プラント貿易アウトルック2021

 2021年度の海外プラントビジネスは、新型コロナウイルスの影響を社会が吸収する中で展開された。この動きは、これまで停滞していた物の動きを活発にしたが、急激な動きから、プラントの資機材は高騰、輸送費も上昇した。こうした状況から、プロジェクトは具体化に向かったものの、契約交渉に時間がかかり、前期中に受注できない案件も少なくなかった。その中で、発電プラント分野では、トランジション(移行)期のエネルギーとして位置付けられるガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電プラントが高水準で推移したほか、欧州やアジア地域で需要が高まるごみ焼却発電プラントの建設プロジェクトが活発に推移した。停滞から回復した海外プラントプロジェクトだが、とまどいの中でビジネスが展開された。

 【総 論】
  市場の回復ととまどいが混在した2021年度
  資機材・輸送費が高騰、受注契約のカギはリスク回避

 【国際協力銀行 関根 宏樹 業務企画担当特命審議役 兼 経営企画部審議役】
  出融資・保証承諾実績は高水準を維持

 【日本貿易保険 浦田 秀行 執行役員 営業二部長】
  コロナ禍でも保険引受額は増加、日本企業の海外展開を支援

 【千代田化工建設 櫻井 公穂 営業本部 本部長】
  前期はカタール・NFE LNGプロジェクトの遂行を優先

 【東洋エンジニアリング 細井 栄治 専務取締役 プラントソリューション事業本部長】
  海外プロジェクトでは、海外拠点を積極的に活用

 【日揮グローバル 桜井 宏司 エネルギーソリューションズ 執行役員 営業本部長】
  受注目標未達も、要因は客先による投資決定の延期ならびに
  採算重視の契約ネゴによる商談長期化

 【日揮グローバル 加嶋 良輔 ファシリティインフラストラクチャー
                ソリューションズ ジェネラルマネージャー】
  日揮グローバルの特徴を活かした高付加価値化案件の受注に取組

 【三菱重工業 河本 英士 エナジードメイン
      エナジートランジション&パワー事業本部 副事業本部長】
  前期はアジア・米州地域の好調により、好業績

 【日立造船 石川 英司 執行役員 環境事業本部 環境営業統括部長】
  HZIが欧州、日造が東南アジア市場をそれぞれカバー

 【2021年度 主要受注プロジェクト一覧】(本誌調査)



 (Vol.513 2022年7月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部