省人化から無人化に向かう、ごみ焼却プラント

人手不足が深刻化するのに伴い、ごみ焼却プラントのデジタル化が進み、その結果、運転の省人化が進んでいる。そこでは、ごみの燃焼を均一化する目的で、ごみの撹拌が行われ、燃焼状態は温度センサーや燃焼そのものをカメラで撮影して、画像処理するなどの方法で確認し、必要に応じて酸素が取り込まれたり、助燃剤が投入されている。こうした取り組みにより、長期間に渡る無人運転を実現した実証ケースも出始めている。ごみ焼却プラントの運転は省人化から無人化へと向かいつつある。

 【総 論】
  省人化から無人化に向かう、ごみ焼却プラント
  各社、特徴を活かした開発を推進、92日間の自動運転も実現

 【荏原環境プラント】
  遠隔サポートを通じた操炉標準を活用して運転自動化を目指す
  ごみクレーンの自動化からAI活用に着手し、焼却炉の自動化へも展開

 【カナデビア】
  Inovaの自動燃焼制御システム「Autaro」で実証試験を開始
  運転員の負担を大幅に軽減

 【川崎重工業】
  運転支援・ごみクレーン運転最適化システム・ACCで運転の省人化を実現
  独自のロボット技術も導入、顧客ニーズに応じた最適システムを提供

 【JFEエンジニアリング】
  ごみ焼却炉の92日間、完全自動運転を実現
  早い時期からシステム開発に着手、属人的な判断の標準化でも成果

 【神鋼環境ソリューション】
  安定燃焼を誇る「回転ストーカ式焼却炉」で燃焼を制御
  90日間連続無人運転を目標に技術開発を継続

 【タクマ】
  独自の運転維持管理総合支援システムとAI活用で省力化を実現
  プラントの遠隔監視・運転支援サポートから発展

 【日鉄エンジニアリング】
  プラントが自立的に判断する「Think Plant」をごみ焼却プラントに適用
  根拠あるデータ解析でモデルを組成、データ重視AI活用を実践

 【三菱重工環境・化学エンジニアリング】
  プラント統合運用システム「MaiDAS」により最適稼働を実現
  人と設備の負担軽減を目的に開発


 (Vol.564 2024年11月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部