標準化に向かうメンテナンス

 わが国の製造業は長年に渡り、強さを誇ってきた。 その強さの源泉は、強い現場にあった。 昭和30年代の貧しい頃、大学進学率の低い時代は、製造業に質の高い若年の労働力が供給できた。 しかしわが国が経済成長とともに豊かになるのに伴い、高学歴社会が生まれ若年の労働力の確保が難しくなると、質の良い労働力が現場に供給されにくくなった。 そして歴史を経た現在、質が高い上に熟練した労働力は現場を去る時代になった。 こうした中で熟練したメンテナンス要員も徐々にリタイヤするようになっている。 この時代を迎え、わが国のメンテナンス現場はいつまでも現場の腕っ節に頼るメンテナンスでは立ち行かなくなってきた。 そこで求められるのがメンテナンスの標準化だ。 メンテナンス技術が属人的になるのを避け、誰がやっても同じような水準のメンテナンスが確保できる。 こんな時代の到来が待たれる時代になってきた。 メンテナンスにおける標準化動向を追った。

 【総 論】
 メンテナンス標準化は時代の必然 -ヨーロッパから動き出す標準化の動き、わが国ではMOSMSが誕生-

 【塗装検査員資格FROSIO】
 ノルウェーで生まれた塗装検査員制度を日本にも導入 -日本語による資格試験を日本船舶技術研究協会が開始-

 【システム・ベンダー編】
 メンテナンス標準化の老舗 「システムベンダー」 -CMMS、EAMシステム提供ですでに実績-


(Vol.213 2008年11月25日号より)

重化学工業通信社
ENN編集部