実績武器に受注重ねる、重工環境・化学の焼却炉基幹改良
プロジェクトの確実な実行と、豊富な技術ラインナップが強み 【2014/12/10号】 |
焼却炉の基幹改良工事が相次いで計画されているが、累計受注実績10件のうち7件が随意契約と、自治体と良好な関係を維持しているのが、三菱重工環境・化学エンジニアリングだ。
今年度も神奈川県、京都府でそれぞれ、随契で受注している。 基幹改良工事も従来の新設・更新プロジェクトと同様に、入札でコントラクターを決めるのが一般的。
重工環境・化学は、限られたスペースやスケジュールでの確実なプロジェクトの実行、ランニングコスト削減、環境負荷の軽減、発電効率の向上などを実現する技術ラインナップで、自治体からの信頼を得ている。 |
ベントレー・システムズ、「The Year in Infrastructure 2014 Conference」 を開催
11月4日から6日までロンドンで、「CONNECT Edition」 を発表 【2014/11/25号】 |
エンジニアリングITのベントレー・システムズは、11月4日から6日までの3日間、ヒルトン・ロンドン・メトロポールで 「The Year in
Infrastructure 2014 Conference」 を開催した。 今回の参加者はプレス関係者100名を含む、総勢700名。 ベントレー製品の使用実績を25部門で競う
「Be Inspired」 が盛大に行われたのに加え、今回は 「MicroStation」 の新バージョンである 「CONNECT Edition」
が発表された。 クラウド環境を最大限に活用した新たなソリューションだが、2010年9月に 「MicroStation V8i」 以来の大きなバージョンアップだ。 |
「トルコ150年の夢」 を叶えた大成
世界初の工法で、ボスポラス海峡横断鉄道トンネルを完工 【2014/11/10号】 |
昨年10月、トルコで総額1,500億円超、足掛け10年間にも及ぶ巨大プロジェクトが完工した。 大成建設がボスポラス海峡横断鉄道トンネルを完工。
海峡を挟み、東西に二分していた首都イスタンブールを結んだ。 トンネル工事は 「トルコ150年の夢」 と呼ばれ、オスマン帝国時代の1860年から幾度となく計画。
その都度、政治・技術的な問題で白紙になった。 大成も、遺跡発掘に伴う工事の中断、海峡の複雑で早い潮流に悩まされながらも、世界最深部での沈埋トンネル工法、世界初となる沈埋トンネルとシールドトンネルの直接接合といった工法を取り入れ、プロジェクトを完遂した。 |
GEパワー&ウォーター、日本市場で攻勢
HAガスタービンも順調な滑り出し、多様な電力需要に技術で対応 【2014/10/25号】 |
電力自由化を目前に控え、外資系発電プラントメーカーの動きが活発になって来ている。 そんな時期に、GEパワー&ウォーターは今年から営業活動を始めたHAガスタービンを、米国で初めて受注した。
1,430〜1,600℃というH型の燃焼温度で空気冷却を実現。 これにより、構造がシンプルになり、ガスタービン・コンバインド・サイクル発電により、61%の発電効率を実現した。
このHAガスタービンはすでに日本でも受注しているが、今後も後続案件の受注を狙う。 このほか分散型発電プラントなどでも日本の電力市場の攻略を目指す。
GEパワー&ウォーターの動きから、当面、目を離すことはできない。 |
JFEエンジニアリングが農業でビジネスエンジニアリング
北海道にスマートアグリプラントを完工 【2014/10/10号】 |
JFEエンジニアリングは昨年10月、スマートアグリ事業に参入した。 スマートアグリ事業は、自社のエネルギー・空調技術と、提携先の蘭Priva社の栽培制御技術、顧客である農業生産法人が持つ農業の知識を融合し、植物工場のコンサルティング業務から、EPC、O&M、事業投資まで、一貫して対応するもの。
