2012/5/25号】 |
東洋エンジニアリング (TOYO) はこのほど、中期経営計画 「NEXT TOYO
2015」 を発表した。 今回の中計の対象期間は従来の3カ年よりも長期にわたる4カ年。
中計では、事業規模を現在の約3倍である4,200〜4,500億円に拡大するという。
また従来型のEPC事業は海外拠点に移管され、TOYOジャパンでは、強化事業と育成事業に力を注ぐ。
とはいうものの、中計の中身は現時点では、理想と現実が交錯しているのが実態。
具体的なブレークスルーは現時点では見えない。 |
三菱重工、2014年度までの中計で売上高30%増
将来的に売上高5兆円を目指す 【2012/5/25号】 |
三菱重工業はこのほど、2012〜2014年度までの中期経営計画を発表した。 最終年度には、連結売上高を2011年度比31.1%増の3兆7,000億円、受注高を25.4%増の4兆円に引き上げる。
事業本部の集約・再編やグローバル展開の加速などを通じ、事業規模を拡大。
主力製品のガスタービンの拡販、海外パートナーとのアライアンスやM&Aも積極的に進める方針だ。
さらにこれを布石とし、将来的には売上高5兆円を目指すとしている。 |
老海外案件では必須になった安全・リスク解析
専業大手3社でも取組、設備コスト削減にも効果 【2012/5/25号】 |
プラントの安定操業が、オーナー側の自主管理に委ねられるのに伴い、コントラクターであるエンジニアリング企業にも安全・リスク解析が日常的に求められるようになっている。
この状況に対応するため、専業大手3社 (日揮・千代田化工建設・東洋エンジニアリング)
でも、安全・リスク解析サービスの充実に力を入れている。このサービスには、リスクを的確に把握できるため、安全を目的とした過剰な設備コストの発生を防ぐなど、副次的な効果も確認されている。
専業大手3社の安全・リスク解析サービスの現状を追った。 |
環境省、2012年度循環型交付金を内示
船橋DBOプロは、荏原・川重が激 【2012/5/25号】 |
環境省はこのほど、2012年度の循環型社会形成推進交付金の内示内訳を発表した。 予算総額は464億3,400万円で、焼却炉やリサイクル施設、汚泥処理施設などを建設・改造する自治体に公布される。 |
SPAR International、ヒューストンで開催
参加者は700名超、拡大する裾野市場 【2012/5/10号】 |
恒例の第9回3次元計測に関わる世界大会 SPR nernaional が2012年4月15日(日)〜18日(水)、米国ヒューストンのマリオットホテルで開催された。
事前登録者だけで700名を超え、発表者、展示出展社とも前回を上回り、活況に満ちた大会であった。
今回は日本から、産業設備分野で本橋正宏氏 (東芝)、海老寛文氏 (辰星技研)、畠周平氏
(アジア航測) の各氏が発表され、会議参加者数も21人となり過去最高となった。
このうち半分以上がプロセスプラント関係の方であることも特徴のひとつである。
日本においても、それだけ実業務に携わる専門家が増えてきたことの現れであろう。
全体の発表内容や展示内容においてもプロセスプラントに関わるものも少なからずあり、話題に満ちた大会であった。
スパーポイントリサーチ 河村 幸二 |
老朽化火力の売却を視野に入れる東京電力
1万8,000MWのリプレース需要 【2012/5/10号】 |
東京電力の経営合理化策である 「総合特別事業計画」 の柱として、老朽化火力発電所の売却案が盛り込まれる見通しだ。 東電が保有する発電所には、約1万8,000MWの老朽化火力発電所が含まれている。 これらの発電所は、運転開始から30〜40年が経過しており、発電効率も最新ガスタービンコンバインドサイクルと比べて低い。 燃料費の高騰や電力供給力の上積みといった課題が残る中、早期のリプレースを行なう必要がある。 一方で、東電は自己資金による設備投資が困難なため、老朽化火力を外部に分離し、社外の資金を導入することでリプレースを進める考えだ。 |
経産省、「プラント・エンジニアリング産業の国際競争力」を分析
