活況の医薬エンジニアリング市場

 医薬品製造プラントの設備投資額は年々増加している。その要因の一つは、医薬品の種類が増加していることだ。かつては、低分子医薬品が中心だったが、最近は、バイオ医薬品、核酸医薬品などの中分子医薬品の種類が増加している。これに加え、2020年から始まった新型コロナウイルスの感染拡大により、医薬品製造のサプライチェーンの問題が表面化したのに加え、わが国の医薬品メーカーのワクチン生産体制も問題視された。これらの対策に政府も補助金を用意して対応しており、医薬品の設備投資需要は急増している。まさしく、医薬エンジニアリング市場は活況状態にある。


 【総 論】
  活況の医薬エンジニアリング市場
  急拡大する市場、盛衰の分岐点にある業界各社

 【鹿島建設】
  旺盛な国内の医薬品エンジ需要に全方位的に対応
  需要高まるDXには、本社デジタル推進室と共同で取り組み

 【清水建設】
  製剤工程で豊富な実績、今後の狙い目は製剤前工程と受託メーカー
  デジタル化への対応では、情報ソリューション事業部と連携

 【大成建設】
  エンジ事業成長の原動力「医薬エンジニアリング」
  原薬から製剤工程までフル対応、連続生産技術開発にも着実に布石

 【千代田化工建設】
  バイオ医薬の産学での研究開発から医薬品の連続生産まで、積極的な取組
  中計の成長分野として、ライフサイエンスには強い期待

 【テックプロジェクトサービス】
  中分子医薬品工場の実績で高評価、成長を期待
  連続生産・デジタル化にも布石、人材確保を目的にキャリア採用へ

 【東レエンジニアリング】
  多様化するニーズに幅広く対応
  原薬から患者へのデリバリーまで、広がった対応範囲

 【日 揮】
  拡大する医薬エンジ市場に、技術力と経験で応える日揮
  重視される提案力と技術力を武器にトップコントラクターの地位を堅持

 【三菱ケミカルエンジニアリング】
  変革期にある医薬品製造に得意の原薬製造プラントで対応
  田辺三菱製薬との共同で、医薬品製造の連続生産システムを開発


 (Vol.511 2022年6月10日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部