過熱する中東市場
 産エネルギー地域である中東は、わが国の海外プラント・エンジニアリングビジネスにとって最重要市場の一つだ。思えば、わが国のプラント輸出は1970年代のオイルショックに伴う原油価格の値上がりとともにプロジェクト需要が拡大し、第一期黄金時代を迎えた。この時期、中東では「中東のどこかで月に1件プラントが建つ」と言われた。
 その時代からほぼ30年。現在はプラントも大型化し、中東の大型プロジェクトにより重量物搬送などの問題が起こっている。この特需で資材価格も高騰し、最近では資材の材料すら入手が難しくなっている。しかもエンジニアリングコントラクターは、創業以来とも言える莫大な受注残高を抱えている。その過熱ぶりは前代未聞の状況にある。

 ☆油価高騰が引き金を引いた中東市場の過熱 -空前絶後の大需要、世界のプラント供給能力を超える-
 ☆コントラクター供給能力超えた「化学プロジェクト」 -注目はサウジ案件とクウェート大型製油所商談-
 ☆大型化する、中東地域のIWPPプロ -大型化とともに長引く商談、プロジェクト組成に時間-
 ☆米国か石油か、股裂きになりそうなアザデガン -虎の子の自主開発油田はどうなる-
 ☆日本上陸を果たしたサウジ企業 -ザミール・スチール日本事務所 所長 冨永 誠一 氏に聞く-

(Vol.157 2006年5月10日号より)

重化学工業通信社
ENN編集部