韓国勢との競合避ける、わが国エンジ産業 【2012/4/25号】 |
経済産業省はこのほど、「プラント・エンジニアリング産業の国際競争力 (石油化学・エネルギー分野)」
を分析し、小誌では同分析にあたった関係者に取材した。 そこで明らかになったのは、世界の市場規模が拡大しているにもかかわらず、市場で存在感を高めているのは韓国勢などの新興勢力という現実だ。
これに伴い、わが国のエンジニアリング産業は韓国勢との競合を避け、競合のないLNGプラントへの傾斜を深めている。
とはいうものの、韓国勢がLNGプラントに参入してくる日はそう遠くはないはず。
わが国はエンジニアリング産業は中長期の未来像を描けていない状況にある。 |
経産省、「基幹エネルギーとしての天然ガス」で議論
供給基盤の強化を目指し、委員会で検討 【2012/4/25号】 |
福島第一原子力発電所の事故以降、日本政府は2010年6月に策定した 「エネルギー基本計画」
をゼロベースで見直している。 震災以前の原子力を中心としたエネルギー政策は方向転換を余儀なくされ、その代替として天然ガスが浮上した。
経済産業省では、天然ガスシフトに向けた検討を行なうため、今年1月に 「天然ガスシフト基盤整備専門委員会」
を設置。 パイプラインの敷設やLNGの地下貯蔵などの建設について検討されている。 |
豊通、イラク復興プロジェクトへ本腰
4月から駐在員事務所を再起動 【2012/4/10号】 |
このほど、豊田通商と日立製作所がイラクの復興プロジェクトとして発電所の改修を受注した。
国際協力機構 (JICA) の円借款が供与されるこのプロジェクトは、既設プラントのボイラを日立製作所が納入した実績を持っていることなどが評価され、今回の契約につながった。
イラクは現在、一部地域を除く全域に外務省の退避勧告が出ている。 復興プロジェクトには、欧米や韓国企業が盛んに進出しているが、日本企業は安全面でのリスクから出遅れた感もある。 |
三菱重工、J形ガスタービンの累計受注が18台に
高効率・大容量、先進国向けニーズに対応 【2012/4/10号】 |
イラクの復興プロジェクトが本格化2009年に商用化された三菱重工業の最新ガスタービン
「J形」 の受注が好調だ。 J形は、タービン入口温度1,600℃級で、定格単機出力320MW、ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)化で出力460MW、発電端熱効率60%以上と、世界最高効率の性能を持つ。
国内では関西電力と東京電力向けに合計8台受注し、一部出荷も始まっている。 |
商業規模の技術が確立された 「JAPAN−GTLプロセス」
実証運転で目標達成、商業ベースに移行へ 【2012/4/10号】 |
わが国の石油会社、エンジニアリング企業など、6社から構成される日本GTL技術研究組合が2009年4月から実施してきた、
「JAPAN−GTLプロセス」 による実証プラントの運転がこのほど終了した。
1万1,000時間の実証運転では、プロセスおよび触媒の十分な性能を確認するとともに、3,000時間以上の連続運転が安定的に実証された。
この純国産プロセスへの海外からの関心も高く、サイトには実証運転中の3年間に41カ国から1,739名が見学に訪れた。 |
軌道に乗り始めた、栗本鐵工所プラントエンジニアリング事業
創業100周年を機に、要素技術をベースに化学装置事業部を発足 【2012/3/25号】 |
2009年に創業100周年を迎えた栗本鐵工所。 粉体機器、環境装置、バルブなど、グループ内には様々な単体機械のメニューがある。
これら単体機械は他社に真似のできない優れた技術だが、栗本鐵工所にはこれら要素技術を有機的に結びつける機能が無かった。
そんな課題を解決すべく2009年、プラントエンジニアリングにより要素技術を有機的に誘導する目的で、化学装置事業部を発足した。
その事業部が、フィリピン、モンゴルでも徐々に実績を上げ軌道に乗りつつある。
発足から3年を経た化学装置事業部は単体機械中心からプラントエンジニアリングという新たな側面を持とうとする栗本鐵工所の
