まだまだ行ける、LNGプロジェクト

最近になって「LNGプロジェクトの実現が難しくなる」という話題に接するようになった。その理由は、LNGプラントの建設には5〜6年を要するうえに、20年間ほどの製品引取期間が追加されるためだ。このため、製品引取期間が終了するのは、多くの国がカーボンニュートラルの実現目標とする2050年の直前になる。これによりエンドユーザーは20年間の引取契約を避けるため、LNGプロジェクトのファイナンス組成が困難になり、実現しにくくなる。このことがLNGプロジェクトの実現を難しくするというのだ。

しかし、現実を見れば、CO2を回収するCCS設備の導入によりカーボンニュートラルを実現することも認められるようになってきている。カーボンニュートラルの時代になっても、化石燃料の中でも、CO2の排出が少ない天然ガスは重要なエネルギーであり続けるはずだ。LNGプロジェクトは「まだまだ行ける」と言えるだろう。


 【総 論】
  まだまだ行ける、LNGプロジェクト
  陰りは見え始めたが、引き続き堅調な需要


 【各 論】
  世界各地で期待案件が具体化、注目されるLNGプロジェクト
  米では新興プレーヤーの案件が難航するも、ベンチャーグローバルに注目



 (Vol.530 2023年4月25日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部