いわば、植物工場の建設を絡めた農業のビジネスエンジニアリングと呼ばれるものだ。 その第一段として今年8月、北海道苫小牧市に植物工場、スマートアグリプラントを完工した。
JFEエンジ自らが10億円を投資し、地元の農業生産法人との設立した合弁会社、Jファーム苫小牧社が植物工場を運営、5年間での投資回収を見込んでいる。 |
売上倍増を目指す日造水処理・産業装置本部
旧アタカ大機の事業を移管、海外市場と新技術で事業領域を拡大 【2014/9/25号】 |
今年4月、旧アタカ大機が日立造船に吸収され、水処理・産業装置本部として再スタートを切った。 旧アタカ大機の年間売上高は約250億円。 水処理・産業装置本部は、当面は300億円の売上高達成を目指すが、将来的には500億円にまで伸ばす考えだ。
この売上倍増を実現するのに必要なのが、海外市場の開拓と新技術の商品化だ。 日造の一本部となったことで、アジアをはじめとする世界各地の拠点を活用できるようになった。
また旧アタカ大機の時代から取り組んできた技術開発についても商品化に近づいている技術は少なくない。 新生、水処理・産業装置本部の事業戦略を取材した。 |
サウジアラビアで示された新たな日韓協業の形
SATORP向けコーカープロジェクトで千代田・サムスンJVが成果 【2014/9/10号】 |
2000年代以後、世界各地における韓国のエンジニアリング企業の躍進は目覚ましい。 日本と韓国のそれぞれの成約実績を見ても、2006年度に韓国が日本を抜いてから、日本は一度も成約実績で韓国に追いついたことがない。
この韓国勢の躍進で、わが国が市場を奪われてきたことも確かだ。 しかし、今回のコーカー建設プロジェクトで、千代田は韓国の長所を引き出し、プロジェクトを成功させた。
このプロジェクトでは、新しい日韓協業の形が示されたと言える。 |
三井造船、シンガポールPCS向けにブタジエン製造プラントを完工
シンガポールで30件超の実績、安全重視の施工体制で契約納期も遵守 【2014/7/25号】 |
三井造船にとって、シンガポールは特別な市場だ。 1982年以後、これまでのプラント建設実績が30件超。 顧客や協力業者とも良好な関係は築かれ、プラント事業の主戦場だ。
このシンガポールで今年3月、三造はブタジエン製造プラントを完工した。 プロジェクトでは、若手・中堅エンジニアを積極的に投入し、安全重視のプロジェクト遂行で無事に完工した。
プロジェクト期間中の昨年10月には、現地法人MESアジア社が設立され、今後は、LSS (ライフサイクル・ソリューション・サービス) 事業にも力を入れる。 |
RO法海水淡水化プラントに本格参入する日立造船
差別化実現するHiSIS技術で実証試験を開始 【2014/7/10号】 |
かつて、海水を沸かして真水を造る蒸発法が主流だった海水淡水化プラント。 その後、RO膜の技術進歩により、すでにRO法のプラントが世界の主流になっている。
しかしRO法のプラントは構造がシンプルなため、参入障壁が低く、すでに多くのエンジニアリング企業が参入し、熾烈な競争が繰り広げられている。 この市場に蒸発法で世界有数の実績を持つ日立造船が本格的に参入する。
そこで求められるのが差別化技術だが、その技術として、日造は高速海底浸透取水方式 (HiSIS:Hi-speed Seabed Infiltration
System) を開発、その実証試験が今年6月からアブダビで始まった。 |
トーヨータイ、ミャンマー向け発電事業でプロジェクトファイナンス
タイ輸銀と契約、モン州向け1,280MW超超臨界発電設備でもFS 【2014/6/25号】 |
タイを拠点に、東南アジア、中東、米国で活躍するトーヨータイ。 EPCコントラクターとして豊富な実績を持つが、最近は自社EPCと事業投資を融合したビジネスに力を入れている。
