巨大水市場とエンジニアリング

 経済産業省によれば、水関連ビジネスの市場規模は2025年までに86兆円と言われる。 エンジニアリング業界には、水処理、海水淡水化プラントなどを手掛けてきた企業が少なくなく、この市場は軽視できるものではない。 が、水関連のエンジニアリングに高度な技術は必要ない。 そのほとんどがローテクである。 このため技術では差別化が難しいのが実態だ。 そこで求められるのが、ビジネスエンジニアリングとも呼ばれる事業そのものの設計である。 水関連プロジェクトは 「インフラ」 と 「ユーティリティ」 に分けられるが、いずれの分野でもビジネスエンジニアリングによる差別化が求められる。

■荏原・日揮・三菱商事の合弁により生まれた日本発の総合水事業集団
  インタビュー:荏原エンジニアリングサービス 代表取締役社長 廣瀬 政義 氏

■総 論
  人口増加と産業高度化で拡大する水ビジネス
  「インフラ」 と 「ユーティリティ」 の二つの切り口

■専業エンジニアリング
  ビジネスアプローチの日揮とエンジ的攻略を志向するTEC
  異なるアプローチの両社だが、海外パートナーとの協業を重視

■蒸発法・海水淡水化プラント市場
  中東湾岸の特殊性が市場を喚起、蒸発法海淡プラント市場
  膜法が主流の時代に、蒸発法に脚光

■水処理設備メーカー
  産業ユーティリティサービスに賭ける水処理設備メーカー、
  高付加価値サービスを提供、高い収益力を実現

■商 社
  水ビジネスを拡大する商社
  低くても安定する収益が魅力、アセット拡大を目指す


(Vol.250 2010年7月25日号より)

重化学工業通信社
ENN編集部