分岐点にあるFLNGプロジェクト

 昨年5月に、シェルが世界初のFLNGプラントとなるプレリュード計画にFID (最終投資決定) を下し、1年以上が経過した。 その後、マレーシアで2件の中小ガス田用FLNGプラントが具体化に向かい、FLNGプロジェクトは検討段階から実用段階にステージを上げた。 しかし、この動きが今後も継続されるかというと、疑問がある。 北米では、シェールガスが生産され、安価な価格で大洋州に出回る可能性もある。 米政府は輸出相手国をFTA締結国に限定するとしているが、近々行われる米大統領選の結果次第で先行きは分からない。 それでも、本格的にシェールガスベースのLNGが出回ることになれば、プラントコストが割高のFLNGプラントで生産されるLNGが競争力を確保できるのか。 最早、FLNGプロジェクトは分岐点にある。

  【総 論】
  分岐点にあるFLNGプロジェクト  相次ぐプロジェクトの具体化も、先行きはシェールガスが左右
  FLNGプラントに業界各社も本腰  中小ガス田開発のための有効手段


   (Vol.298 2012年10月10日号より)


重化学工業通信社
ENN編集部