そんな中、タイ輸出入銀行のプロジェクトファイナンスによる資金調達を得て、ミャンマー・アロンガスタービン発電プラント建設のファイナンスが固まった。
そのプロジェクトファイナンスの調印式が去る5月28日、バンコク市内のホテルで行われた。 プラントを建設するためのプラント・エンジニアリングと事業投資を実現するビジネス・エンジニアリング。
これらを両輪に、トーヨータイはさらなる成長に向かう。 |
環境省、ゴミ焼却炉110件超に交付金
神奈川・石川・長野・京都・熊本などでDBOプロ 【2014/6/10号】 |
環境省はこのほど、平成26年度循環型社会形成推進交付金内示 (第1回) を発表した。 自治体が計画する、ゴミ焼却炉の建設、基幹改良工事などが対象で、新たに114件に交付金が付与された。
114件の内訳は、新設・更新プロジェクトが68件、基幹改良・長寿命化工事が46件。 |
日本で風力発電市場に再参入したGE
ハードウェアを最大効率で稼働させるサービスで差別化 【2014/5/25号】 |
ゼネラル・エレクトリック (GE) が風力タービンで、日本市場に再参入した。 その事業の特徴は、ハードウェアだけではなく、それを最大限生かすことのできるサービスが充実していることだ。
ハードウェアとサービスを融合しながらビジネスを展開することで、発電コストを最小化する。 設備のライフサイクルコストでは、今までは利益が難しいかったサイトでもユーザが十分なメリットを享受できるビジネスモデルを確立した。
ハードとサービスを融合したGEの風力発電事業を取材した。 |
川重、山口県防府市でゴミ焼却炉完工
わが国初のゴミ焼却・バイオガス化複合発電 【2014/5/10号】 |
川崎重工業はこのほど、山口県防府市で、ゴミ焼却炉の引渡しを行った。 DBO (設計・施工・運営) 方式のプロジェクトで、今後は2034年3月までの20年間に渡り、ゴミ処理の運営事業を手掛ける。
プロジェクトの実行にあたり、事業性を向上させる、様々なくふうを取り入れた。 ゴミ焼却・バイオガス化複合発電もその一つで、発電用の蒸気をバイオガスで加熱することで、発電効率23.5%、最大発電量3,600kWを達成。
炉外で加熱するため、ボイラの腐食・減肉を防ぎ、設備の長寿命化と高効率発電を同時に実現した。 |
3次元処理ソフトでシェア拡大する韓国Dream T&S
設立3年で上海に支店、世界各地に販売ネットワーク 【2014/4/25号】 |
「5年以内に、3次元モデリングで世界のトップになります」 韓国のDream T&Sのマネージング・ダイレクターである、マイケル・チョイ氏は真剣に語る。
「3次元モデルのデータと写真を統合できるようにする」 「3次元データをベースにした解析エンジンを作る」
など、新製品に追加する機能は、次から次へと頭に浮かぶ。 これらを製品である
「PointShape」 の新バージョンに反映していけば、その機能アップが実現できる。起業して3年が過ぎたばかりのDream
T&Sだが、世界トップを目指すための意欲には熱気を感じる。 ソウルのベッドタウン京畿道にあるオフィスで、意気込みを取材した。 |
JFEエンジ、LNG受入基地・Pラインを完工
フロントローディングの徹底で、工期3カ月間短縮 【2014/3/25号】 |
JFEエンジニアリングは昨年9月、中部電力の川越火力発電所LNG受入基地向けプラント工事と、伊勢湾横断ガスパイプライン工事をそれぞれ完工した。
LNG受入基地のプロジェクトは、能力増強の一環として行われたもので、受入設備、LNG気化器、高圧圧縮機などを建設。 パイプラインは、中電と東邦ガスの共同で計画された、伊勢湾横断ガスパイプライン。
三重県と愛知県を結ぶ、2本の海底シールド内パイプラインを建設した。 両プロジェクトの遂行では、フロントローディングを徹底。 初期段階で工程の詳細を固め、想定される課題や問題に早期に手を打つことで高い生産性を実現。
