メンテナンスのIT化と機械化に力を入れる新興プランテック
非熟練化・軽労化・安全性向上を実現 【2016/12/10号】 |
新興プランテックは、今年5月に発表した「第6次中期計画」で3つの受注戦略を掲げた。その中の一つである、「メンテナンス事業の受注拡大」を実現するには、技術面において非熟練化・軽労化・安全性向上といった事業環境の変化に伴う問題に対応する必要がある。これらの要素を満たすには、IT化と機械化は避けては通れない。そこでIT化では、施工情報管理と工事進捗管理、一方、機械化では、人を直接的に介する必要がない工法を開発するなど、事業環境の変化に対応している。新興プランテックによるメンテナンスのIT化と機械化の動向を追った。 |
ベントレーが「YII2016」で示したライフサイクルソリューション
コモンプラットフォームを支えるインターオペラビリティ 【2016/11/25号】 |
11月1日から3日までの3日間、ベントレー・システムズがロンドンで開催した「THE YEAR IN INFRASTRUCTURE 2016 CONFERENCE(YII2016)」では、世界各国から集められたユーザー事例とベントレーの事業戦略が発表された。そこで示されたのは、様々な施設のライフサイクルを管理するベントレーのソリューションだった。対象分野を拡大するソリューションだが、各ソリューションはコモンプラットフォームの上で稼働し、かねてからベントレーが重視するインターオペラビリティ(相互互換性)が確保されている。クラウドの時代を迎えた現在、その事業戦略は新たな結実を迎えている。 |
三井造船、トルクメニスタン向け硫酸プラントを完工
30年ぶりの硫酸プラント、未経験の国で順調にプロジェクト遂行 【2016/11/10号】 |
三井造船は去る6月、トルクメニスタンで硫酸プラントを完工し、引き渡した。これまでに経験のない国で、30年ぶりに建設した硫酸プラント。サイトの気候は夏季には50℃に達するものの、冬季には-25℃まで気温が下がるなど厳しかった。それでもプロジェクトは成功裏に終了した。この背景には、長年に渡り、世界各地でプラントを建設しながら知見を蓄積してきた三井造船のプロジェクト遂行力の底上げがある。 |
安定軌道に乗ったJFEエンジの長岡生ごみバイオガス発電事業
水処理ライフサイクル事業の橋頭堡に 【2016/10/25号】 |
自治体の財政が逼迫する中、PFIやDBO方式によるライフサイクルプロジェクトの計画が相次いで浮上している。焼却炉や水処理設備の建設から、長期間の維持管理・運営業務までを一括発注することで、ライフサイクルコストを適正化するのが狙いだ。収益の平準化を図りたいプラントメーカーも、息の長いプロジェクトの受注に力が入る。官民の思惑が一致するライフサイクルプロジェクトだが、維持管理・運営期間は15~20年間にも及ぶ。このためメーカーには、EPCプロジェクト以上にリスク管理の徹底、事業性の確保が求められる。JFEエンジニアリングが新潟県で実行中の生ごみバイオガス発電事業は、EPC、O&M、それぞれの段階でのくふうで事業性の向上を図っている。 |
地の利を生かしたMHIECの焼却炉DBOプロ
長崎で3割のコストダウンを実現 【2016/10/10号】 |
三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC)は今月、長崎県長崎市でゴミ焼却炉を完工した。市がDBO(Design Build Operate)方式で計画している焼却炉の建設・運営事業で、MHIECは来月から15年間に渡り、施設を維持管理・運営する。VFM(Value
For Money)は、市が焼却炉を建設・運営する従来の従来の公設公営方式に比べ、33.3%のコストダウンを見込んでいる。MHIECは、三菱重工業グループの地元である長崎の地の利を生かし、重工本社の長崎造船所、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の長崎工場、さらには地元ベンダーや工事会社と協力しながらコスト削減を図った。 |
FPSOのライフサイクルに伴うビジネスチャンスを事業化
EPCIとチャーター・リースの複合的事業で業績を安定化 【2016/9/25号】 |
三井海洋開発(MODEC)は、FPSOの建造からオペレーション&メンテナンスに加え、リース、チャーターサービスまで手掛けるユニークな企業だ。FPSOのライフサイクルをすべてビジネスチャンスとして取り込むため、事業環境の変化への対応力がある。そのMODECが8月、ガーナでは2基目となるFPSOの生産を開始した。SPC(特別目的会社)を活用したリース契約により10年間に渡り、リース、チャーターサービスを提供する。2014年半ばから始まった原油価格の値下がりから、エネルギー関連のプロジェクトの動きは悪いが、MODECはリース収入で業績の平準化を図る。そのビジネスモデルは環境変化への抜群の対応力を見せる。 |