「第二の創業」 とも言える取組だ。 |
国内IPP、活性化に課題
需要は豊富だが既存の電力ビジネスには改革の余地 【2012/3/25号】 |
電力供給力が逼迫する中、国内のIPPやPPSといった新規参入の電力事業者が活発化の兆しを見せ始めた。
原子力損害賠償支援機構と東京電力で構成される改革推進ワーキンググループでは現在、東電が今後建設する火力発電所について、IPPなどの外部資金を導入することを検討している。
原子力発電所の再稼働が不透明な一方、自己資金による設備投資が困難となったことから、外部の資金を呼び込むことで発電所を建設するためだ。
一方で、新規参入者にとって既存の電力ビジネスの仕組みには不可解な部分が多く、それが高い参入障壁となっている側面もある。 |
韓国エンジニアリング産業の快進撃にかげり
リーマンショック以後の市場環境が影響 【2012/3/10号】 |
2011年度、韓国の海外プラント成約実績は650億ドルと過去最高を記録した。
今年度は700億ドルを目指すと、韓国知識経済部は予想するが、その韓国勢の業績にかげりが見えてきた。
2011年度決算の業績は、売上高は増加するものの、利益面では減益となる企業が目立った。
2008年のリーマンショック以後、プロジェクト市場が狭隘化して、熾烈な受注を余儀なくされたのが収益悪化の要因のようだ。
しかも昨今はウォン高で、このことも収益を圧迫した。 こうした韓国勢の失速は、成長への通過点と見ることもできる。
昨今の減速は、韓国エンジニアリング産業の問題よりも、市場環境によるところが大きい。 |
山武、4月1日付でアズビル株式会社としてスタート
「人を中心としたオートメーション」で事業戦略を構築 【2012/3/10号】 |
4月1日付で、山武はアズビル株式会社に社名を変更し、新たなスタートを切る。
新スタートに伴い、社長には曽禰寛純取締役が就任する。 社名となったアズビルは、操業100周年の2006年に制定された
「azbil」 の 「Automation Zone Builder」 から採られたが、基本理念は 「人を中心としたオートメーション」
だ。 1980〜1990年には、自動化や統合化が進んだが、2010年以降は設備の複雑化とともに再び人が回帰する。
そのうえでオートメーション設備をいかに構築するかが求められる。 この理念を象徴するのが
「azbil」 だ。 これを社名とする新生アズビル株式会社がどのような企業に成長していくのだろうか。 |
CO2対策から基幹エネルギーになった天然ガス
東日本大震災から1年、エネルギーの主役になった天然ガス 【2012/3/10号】 |
2011年3月11日の東日本大震災から丸1年が過ぎた。 この1年間、様々な思いを持って、読者の方々も過ごしたと思う。 小誌編集部にとっては、福島第一原発の事故を目の当たりにして、エネルギー確保の重要性に直面したのもこの1年間の出来事だった。 そんな中で、天然ガスがエネルギーの主役に躍り出ようとしている。 震災前は、CO2排出抑制のための天然ガスだったかもしれないが、今では将来の基幹エネルギーになろうとしている。
これに伴い、アジア大洋州など、世界各地でLNGプロジェクトが具体化している。 |
Jパワー、中国の超々臨海圧石炭火力IPPに参画
海外IPPは2017年まで運開プロジェクト連続 【2012/1/25号】 |
電源開発 (Jパワー) は、三井物産、日本政策投資銀行と共同で中国・広西チワン族自治区賀州市で、出力2,000MWの超々臨界圧石炭火力発電所IPPプロジェクトに参画する。
中国市場は、外資の参入が難しい市場と言われている。 しかし、超臨界や超々臨界といったクリーンコール技術を得意とするJパワーでは、同国市場への参入を積極的に進めており、今回のプロジェクトで合計3件目のIPPとなる。
リスクもあるが、海外IPPを 「経営の第2の柱」 に据えるJパワーは、これまで培った知見を活かしてプロジェクトに取り組んでいる。 |
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