燻る中東の火種


 長期間に渡る高水準の原油価格により、産油諸国中東には今、潤沢なプロジェクト資金がある。わが国のプラント・エンジニアリング業界にとっても、非常に大きな市場になっている。

 が、イスラムを地盤とするこの地域には、米国への嫌悪感が常にある。テロは中東のどこかにいつも潜んでいる。特に昨年、サウジアラビアが国内のテロリストを国外に追放したことから、中東各地にテロリストが散らばった。今年3月には、米軍基地を抱き、親米政権を持つカタールでも自爆テロが勃発した。

 こうした中、米国制裁法の対象となるイランでは、6月の大統領選を控えている。中東は巨大市場ではあるが、カントリーリスクが常に存在する。この地域への過度な集中は、企業リスクにとっても大きな問題だ。


 中東の巨大プロジェクト市場で燻る火種
  - カタールでは自爆テロ、イランには制裁 -

 カタールは安全か

  - “1地域集中化ビジネス”の危険性 -

 イラクの巨額債務はどうなるのか
  - 足カセをはずさなければ -


(vol.137 2005年6月10日号より)

重化学工業通信社
ENN編集部