ゼネコンエンジ 「盛衰の選択」
 昨年7月、大林組がエンジニアリング本部を建築本部に吸収した。ゼネコンでは2003年3月に竹中工務店が研究所とエンジニアリング本部などを統合して技術ソリューション本部に再編したが、ゼネコンの組織から「エンジニアリング」が消えた。一方、清水建設は2001年4月にエンジニアリング本部をプロフィットセンター化してエンジニアリング事業本部として再出発を果たし、利益集団として位置付けられるようになった。鹿島も清水のプロフィットセンター化を追いかけようとしている。
 ゼネコンにエンジニアリング本部が発足したのは1970年代。以後30年間に渡り、ゼネコンのエンジニアリング機能は主力の建築部門の受注支援部隊だった。しかし、何時までもコストセンターでいることは果たしてどのような意味があるのか。事業が成長し独り立ちするには、収益管理、コスト管理なども必要である。いつまでもコストセンターで本格的な事業の成長は望めないはずだ。ゼネコンにエンジ本部が発足してから30年あまり。今、その盛衰の選択が求められている。
 こんな中、2006年を迎えたわけだが、エンジニアリング業界はこの1年をどう生きるのか。市場は引き続き堅調だが、昨年以上に多様性が見られることが予想される。
 
 ☆ゼネコンエンジ、改廃のきっかけはバブル崩壊 -スタッフ部門で生き残れるか-
 ☆プロフィットセンター化は成長に必須 -コストセンターとしてのゼネコンエンジは消える-

(Vol.150 2006年1月25日号より)

重化学工業通信社
ENN編集部