いずれのプロジェクトでも工期短縮に成功した。 |
ケミカル的アプローチで差異化できる、MECの食品プラント・エンジ
サイゼリヤ・千葉工場が順調に稼働 【2014/3/10号】 |
エンジニアリング業界の中でも、食品プラント・エンジニアリングに対応するのは、専業エンジニアリング、ゼネコン、食品系エンジニアリングと様々だ。
そんな中で、ユーザー系のエンジニアリング企業である三菱化学エンジニアリング
(MEC) は特異な存在かもしれない。 しかし、ユーザー系エンジニアリング企業ならではの、ケミカル的アプローチが評価され、1975年以来、食品プラントを1,000件以上、建設してきた実績がある。
そのMECが昨年1月に竣工したサイゼリヤ千葉工場が今、稼働後1年を経て順調に稼働している。
ソース類を煮込み過ぎることなく加熱調理するサイゼリヤのノウハウを製造工程に反映。
「世界一おいしいソース」 と顧客に言わしめる実績を上げた。 MECの食品プラント・エンジニアリングには、ユーザー系エンジニアリング企業としての強みが発揮されている。 |
ユーティリティの効率的運営をサポートするアグレコ
日本国内で温度調整設備レンタルサービスに手応え、市場拡大に本腰 【2014/2/25号】 |
事業用発電から工場の自家発設備、または工場の温度調節まで、アグレコが提供するユーティリティサービスは幅広い。
ユーザーが資産を持たずにレンタル料金だけで、発電設備や温度調節が可能になるため、その手軽さも手伝って、アグレコの事業を近年、急速に成長してきた。
こうした中、日本法人のアグレコ・ジャパンは昨年4月から、日本国内で温度調整設備のレンタル事業の本格的に開始した。
すでに昨年実施した案件では、ユーザーからも高い評価を得ている。 発電から工場の温度管理まで、多様なユーティリティサービスを効率的に提供するアグレコだが、温度管理のビジネスに新たな商機を見出している。 |
改正電気事業法でニーズ高まるHVDC
ABBが半世紀以上の実績、国内市場でも取組に本腰 【2014/2/10号】 |
「チェンジはチャンス」 ビジネスの世界では、言い古されたことかもしれない。
しかし今、わが国の電力事業は大きく変わろうとしている。 これまで地域独占で供給されてきた電気は、昨年11月に成立した改正電気事業法により、全面的に自由化される。
つまり、全国どこにいても好きなところから電気を購入できるのである。 ここでわが国の送電や電力網の連系の問題が浮上する。
これまで地域単位で行われてきた電気事業の送電網では全国レベルで機能しない可能性がある。
そこで求められるのが送電網の整備だ。 過去半世紀以上に渡り、長距離送電に取り組んできたABBには豊富な実績と高い技術力がある。
ABBは今まさに、変化をチャンスと捉え、そのビジネスに本腰を入れている。 |
IT活用で焼却炉監視の省人化図る日立造船
燃焼画像認識システムを開発 【2014/1/25号】 |
日立造船は目下、ITを活用したゴミ焼却・発電の省人化による、焼却炉のライフサイクルコスト削減に取り組んでいる。
これまでにも、炉の遠隔監視システム、画像収集システムを開発し、大阪本社の遠隔監視・運転支援センターで焼却炉の効率運転を支援してきたが、このほど、燃焼画像認識システム
「CoSMoS」 を実用化した。 新システムは、オペレータに代わり炉内の燃焼状況を監視し、燃焼悪化の予兆を検知。
その予兆を自動燃焼制御システム (ACC:Auto Combustion Control) に伝えることで、ゴミ質の変動に合わせた燃焼調整を行う。
オペレータの経験不足を補うと同時に、いっそうの省人化が可能になる、画期的なシステムが実現されようとしている。 |
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