中部プラントサービス、「多気バイオパワー」の営業運転を開始
初の本格的な発電事業、設備のライフサイクルでコストダウンを実現 【2016/9/10号】 |
発電プラントや石油・化学プラントのメンテナンスを主に手掛けてきた中部プラントサービスがこのほど、初の本格的な発電事業である木質バイオマス発電所「多気バイオパワー」の営業運転を開始した。20年間にわたり売電する事業だが、その収益力の向上を目的に、プラントのライフサイクルを通じたコストダウンにも取り組んだ。森林事業の活性化を目的に具体化した発電事業だが、事業の多角化を進める中部プラントサービスの、将来への試金石ともなる取り組みだ。 |
山九、新型超重量物輸送特殊車両と大型クレーンを導入
高まる重量物輸送ニーズに対応、「重量物の山九」をアピール 【2016/7/25号】 |
山九はこのほど、新たに導入した「ユニットドーリ」と大型クレーンを公開した。近年、プラント工事においても、現場工事の省力化・効率化を図るため、工場や別のヤードで「大ブロック化・モジュール化」するニーズが高まっているが、それには重量物を輸送するための機材が必要になる。山九がこのほど新たに投資した新型機材は、まさしく、現場工事の省力化・効率化を実現するうえで不可欠なものだ。山九はこれら機材を有効に活用するための、技術力・現場力に加え、機材を安定的に稼働させる整備力を兼ね備え、次世代の現場工事に対応するため、万全を期している。 |
NBP、豪イクシスLNGプロでモジュール輸送
豊富な実績と技術ノウハウで、23航海を無事に終了 【2016/7/10号】 |
西オーストラリアの沖合には、豊富な埋蔵量を持つガス田が広がっている。しかし、この地域一帯は自然の宝庫で、その開発には、自然環境への十分な配慮が求められる。このため、現在、建設が進められているイクシスLNGプラント建設プロジェクトでは、サイトワークを最小限にするため、ユニットのモジュール輸送が行われた。その輸送には、NYKバルク・プロジェクト貨物輸送(NBP)も取り組み、2014年春から今年1月までの間に、2隻の輸送船で23航海を行った。モジュール輸送には、最適な輸送を実施するためのエンジニアリングも必要になる。NBPのイクシスLNGプロジェクトにおけるモジュール輸送を追った。 |
脱硝技術に三位一体で対応する日立造船
触媒・プラント・舶用エンジン、開発から製造まで一貫対応 【2016/6/25号】 |
窒素酸化物(NOx)の無害化に不可欠な脱硝技術。その脱硝技術に対して日立造船は、触媒の開発・生産から製造プラント、さらには脱硝技術を装備した舶用エンジンまで、幅広く対応している。
今年4月、築港工場に最新の排煙脱触媒「NOXNON 800」の量産ラインを建設、需要が高まる脱硝ニーズに対応する体制を整備した。触媒からその生産プラントに加え、脱硝舶用エンジンまで、三位一体で対応する日造は世界でも唯一のメーカーだ。 |
シーメンス、潜在する国内風力発電プラント市場に照準
「ものづくり」力と操業ビッグデータ活用で売電価格も値下げ、競争力を強化 【2016/6/10号】 |
風力発電協会の将来展望によれば、現在約300万kWのわが国風力発電機歩は2050年には7,500万kWになる見通しだ。この見通し通りになるとすれば、わが国には、風力発電プラントの旺盛な市場がある。この市場の攻略を狙うのが、世界各地で豊富な実績を持つシーメンスだ。「ものづくり」力と世界各地で稼動するプラントの操業データによるビッグデータを有効に活用し、プラントと操業の最適化を図り、高い競争力で市場の攻略を狙う。 |
流体制御システムの金子産業、ベトナムで「第二の創業」
ベトナムカネコの創業記念式典を盛大に開催 【2016/5/25号】 |
電磁弁や「フレームアレスタ」などの通気装置で知られる、流体制御システムの金子産業。その金子産業が4月26日、ホーチミン市郊外のドンナイ省のニョンチャック工業団地で、現地法人ベトナムカネコの創業記念式典を開催した。式典には、中嶋敏在ホーチミン日本国総領事をはじめ、ドンナイ省人民委員会のチャン・バン・ビン副委員長などの日越政府関係者を含め84名が出席、盛大に開催された。1919年に創業した金子産業は今年、98周年を迎えた。創業100周年を目前に控え、「次の100年」を見据えた新たな拠点がベトナムに設立された。ベトナムカネコの創業は、金子産業にとっての「第二の創業」でもある。 |
シェブロン、ゴーゴンLNGプラントから初出荷
