同質化競争から個性派揃いへとシフトした医薬エンジ

 景気の影響を受けにくい医薬品プラントのエンジニアリング市場。専業エンジニアリングやゼネコンのエンジニアリング事業における重要な事業でもある。かつて、エンジニアリング各社はこの市場で同質化競争を展開してきたが、各社ともに、得意技術を磨き、その技術を軸に事業戦略を考えるようにシフトしてきた。多くの企業が中長期の成長市場と見るライフサイエンス分野だが、各社の個性的な事業展開をレポートする。

【総 論】
 同質化競争から個性派揃いへとシフトした医薬エンジ
 勝負を決めるのは顧客からの信頼

【鹿島建設】
 分厚い技術への対応で国内・アジア地域で積極展開
 製剤設備をベースに中分子やバイオ医薬品への拡大を狙う

【清水建設】
 無菌製剤で多くの実績、ゼネコンの強みと融合した提案が特徴
 遠隔監視など、IT活かした設備の提案にも注力

【大成建設】
 グループエンジ事業の強化で、エンジ本部の組織を改編
 成長市場を捉える体制に、医薬・ファインケミカル分野でTPSと提携

【千代田化工建設グループ】
 医薬品製造の先端技術で相次ぐ実績
 中計でライフサイエンス分野を重視、事業を支える分厚いサポート組織

【東レエンジニアリング】
 高薬理活性対応プラントと核酸医薬を両輪に地道に展開
 既存技術の高付加価値化で成長路線を歩む

【テックプロジェクトサービス】
 顧客への高付加価値化提案で底上げ狙う
 中計の重点分野、大成建設との提携では相互補完関係で事業領域を拡大

【日 揮】
 中長期経営計画でライフサイエンス領域が重要な柱
 技術重視で全方位に対応、新市場にも期待



 (Vol.490 2021年6月25日号より)



重化学工業通信社
ENN編集部