油価高騰の衝撃


 原油のWTI価格が50ドルを突破。1970年代のオイルショックを上回る、衝撃的な油価上昇が起こった。タイではナフサクラッカーの増設プロジェクトが棚上げされ、エチレンプロジェクトはエタンクラッカーの時代に入ったように見える。

 が、プロピレン、ブタンなどのバイプロダクツを生産できるナフサクラッカーの魅力は尽きない。また50ドルまで高騰したのは軽質原油を扱うWTI価格。重質油のドバイ原油は30ドル台で推移している。この価格差から石油会社は軽質化需要に対応してFCCなどの分解設備の導入の検討を開始。新しい状況は確実に動き始めている。


日本エネルギー経済研究所 十市勉常務理事に聞く
 「大きな流れの中で需要と供給の両方の変わり目にあります」

まだまだ続く、高水準の油価
 油価を押し上げるのは政治的要因と経済成長

石油・ガスPJ、油価高騰でも注目はガス
 国内石油メーカーはFCC導入が視野

石化、油価高騰でナフサクラッカー計画が頓挫
 エタンクラッカーで21世紀を生き抜けるか

重電、今後の事業拡大に繋がるビジネスチャンスに
 O&M事業、オンサイト電源事業のニーズ拡大

省エネ事業、脱ESCO事業へ
 工場全体を改善する、顧客との共創型提案事業に


(vol.123 2004.10.25号より)

重化学工業通信社
ENN編集部