西オーストラリア・バロー島から第一船が出港 【2016/4/25号】 |
3月、オーストラリア西部の沖合にあるバロー島のゴーゴンLNG基地から最初のLNGが出荷された。その出荷先は日本の中部電力。バロー島は自然の宝庫で、プロジェクトは、サイトワークを最小限にするなど、様々な制約を受けた。これに対し、プロジェクトを遂行したケロッグ・ジョイントベンチャー・ゴーゴン(KJVG)はモジュール工法で対応した。シェブロンは、西オーストラリアのゴーゴンとウィートストーンの2カ所にLNG基地を建設するプロジェクトを進めているが、両プロジェクトともに大詰めの段階にある。 |
着々と進む相馬LNG基地建設プロジェクト
JAPEXが推進、コントラクターの技術の枠を結集 【2016/4/10号】 |
相馬LNG基地建設プロジェクトのサイトに近づくと、建設中のLNGタンクが目に飛び込んでいる。まだ建設途上のタンクだが、その威容が東北復興の象徴に見える。そんな威容を放つタンクだが、その施工には工期の短縮を目的に最新のJCM工法が採用されている。また、相馬から新潟・仙台パイプラインへ接続するための相馬・岩沼パイプラインの建設には、JFEエンジニアリングの「JFE-RAPID」工法が採用され、工期短縮と工事費削減に取り組まれている。東北復興のシンボルともいえるプロジェクトは、コントラクターの技術の粋を結集しながら進む。 |
技術力で差別化、し尿処理施設の基幹改良
ライフサイクル対応で収益を安定化 【2016/3/25号】 |
既存の建屋を有効活用しながらプラントを改造・延命化する基幹改良工事は、自治体のゴミ焼却炉だけではなく、し尿処理施設でも計画されている。わが国では1,000件もの施設が稼働しているが、このうち7割が完工から20年以上も経過しており、更新・延命化の需要も増加傾向だ。環境省も、環境負荷の軽減、投資の効率化を目的に、自治体に対して、基幹改良工事を推奨している。 |
TTCL、ベトナムDAP製造プラントプロジェクトで高い安全意識を証明
300万マンナワー超を無事故・無災害 【2016/3/10号】 |
TTCLは昨年6月に完工したDAP製造プラントで300万マンナワー超の無事故・無災害を記録した。日ごろから、マニュアルを作成し、社内の安全文化を醸成してきた成果でもある。この安全文化の醸成の背景には、TTCLの社長兼CEOである入矢洋信氏の安全への強い思いもある。社内の安全文化はトップの強い思いとともに醸成されてきた。300万マンナワー超の無事故・無災害記録は、TTCLの経営方針の下、醸成されたきた安全文化の結実でもある。 |
「夢を現実に」進む水素利用
千代田が取り組む輸送技術の確立と水からの電気分解による水素生成 【2016/2/25号】 |
燃料電池車の普及や水素インフラの整備は、現安倍政権の成長戦略の一つだ。こうした中、千代田化工建設は水素をトルエンに固定して、メチルシクロヘキサン(MCH)として常温・常圧で輸送する技術を確立した。この技術を核に、千代田は電気分解により自ら水素を取り出す技術の開発に取り組んでいる。技術的に可能な水素関連技術だが、そこには経済性の壁がつきまとう。千代田は、水素社会の創造という「夢」を「現実」にするために、エンジン全開で取り組む。
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狭い作業スペース、短工期を克服した荏原環境の基幹改良プロ
新潟市で近く完工、最新の環境技術を導入 【2016/2/10号】 |
荏原環境プラントが新潟県新潟市で実行しているごみ焼却炉の基幹改良工事が3月、完工する。すでに炉本体やユーティリティ設備の改造・延命化を終え、性能試験が行われている。プロジェクトは、既存の建屋内で、通常のごみ処理業務と並行して行うため、作業スペースが限られた。また新設・更新工事と同様に、納期遵守が課せられた。荏原環境は、作業動線の確保、機器調達・搬入のくふうによる現場作業の最少化で狭いスペース、短工期に対応した。 |
日造、ごみ焼却プラントにワイヤレス計装システムを導入
良好な通信品質を確認するも、コストには課題 【2016/1/25号】 |
日立造船は2013年からの2年間に、ごみ焼却プラント2プラントにワイヤレス計装システムを導入した。有線のシステムに比べ、配線が不要で、コストダウンや工期短縮メリットが期待されるが、ごみ焼却プラントへの導入では、どのような結果が出たか。日造の実プラントへの導入は、ワイヤレス計装システムへの新たな課題を浮かび上がらせた。それでもシステムの導入が実機で実現したことは、ワイヤレス計装システムの普及にとっては、大きな一歩だ。 |
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